あらすじ
「一目見て、それが何をしてくれるのかを理解できるようにしろ」―ジョブズの“視点”を解き明かす!デザインの力を活用して、時価総額世界一の企業に成長したアップル。プロダクトのみならず、インターフェース、パッケージ、店舗空間、広告・グラフィックデザイン、知的財産権戦略まで、アップルのデザインの真髄をまるごと解剖。さらに、“ジョブズ名義”の特許のうち、まだ世には出ていないデザインやアイデアを読み解き、ジョブズの夢見た「未来のアップルデザイン」を大予測。アップルがデザインで作り上げた世界に迫ります。
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アップルの強さをデザイン面から分析した本。デザインに凝っているらしく、書籍もモノトーンのセンスを感じさせる本だった。iPhoneの分解写真もあったが、<はじめに>にもあるように、経験なども含めた「顧客とのあらゆる接点」をデザインすることに力を注ぐことに注目している。
内容は、ジョブスにとってのデザインとは、iPhone4Sの分解写真、インターフェースデザイン、アップルストアに挑んだ日本人、アップルの広告の変遷、iMac革命、Galaxyの戦いなどから見えるアップルが守りたいデザイン、ジョブスが夢見た製品(テレビ、ドッグ、ボタン不要のデザイン等々)
デザイン面からの分析の本は少ないので大変面白かった。
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アップルのデザインについて、外観、分解された内部構造、特許という3つの視点から考察が書かれています。
特に特許の視点はとても興味深く、アップル(ジョブズ)の設計思想はすべてが「ユーザー体験」に繋がっていることに感銘を受けました。
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「一目見て、それが何をしてくれるのかを理解できるようにしろ」アップルの精神の根幹を成すといわれる「デザイン」への圧倒的なこだわり、ここでは著名人のインタビューや数々の図案などを基に解説されております。
アップル社が世界最高の時価総額を誇る会社となった要因のひとつに故スティーブ・ジョブズ氏が徹底的にこだわりぬいたとされるデザインを抜きにしては語ることはできないと思います。本書ではデザインという視点からアップルという会社や製品を徹底的に解説したものとなっております。
プロダクト、インターフェース、パッケージ、店舗空間、広告・グラフィックデザイン、知的財産権戦略までよくもまあここまでのことに踏み込んで解説がされたものだなと、僕はデザインを本格的に学んだことはありませんが、インタビューに応じた
長谷川踏太氏(ワイデン+ケネディ トウキョウ・エグゼクティブクリエイティブディレクター)増井俊之氏(慶應義塾大学 環境情報学部教授)
猪子寿之氏(チームラボ代表)
藤崎圭一郎氏(デザインジャーナリスト)
山中俊治氏(慶應義塾大学大学院教授、リーディング・エッジ・デザイン代表)
坂井直樹氏(コンセプター)
らによる貴重なお話の数々や数々のデザインを引き受ける「デザイングル」の異名を持つジョナサン・アイブ氏の1999年当時の貴重なインタビューなどが1冊に盛り込まれていて、素人目にも、ここまでのこだわりあってのシンプルさだとつくづく思い知らされました。
とても印象に残っているのはiPhone4Sの分解した際に、使用されているネジの構図が製造時の効率性を犠牲にしてまで構成されている、というところで、ほかの企業にはまねのできない「神業」だと解説されているとことでございました。ティム・クックCEOに体制が変わり、今後も続々と新製品を発表するであろうアップル社が、今後どうなっていくかを見守りつつ、その思想の根幹を成す「デザイン」というものの重要性の一端を知ることができただけでも、この本に出会った価値はあると思っております。
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ジョブズがいた頃のアップルの製品に対する考え方を実際の製品を通して説明した本
面白かった デザインは機能と美しさの融合で、見た目だけで使い方がイマイチなんてのはデザインとは言わんのだと言う事を痛感した
まぁやり過ぎ感はあるもののこういうややもすると行きすぎたこだわりが多くのファンを作ったんだなぁとか今更思った
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プロダクトデザインの専門家やアップル信者の方々がアップルのデザインをべた褒めしてる本。アップルの製品作りへのこだわりがすごく伝わってくる。ディープになりすぎない前半のお話が特に面白く読めた。
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スティーブジョブスのデザインに対する、あくなきこだわりがわかる本。あと10年生きていたら、どれだけデザインの力で世界が変わったかと思うと、死が惜しまれる。
