あらすじ
色あざやかな駄菓子への憧れ。初恋の巻き寿司。心を砕いた高校時代のお弁当。学生食堂のカツ丼。アルバイト先のアンミツ。白い大輪の花のようなフグ刺。ミリン干しで育った田舎の少女がアンミツで育ち、男の部屋で飲むコーヒーの味を知るようにもなる。移り変わる時代相を織りこみ、「食べ物」が点在する心象風景をリリカルなタッチで描いた青春グラフィティ。
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哀しくない。
林真理子のエッセイーは、くすっと、笑える。楽しい気持ちになれる。グルメの林先生は、食についての知識が豊富。
Posted by ブクログ
林真理子さんとの出会いは、『ルンルンを買っておうちに帰ろう』。
確か、二十歳のころ。
とにかく衝撃だった。
え?あの林さんって、こんなエッセーも書かれるんだ、と。
この本は、食いしん坊の私にはとにかくドツボであり、知らぬ間に2冊も買っていた…。
なかでも少女時代の林さんのお話が一番好き。
林真理子さんが好きすぎて、講演会に参加。
その美しさ!に、『美女入門』で描かれている美に対する貪欲さがよくわかった。
あああーーー!私も林真理子に近づきたい!!
Posted by ブクログ
フグ愛を感じさせる作者の格言が好き。よほどフグが好きなんでしょうね。この部分、文章にも熱が入ってる気がします。
こういう正直なところが憎めないんだなぁ。
Posted by ブクログ
○食べ物、思い出とともににおいそそり立つ
思い出の食べ物を語るとき、自分はどんな風に語るだろうか。
わたしの思い出に残る食べ物と言えば、豚汁だ。
わたしの出身の学校で3週間の海外研修に行ったとき、研修が終わろうとする頃にホームステイ先から電話をかけて、何を食べたい?と聞かれて豚汁、とリクエストしたのをよく覚えている。コレクトコールにしていたので「そんなに頻繁に電話してくるな」と言われ悔しかった覚えもあるが、それでも久しぶりの日本食として食べた豚汁は思い出深い。解散した学校まで迎えに来てもらって、そこからの道中も楽しみだったし、むろん飛行機の中でも楽しみだった。機内食は平らげたのだが。
豚汁がどんな味かというと、たぶん普通の味だ。でもどちらかというと豚の油が少し多めに浮いていて、味噌も濃いめかもしれない。
かもしれない、というのは、最近食べていないからだ。職場の最寄りの食堂の豚汁が近いという感覚で、豚汁が出る日は必ず豚汁をオーダーする。
このエッセイ集には豚汁のことは出てこないが、少女時代~青春時代から思い出がたっぷり詰まっていて、別に読みたくもならないと思ったが、やっぱりそそり立つ食べ物のにおいには、人間叶わないのだなと思った。
あぁ、おなかがすいた。