あらすじ
デビュー以来、半世紀を超えて人々に喜びと感動をあたえてきた谷川俊太郎(1931─)の二千数百篇におよぶ全詩から、作者自身が厳選した173篇を収録。子どもが読んで楽しめることばあそびから引用文だけで構成された実験的な長編詩まで、さまざまな文体で書き分けられたリズム感あふれることばの宇宙を俯瞰する。(解説=山田馨)
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
一気に読むのはあまりにももったいないので、毎日ちょっとずつちょっとずつ、ゆっくり読んでいった。
好きな詩がいっぱいありすぎる。とにかく詩から広がる世界が豊かで、胸も頭もからだも全部いっぱいになってしまう。こんな風に日本語を使えるなんてすごすぎる。いったいどうやったら「万有引力とはひき合う孤独の力である」なんて出てくるんだろうな。代名詞みたいな詩だけど、やっぱり一番好きかも。でもあれも、これもとなってどうしようもない。好き。
世界に、人にそそぐ眼差しが温かいというよりは、つめたく澄んでいる。みじかい言葉に、まるごとの世界への想起を引き出す強い力がある。
「生きようとするものを岸の方へいざないながら
ひとの中に潮が満ちる ひとの中に海がある
月の呼び 月のめぐるまま ひとの中に終らない暦がある」
読んでいるといつの間にか大きな宇宙に独りで浮かんでいるような気持ちになる。身がちぎれそうな孤独と、世界の美しさがしみてくる。
また折々に読んでいきたいと思う。
Posted by ブクログ
日本の現代の詩人で、一番有名な方(たぶん)の自選の選集だけあって、言葉の宝石箱のようなすばらしい詩集でした。(こんな使い古された表現しかできないのが、もどかしいです)
もう、おなかがいっぱいで、たいへんでした。
全部読んでしまうのが、とてももったいなかったです。
特に気に入った詩に、付箋をつけていったら、付箋でいっぱいになってしまったので、その中から、かなり減らして、今の私が好きな詩だけを数編だけ選びました。
私の感想なんて、とてもつけられないほど、すばらしい詩ばかりでした。
好きだったもの。
「悲しみは」
「くりかえす」
「ほほえみの意味」
「そっとうた」
「あなた」
「陽炎」
「ぱん」
「足し算と引き算」
「十二月」
「願い」
「できたら」
次に読み返すときは、また違うものがよいと思うかもしれませんが。
巻末の山田馨さんの解説も、谷川さんの私生活などが、垣間見られて、興味深い内容でした。