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ジョブスが亡くなってから色んな本がでて胃もたれ状態。
だけど、図解入りでわかりやすく単純にアップルがどれだけデザインに対して情熱を持ってるか!だけに特化して書いてある。
僕の様な、にわかアップルファンにはとても良い本。
アップルユーザーで良かったなって思わせてくれる。
ただ、1800円もする割には内容が薄っぺらい(偏ってる)のでアップルをディープに知ってる人は物足りないとも思う。
個人的には大好きな本。
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ジョブズ逝去以降〜今に至るまで続く低クオリティな便乗本やゾッとするような自己啓発本とは一線を画している。写真を見てるだけでもいい。やっぱりiPhoneにはケースつけないのが礼儀かな。
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アップルと他社との比較、iPhone 4Sの分解から見たプロダクト・デザインへのこだわり、インタビュー記事(関係者、非関係者)などからアップルのデザイン活性型経営とはどういったものかを解説した本です。
個人的には、冒頭のバリュー・チェーンへの投資からみえるアップルの思想、ジョナサン・アイブのインタビュー記事(1999年当時)、猪子寿之(チームラボ代表, ホントこの人飄々としてて面白いよね)のインタビュー記事、それからiPhone 4Sの分解にみるアップルの他社とは異なる製品デザインへのアプローチが興味深かったです。
で、特に興味深かった、アップルはバリュー・チェーンにどれくらい投資して、優れたユーザー体験を"デザイン"しているかというところをメモしてみます↓
アップルは"デザイン"の力を「製品発表会(Keynote)」、「広告」、「店舗」、「パッケージ」、「製品」、「インターフェース」、「サービス・ソフトウェア」に存分に注力してユーザーに最高の体験を供与しています。で、どれくらいリソースを注力しているかということが数字で示されています↓
a) 製品発表会/ 準備期間2ヶ月
ジョブズは2ヶ月前から準備をはじめ、何時間もリハーサルにかけたっていうのは有名な話。プレゼンの神様は誰よりもその準備に時間を掛けていたということを覚えておくべき。
b) 広告/ 774億3900万円 (2011年9月, 1 USD = 83 JPY)
ソニーの投資額は3964億2500万円(2011年3月期)でアップルのおよそ5倍の投資額。2011年10月~12月、米アップルの売上高は3兆8400億円(463億USD, 1 USD = 83 JPY)は同時期のソニーの2倍以上の売上げ。アップルは製品ラインを絞って集中投資している。
c) 店舗/
1年間に新規オープンしたアップルストア1店舗当たりの平均設備投資額/ 12億7400万円
1店舗あたりの平均従業員数/ 100人強
アップルストアを重要な顧客接点の場と考え、相当デザインや素材にこだわったのは有名な話。1店舗あたり100人強の従業員で質の高いホスピタリティーを実現。
d) ジョブズが関与したパッケージのデザイン特許/ 8件(7件はデザイン特許)
ジュブズは、箱から製品を取り出す初めての瞬間(ユーザー体験)を重用視していたのは有名な話
e) 製品デザイン/ 1年間の設備投資額 3320億円(2011年9月, 1 USD = 83 JPY)
ソニーのそれは2049億円((2011年3月期)。凋落したとはいえ、モノ作りメーカーとしてかつて世界を席巻したブランド「ソニー」よりもはるかに大きな設備投資は注目に値する。アップルはファブレスメーカーだけど、製造委託先加工工場の既存リソースで製品を造っている訳ではない。何千台単位の切削加工機やレーザー加工機を製造委託先に貸し出すことで生産設備をしっかりと握っている。そのことにより、製造委託先が他のメーカー向けに同じ加工技術を提供することはなく、アップルのデザインの流出を防いでいる。アップルは実現したい(製品)デザインの合わせて加工設備をゼロから導入しているのだ。あるサプライヤーの幹部に「アップルのモノ作りに対する知識は、生産の現場で働く工場の技術者よりも豊富だ」と言わしめるほどという。
f) インターフェース/ 卓越したGUIみれば分かるでしょう。ゲイツマイン搭載OSは未だに漢字トークのGUIを本質的に超えてないと思う。
g) サービス/ 4482億円(iTunes Store, App Store, iBookstoreの売上げ) (2011年9月, 1 USD = 83 JPY)
全体の約5%の売上げらしいです。ちなみにグリーは1400億円(2012年6月期見込み)。
凄くないですか、アップル!
