あらすじ
母親を高校の同級生・渡部に殺されたライターの銀次郎。犯行後自殺した犯人の遺書には、高校の頃、銀次郎が原因で自殺した女生徒の恨みを晴らすためと書かれていた。なぜ母は殺されたのか。母の死の真相と身に覚えのない汚名を晴らすため、奔走する彼を次々と襲う衝撃の真実。どんでん返しの連続に、一時も目が離せない傑作ミステリ!
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Posted by ブクログ
『彼女の血が溶けてゆく』でも主役だったフリーライター・銀次郎の物語。
<あらすじ>
銀次郎の母親が殺された。
犯人の名は渡部常久。銀次郎の高校の同級生だった。
しかも渡部は犯行後すぐ飛び降り自殺した。
渡部が母親を殺した動機も判らぬまま迎えた葬儀の日、
渡部の姉・嘉奈子が、渡部の遺書を持って現れる。
その遺書には犯行の動機のほかに、銀次郎が失職するほどの内容が
書かれていたから売ってやる、と銀次郎を恐喝してきたのだ。
しかし全く見に憶えのない銀次郎はそれを断る。
すると後日、その遺書がネットに流出。嘉奈子が別のフリーライターに売ったのだ。
遺書の内容は、
高校の時、銀次郎が同級生の赤井市子に乱暴していたのを渡部は目撃していて、
その翌日、赤井市子はそれを苦に自殺してしまった。
渡部は赤井市子を見殺しにした罪悪感にさいなまれていたが、
15年経ってふとその時の感情が高まり、銀次郎を殺そうと決意した。
というものだった。
それで渡部は銀次郎を殺そうと実家に乗り込んだが、銀次郎はおらず、
衝動的に銀次郎の母親を殺したのだと。
銀次郎は憤った。
確かに赤井市子が自殺したのは本当だが、銀次郎が赤井市子に乱暴した、
なんてことはデタラメだったからだ。
銀次郎は身の潔白を晴らすべく調査に乗り出した。
すると、銀次郎の母親と渡部の母親が知り合いだったことが判明する。
銀次郎は渡部の母を訪ね話を聞くと、渡部の母は謝罪と共に、
渡部が捨てたゴミの中から見つけた破れた手紙を差し出してきた。
それは、銀次郎の母が渡部に宛てた手紙で、
あなたと交際は出来ない、という渡部からの愛の告白を断る内容だった。
さらに渡部の部屋からは大量の熟女エロDVDが見つかった!
要するに渡部は
銀次郎を殺そうとしていたのではなく、恋が成就せず無理心中したのだ。
でもそんな動機だと体裁が悪いから、ウソの遺書で銀次郎を悪者にしたのだった。
更に銀次郎はとんでもない情報を入手する。
赤井市子が自殺した原因は、渡部は赤井市子と付き合っていたのに、
市子の母親とSEXしたことを知ってしまったからだった。
調査を終えた銀次郎は真相を記事にし、世間に公表し疑いを晴らした。
だが、真実は違った。。。
<オチ>
全ては渡部の母親が仕組んだことだった。
渡部と嘉奈子、ろくでなしに成長した我が子に絶望した渡部の母親は、
親兄弟共に幸せな銀次郎家族に目をつけた。
渡部の母親は我が子を誘導し、銀次郎の母親を殺させ、自殺させ、
熟女エロDVDや銀次郎の母親が渡部に宛てた手紙も渡部の母親が捏造し、
銀次郎を偽りの真相に誘導し、一躍有名ライターにさせた。
あとは銀次郎が度重なる取材をしに渡部宅に来るから、
そこで嘉奈子と仲良くさせ、結婚させ、自分が銀次郎の母親になる。
という
自分の子育ての失敗を銀次郎で再生しようという計画だった。
Posted by ブクログ
銀次郎は、なかなか壮絶な人生を歩んでいるなあ。
最後の最後まで何が起こるかわからないといった感じで、すべてを疑いながら読んだ。
相変わらずの暗い雰囲気が最高。
Posted by ブクログ
タイトルを目に入った時点で、もこの話はきっとどうしようもない痛いストーリと悟った。
まさに痛々しい大サービスだ!
そして、多分安楽椅子探偵じゃないせい、真相が徐々に浮上しにつれ、自分の中に暗い部分も近ついていくような錯覚が身に纏った…
Posted by ブクログ
終盤の友の母親の嫉妬が明らかになる流れは
はっとさせられる。
ひとりで泣く銀次郎の切なさがいい。
その終盤までは、既に犯人やその彼女が死んでいるのもあり
なかなかのめりこめず。
Posted by ブクログ
最後の最後がちょっと物足りなかった。
最後はよかったけど。
半年前の聡美の事件についてもっと知りたかった。
嘉奈子が急に女になる様子や、雅代さんの思わせぶりの態度。
ちょっと中途半端かも。
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母親を高校の同級生・渡部に殺されたライターの銀次郎。犯行後自殺した犯人の遺書には、高校の頃、銀次郎が原因で自殺した女性との恨みを晴らすためと書かれていた。なぜ母は殺されたのか。母の死の真相と身に覚えのない汚名を晴らすため、奔走する彼を次々と襲う衝撃の真実。どんでん返しの連続に、一時も目が離せない傑作ミステリ!