あらすじ
日本語の歴史を知ることとはどういうことでしょうか。漢字が伝わってくる前は日本に文字はなく無文字社会でした。それから漢字と出会い、日本語を書き表す場合に用いられたのは四世紀末から五世紀初め、漢字と日本語の付き合いはおよそ1600年になります。本書では、日本語はどのようにして生まれ、現代の言葉に変わったのか、日本語の移り変わりを時代背景とともに大きな流れでとらえながら、音韻・文字・語彙・文法を中心に解説しました。
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Posted by ブクログ
筑波大学の授業科目「日本語史Ⅰ」の指定参考書。
入門として読みやすく、ほどよい専門性。
一般人にも読みやすいが、大学レベルは網羅していて一冊で入門~中級まで充分。それぞれの時代の言葉がまとめられているわけではなく、前時代からの変化に着目して記述している。したがって上代が100ページ超と最も多く、以降は各章50ページ未満しかない。
根拠となる古典を引用して、具体的に解説している。大学の各授業で扱われるような重要な史料はほとんど揃っている。一方で、ことばの推定はなされない。まんべんなく網羅的で非常に良いが、ややまとまりのない印象を受けるかもしれない。
柔らかい語り口で一般人向けに書かれていて、難しい専門書では無い。普段のことばに気づかされることもあっておもしろい。価格も手頃で嬉しい。
目次
1.日本語の歴史とは何か
○各時代の日本語
2.奈良時代まで
3.平安時代
4.鎌倉時代
5.室町時代
6.江戸時代
7.明治以降