あらすじ
天使長ルシフェルの養い子ノエルは、天使でありながら、黒髪に黒い翼を持って生まれてきた。忌み嫌われるノエルをルシフェルだけが守り、愛してくれる。ルシフェルもまた、無条件に信頼を寄せるノエルに癒されていたのだ。互いが唯一の存在として寄り添っていたが、天使長の権威を損ねるとしてノエルが天界を追われ、翼を折られてしまう。ルシフェルは激怒したあげく──!?
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
ルシフェル
ルシフェルって天使長より悪魔なイメージがありましたが、当たってたって事でいいのかな?
とにかく溺愛です!
あまーい!
最後何か事件が起こるのかなって思いましたが、とにかくルシフェルが強すぎて、心配ありませんでした笑
Posted by ブクログ
天使長・ルシフェルは、退屈な毎日の繰り返しに飽き飽きしていた。
他の天使は最高位の自分におべんちゃらを使い、何とか気に入られようとしてくるし、悪魔は天界に攻めてくるけれど、てんで弱くて相手にならない。
まったくもって何の刺激もない日常にうんざりしていた。
そんなある日、仕事である天使の孵化に立会いに行くと、生まれた子は神の祝福を受けながらも天使であるのにも関わらず、黒い髪に黒い翼をしていた。
金や銀の髪に白い翼を持つものしかいない天界において、その姿は忌み嫌われるものでしかなく、他の天使に処分されてしまうところだったのを、ルシフェルがノエルと名づけ、引き取ることにした。
成長したノエルは、その姿かたちから他の誰にもそっぽを向かれていたが、唯一自分を愛してくれるルシフェルに無条件に信頼を寄せていた。
ルシフェルもまた、そんなノエルに癒されていた。
ところがそんなある日、ルシフェルが留守中に、ノエルが天使長の権威を損ねるとして襲われ、翼を折られ、天界を追われてしまう。
慌てて戻ってきたルシフェルに間一髪のところを救われるけれど、ルシフェルはそんな天界に嫌気が差し、昨日まで敵であった魔界への移住を決意する――
という話でした。
今まではどちらかというと親愛の情を抱いていた二人が、相手を失うかもしれないという恐怖から、互いを想う気持ちがもっと強いものだと自覚して――という話でした。
なんというか、ノリは軽めで比較的楽しい話でした。
互いに相手一人しか心を許せる相手しかいなくて、その相手を失わないために天界から魔界へ移住するってなると随分センチメンタルな話に聞こえるんですが、実はまったくそんなことはなくて。
ルシフェルは天界にいた時から、相当に“いい”性格をしていたので、魔界に来ても何の違和感もなく、むしろ魔界の方が水があってるくらいに生き生きしている――
隠していた性格の悪さ全開。
なので、そんな切なくなるようなシーンはほとんどなく、楽しく読めました。
もちろん、そんなルシフェルに育てられたのだから、ノエルだってただの守られるおとなしい子じゃなくて、言うことは言う子で――
ちょっと切ないけど、結局ラブラブなバカ話を読みたい方にはオススメします。