あらすじ
昭和21年4月に発表された「堕落論」によって、坂口安吾は一躍時代の寵児となった。処世術などクソ食らえ。自分にとって恥しくない内なる自己。他者などではない、この〈自己〉こそが一切の基準だ。それと戦い続けること。作家として生き抜く覚悟に貫かれた安吾の視線は、物事の本質にグサリと突き刺さる。(解説=七北数人)
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Posted by ブクログ
坂口安吾は戦中~戦後にかけてユニークな日本国家論を提起した。
「日本文化私観」では、日本文化とは伝統的建造物などではなく、そこにあった人、生活、風俗そのものが日本の文化であるとした。また、「我が人生観」でも文化というものは、過去にもとめるよりも、未来にもとめる建設の方が大切と説いている。
また「堕落論」「続堕落論」では古代から天皇は政治利用される存在であり、神聖にして侵されないけれども、藤原氏を始め、幕府、尊王攘夷派、軍部の不敬なる企みに使われた。そしてその者達が先頭を切って崇拝することにより、やつらは強大な権力を振りかざしたと斬り捨て、東京裁判に雁首揃えて生き恥をさらす将軍達を痛烈に批判している。
Posted by ブクログ
坂口安吾、この人は駄目だな。個人的には全く合わない気がする。
文章が思いつき、というか飛躍が多く、繰り返しも多い。明らかに原稿用紙の升目を埋めるために書いているようなものもあって、そんなものを有難く拝読しなくてはいけないのだろうか?なんだかんだいっても結局最期は「生きることだ」みたいな結論で、説得力がない。
Posted by ブクログ
一言で言えば、小難しい。
何言ってんのか訳分からんしつまらん、てのが正直半分くらいの感想。
でも時々すごく面白いところもある。
これはエッセイ集みたいなもので、
かの名高い「堕落論」はそれ自体は10ページ足らずのもの。
第2次大戦になる前、また突入して、そして終わるという時代背景がある。
多数のエッセイで、似たようなことも書かれているが、個人的には「デカダン文学論」が一番ぐっときたかなぁ。
まぁしかしあれやこれやを書いて書いて書きまくっている。
各方面同時代作家に対する批評がすごい。
特に夏目漱石に対するディスりようが白眉。
そういうあなたもそれ屁理屈こねこねしてるだけじゃないの、と思ったりするけれど、まぁこの人はこの人なりの信念があってそれをぶらさずただひたすらに書き貫いている、ということはわかる。
つまり、生身の人間の本性、欲望、現実生活に即した欲求、それこそ万歳ということ。