あらすじ
キリコさんはなくし物を取り戻す名人だった。息も荒らげず、恩着せがましくもなくすっと――。伯母は、実に従順で正統的な失踪者になった。前ぶれもなく理由もなくきっぱりと――。リコーダー、万年筆、弟、伯母、そして恋人――失ったものへの愛と祈りが、哀しみを貫き、偶然の幸せを連れてきた。息子と犬のアポロと暮らす私の孤独な日々に。美しく、切なく運命のからくりが響き合う傑作連作小説。
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Posted by ブクログ
ああ、エッセイかと思って読んでいたから!
すごいハラハラしちゃって。
いまも、ほんとはエッセイ?とちょっと思ってる。
作品と現実の境界線をいい意味で曖昧にしちゃったすごい作品だ。
Posted by ブクログ
相変わらず独特の世界観で面白い。
特に盗作、エーデルワイスが好みだった。
前者は、背泳ぎ選手の弟が左腕から徐々に死に近づいていく〜という話の盗作。
その話を語った女性はその弟の見舞いのために病院に向かっているのだといいながら、到着すると精神科に入っていく。
後者は、たくさんのポケットに主人公の著書を入れてストーカーしてくる謎の男の話であるが、このキャラクターが好き。
匿名
エッセイを思わせる短編集。丁寧に紡ぎ出された言葉が小川洋子独特の世界を描き出している。妊娠、恋人の指揮者、生まれたばかりの子供、犬のアポロ、小説。
短編集の中でも「盗作」が印象的だ。左腕を上げたままの水泳選手の弟。
お手伝いのキリコさんは肉間的でとても魅力的だ。
Posted by ブクログ
なんとも言えない。
とても読ませる文章だし、気持ちになにか残ってるけど言葉に出来ない。
注意深く読まないと章が変わった時どこにいるのか分からなくなる。
アポロが助かって良かった。