【感想・ネタバレ】原子雲の下に生きて : 長崎の子供らの手記のレビュー

あらすじ

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長崎の原子雲の下にあって生き残ったわずかの子どもたちが、どんな目に遭い、何を感じたかを残すべきだとの要望に応えて、永井隆が募り、長崎市立山里国民学校の校区内で命をつないだ子どもたちの中から37名と、1名の教官が綴った手記集。
「原子爆弾はひどかとバイ。痛かとバイ。もう、やめまっせ!――」
戦争はいやだの言葉が、子どもたちの切実な叫びとなってこだまする。
後日談だが編者の永井博士は、本書の印税を原稿枚数に応じて子どもたちに分け、そして言った。
「お友だちの冥福を祈るために、記念碑を建てよう」
子どもたちは印税の中から少しずつを差し出し、残りの大半を博士が出して運動場に建てられた碑は、碑銘もない清楚なもので、傍らの石柱の表に「平和を」、裏に「あの子らの碑」とだけ刻まれている。

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Posted by ブクログ

生き残った児童の手記。どれも生々しく、平和の祈りに満ちている。
☆辻本一ニ夫
みんな、天主さまのおぼしめしタイ。よカよカ。
☆片岡泰男
☆深堀輝行
☆今村政子 満州から引き上げ
☆新木照子先生 子どもたちと私
五人の子ども
自分の幸福に溺れて、子供達の不幸に深く入っていかなかったことをはっきり知った
⭐︎永井カヤノ わたくしはお父さんと手を繋いで、山に行きたいと思います。えをかきに。
⭐︎山里小校長 欠席、遅刻、早退の防止は我々職員の重大課題の1つであった。
⭐︎伸びる子どもらの背後には、常に伸ばす教師や保護者の努力がある。

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2022年09月22日

Posted by ブクログ

子どもたち、とひとくくりに出来ない、一人ひとりに名前があって、辛い体験をして、生き抜いたのだ
戦後80年
たったの80年
生き残った人たちの記憶は決して消えない
私たちはそれを知るべきだと思う

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2025年07月21日

Posted by ブクログ

原爆が投下された前後に小学生だった子供たち。そして、それから少し時間が経過しただけの、その子供たちによる作文。薄い本だし、子供たちの作文なのでその気になれば一気には読むこともできるが、単語から情景を浮かべて共感しながら読もうとしてしまったせいで、何度も本を畳む。言葉にならず、安っぽい感想も評価も書けない気がしてしまったが、実際に体験した人たちが言葉にしているのに、それを読んだ人間が言葉を失う事もないのであって、感じたままを記す。

直接か間接かに関わらず、戦争の被害者は子供たちだ。選挙権もなく、行政に働きかける力もない。革命だって起こせない。戦争の理由も、目的も、その意味も分かっていやしない。にも関わらず、暴力に怯え空腹を堪え忍びながら、ある日突然、空襲に遭い、親を奪われる。

大人たちはこれを読んで脳に刷り込んでおくべきなのだろう。戦争という手段がもたらす結果を想像できるように。平和な日常の何気ない風景に感謝をしつつ。

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2024年07月24日

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