【感想・ネタバレ】長崎の鐘のレビュー

あらすじ

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天主堂から原子野に鳴り渡る長崎の鐘――、それは今も、世界に向けて平和の響きを伝える。
戦後数多く出版された長崎の証言の中でも、本書は「人類史上もっとも貴重なノンフィクションの一冊」として多くの言語に訳され、『夜と霧』『アンネの日記』と並んで世界的な反響を巻き起こして、映画や歌謡曲にまでなった。
しかし永井隆博士が1946年8月脱稿した原稿は、当初占領軍司令部の発行差し止めを受け、米国防総省に送られ、条件付きで公刊が許可されたのは1949年1月になってからだった。
永井博士は3日間の救護活動が一段落してから、全焼した家で緑夫人の遺骨を拾い、2児の疎開先で医療隊を再編成。そして自らの白血病と不眠不休の救護をおして本書を綴った。永遠の人間愛が今もなお感動と共感を呼ぶ、全人類必読の書。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

浦上の原爆投下直後の様子=怪我人の救護、火事からの退避、原子病の進行など、永井隆と彼を取り巻く大学の学生や看護師や同僚たちの活動を記録している。自身も負傷し、こめかみからの出血多量で卒倒したりしながらも、原子野を歩き、患者を訪ねて手当てして回る筆者たちもすごいけど、その症例を見ながら専門的学術的な議論を交わしていく彼らは本当に科学者・真理の探究者であり、まず永井隆自身、こういう科学と医学の将来のための貴重な資料として自身や患者を観察してこの記録を残しているところがすごい。昔読んだ時はこの物理的な話が全く入ってこなかったけど、改めて読むとそこも含めて興味深かった。日本は敗れて科学が勝利した。復員してきた学生が、自分はまだ戦えると息巻くのに対し、なぜ日本が負ける前にその力を出し尽くさなかったのか、自分は財産も妻も全てを無くしながらも患者を救うために全てを出し尽くしたからいっそ悔いがないと語っていたのが印象的だった。自分は無一物になったが、戦争成金も一部いて、そういう戦争で儲かる人たちがこの学生のような人を煽ってまた戦争を始めようとするから気をつけなさい、というのが、まさに今現実化しようとしているようで。
浦上の原爆とキリストの十字架を重ねている合同祭の慰霊文もとても印象深かった。互いに愛し合うことをせず憎み合い殺し合う、罪深い人間の贖罪として、罪のない浦上の主任司祭以下八千人の霊魂を神は召したのだと。だから亡くなった人は天罰が当たったとかでは決してなくて、犠牲者は生贄の神の子羊であり、生き残った者こそ生贄に値しない罪人なのだから、まだこの世で務めを果たさなければならない。
医学的な話、物理の話もよく出てくるし、器械も担架もなく薬も包帯も足りない状況で、迫り来る火の中、数えきれない傷病人をどうするか、とか、自分も限界な中で患者を訪ねて回る姿とか、医師になりたい人には読んでほしいし考えてほしい一冊だと思う。

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2026年03月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「この子を残して」に続き、青空文庫で読んだ。
原爆投下の瞬間からはじまり、自ら被爆しながら直後の混乱のなかの救護活動、医師ならではの被爆者たちの克明な症状変化の実態、そして無条件降伏の詔勅、そして‥。
これは、高貴な精神の、慟哭の記録である。

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2012年01月27日

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