アップルのバリューチェーンは、最良のユーザー体験を演出するためにデザインされていると思います。
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少々誉めすぎのきらいはあるものの、しっかりした編集方針の元にカッチリ編まれた記事が「知る喜び、読む喜び、美しいものに触れる喜び」を感じさせてくれる。
広い意味でのデザインという切り口からアップル/ジョブズ/その製品を取り上げていて読み応えがある。ジョブズ逝去直後の安易なムック本にはウンザリしたけどこれなら満足。
哲学は語られているけれど、変なビジネス書のように自己啓発につなげないのもいい。私も自己啓発本はそれはそれで好きだけど、『アップルのデザイン』という本には「アップルのデザイン」を語って欲しい。
と、美しいiPhoneから投稿。
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アップル、ジョブズにまつわる本は、アップル寄りな論調。
確かに、どこのタッチポイントにもデザインをほどこすという考え方には共感できる。
10年以上前の本だ。当時素晴らしいとされていたアプローチは、今では他の何かに上書きされている。こういう話題を論じるのってとても難しい。
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デザインへの意識がわかる本。とはいえ、ジョブズ本を読んでる人からすると、何を今更という印象。
どちらかというと、他社との比較や考え方の違いを感じる一冊
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製品の企画から広告、店舗、包装、ハードウェア、ソフトウェアに至るまでの一貫したデザインについて、アップルの拘りを知る事ができる。
サービスの上流から下流まで全てを拘ってデザインし、顧客満足度を高める事が出来たらからこそ今のアップルのブランドが確立されているのだと再認識出来る一冊。
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過去のApple製品におけるデザインに関して
少しの技術内容とそのデザインに込められた想いを書いてある
広告に関する内容や、サムスンとの特許訴訟の話についても
触れられている
ジョブズがいる頃のApple製品は、細部まで拘った製品が詰まっていることが改めて再認識できる
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アップルのデザインを、いろいろな人(主に日本人)のインタビューで探っていく、日経デザインの特集号を書籍化したもの。デザイン系の雑誌らしく、写真や絵をふんだんに使い、アップルのデザインのワクワク感を思い出しながら、読み進めることができた。アップルの取得した特許の話など興味深かった。
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実際のアップル製品の分析(分解)、また関係者へのインタビューを通じて、アップルのものづくりに対するこだわりが浮かび上がってくる。
アップルはファブレスのメーカーではあるが、自前で加工設備を用意して、それをODMに貸し出すことをしているというのには驚いた。
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ジョブズがいかにして革新的な製品を生み出したか、をデザインという観点から紐解いた一冊
読む前から分かっていたことだが、工業デザイン的な内容が多かったので、そちらの業界の方にはより参考になるかもしれない
一番印象に残ったのは、ジョブズはユーザー体験を主軸に据えてアイデアを考えることを徹底していたということ
製品の機能や外観や利便性に目が向きがちな開発の現場に置いて、ジョブズのようなスタンスを貫く事は類い希な精神力が求められると思う
プロダクト開発には関わっていないが、新しい何かを考える際に、それを利用するユーザー体験に思いを馳せながら思考することを忘れないようにしたい
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アップル(スティーブ・ジョブズ)のデザインに対する考え方。プロダクトへの技術的な反映の仕方が書いてある。既存の日本メーカーにはあまりないモノ作りの考え方が載っているので技術者の人には特にオススメ。絵がふんだんに入っているため文章は少なめです。
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この本はスティーブジョブズのデザインワークのエピローグとして読まれるべきではなく、これから始まるデザイン資本主義のプロローグとして読まれるべきだと感じました。面白いのは、アップルVSサムスンの訴訟合戦。「一目見て、それが何をしてくれるのかを理解できるようにしろ」という思想と「シンプルでわかりやすいデザインは誰もが思いつくもの」という思想との法廷闘争がどうなるかは、これからのビジネスをドライブするものがクリエイティビティであることが明白なだけにハラハラドキドキです。本書は日経デザイン編集という立ち位置だけにアップル派に見えますが、そのアップルをブレイクさせたマッキントッシュだって、PARCのGUIをそのまま使ったことによる成功だ、という話も読んだことがあって(実際にPARCに訴えられた…)歴史は繰り返す、とも言えるような気もします。SONYの居場所をいとも簡単に奪い去ったアップルが、スティーブジョブズ亡き状態でデザインの王者でいられるのか、サムスンなのか全く違う挑戦者なのかがその座を奪い取るのか、ジョブズが生涯をかけて作り上げた「メーカーじゃないメーカー」という産業は今後ますます活性化し、進化すると想いました。
Posted by ブクログ
Appleのデザイン部門の責任者であるジョナサン・アイブ氏へのインタビュー、国内外で活躍されているインダストリアル、グラフィックデザイナー達へのインタビューで構成されたAppleのデザインを多面的に評価、論じている本書。
ハードウェアのデザイン、広告・メディアデザイン、そこに至るシンプルにデザインされたビジネスモデルなど、全てが有機的に、且つ、密接に結合されている事が理解出来た。
”デザイン”、”シンプル”が、全ての部門で最も基準となるものさしだったのだ。
MacBook Air、iPod nanoなどそれぞれのプロダクトにまつわるデザイン上の背景などが取材され、それら事実への各専門方面からのコメントがあれば、尚更興味深い、身近な内容になったのではと感じる。
例えば、人間工学的な見知や、iTunesとの併せ持ったクローズドなビジネスデザインは、最近の決まり文句にもなっているが、日本メーカーが出来なかったビジネスモデルであろう。
Appleを使っている人、好んで購入する人は、消費者でも、お客様でもなく、虜になった"ファン"という定義が合っているかも知れない。人気が出て、広く出まわることが、嬉しくもあり、悲しくもあり。持っていることが、その人の拘りでもあったのだ。少なくとも自分はそうだった。
Posted by ブクログ
自分の所で企画から販売まで全てコントロール出来るからココまでできるんだろうな、1ヶ所でも分業したら途端に困難になんだろうな。
そして、7章に出て来る企業の、期待を裏切らないレベルのパクリっぷりは流石としか言いようがない(´Д` )