あらすじ
東京の文教地区の町で出会った5人の母親。育児を通してしだいに心を許しあうが、いつしかその関係性は変容していた。あの子さえいなければ。私さえいなければ…。凄みある筆致であぶりだした、現代に生きる母親たちの深い孤独と痛み。衝撃の母子小説。
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Posted by ブクログ
20年近く前の作品、読んでよかった、最後の朝比奈あすかの解説も。ネットで何でも調べられる今でもこの構造は変わってないんだろう。角田さんは何人の人生を生きているのだろうと思う。あの頃の自分やママ友的な人が浮かぶ。かおりは自分の小舟に乗っているのは家族だけ、と気づき護も同じ船に乗り同じ方向を向いたからいい結果になるけど、気づいた真実に目を背けたくなる人もいるだろう。護の名前は後半まで出て無かった、そんな存在の夫が一番の理解者だったってことかな。名字と名前、子の名前が混在するので相関図を作って読んだ。読み進めるのはきついけど素晴らしい作品だった。
Posted by ブクログ
面白かった〜!!徐々に5人の関係性が壊れていく感じがとてもゾクゾクしました。そのゾクゾクが朝比奈さんの解説で的確に言語化されていたのがすごくよかったです。
最終章の手前の章は、読み始めた時は特定の誰かを指しているのかと思っていましたが読み進めるうちにそうでないことに気づいてうわ〜〜ってなりました^^
解説の『描かれなさこそがこの世界における「母親」の存在の仕方であり』の部分が特に印象に残りました。
Posted by ブクログ
母親、昔の友人、なにより自分自身の過去の思考や行動を思い返させる共感力の強い一作。昼ドラにありそうなママ友のドロドロ話かと思いきや、思ったより奥が深かった。どうしても他人と比較してしまうという、人間しいては女性ならではの心情描写がとても細かく、思わず共感してしまった。色んな議論が絡まるので議論本としても良さそう。
興味深かったのが、主人公はおらず、子を持つさまざまな母親の視点から描かれていること。皆が憧れる、芯が強そうな母親でさえ冒頭では「他者(特にママ友)と比較するのは馬鹿馬鹿しく無意味」と頭では理解しているのに、実際体が思わず嫉妬や激しい怒りに動いてしまうその大きな溝に自身で驚くとともに、引き裂かれる思いになる。
特に容子は、他人依存思考で読者としても苛立つ思考と言動を持つまさに「嫌われるママ」なのに、後半では思わず共感してしまうような場面も。
それぞれの結末も、人生において何が果たして「成功」なのか、考えさせられる。子の受験(又は子育て)に失敗した千花、かおり、繭子は現実と向き合い、前向きな姿勢に対し、受験に成功したはずなのに心の闇から抜け出せない瞳、そして子に依存し楽観的な容子。それぞれの違いとしては「他者に責任を押し付け依存する」か、「自身でしか解決できないと現実を理解すること」な気がする。
つまりは人に依存しないほうが人生はうまくいく、と。全くその通りなんだけど、いうほど簡単ではない人間の欲深さがうまく描写された本だと思った。
Posted by ブクログ
何故自分の夫を頼らない?とか。
子供のお受験で家庭崩壊させてどうすんの?とか。
いろいろ思うことはあるけど……めっちゃ面白かったんだよね。
ママ友同士でここまで拗れるかってくらい悪い方へ転がっていく。
最初らへんは微笑ましい気持ちで読めたのに、中盤以降の展開は本当に怖い。
「ああもうこれは絶対にマズイ展開になるぞ…」という心のざわつき具合が半端じゃない。
嫌な汗が出そうなのに、彼女達の今後が気になって頁を捲る手も止まらなかった。
フィクションだと分かっていてもゾッとした。
それなのに、面白いと思ってしまうから戸惑う。
Posted by ブクログ
5人のママの出会う流れ、私にはそれぞれが距離なし女に見えて序盤から不穏に感じた。急速に仲良くなる関係は壊れるのも早い。物語り進めるためには仕方ないんだろうけど。
私は繭子が終始不快だった。繭子は現代だとグレーか黒と分類されてそう。茜預かるあたりの流れは読んでいてグロくて辛すぎた。
なんで瞳もあれを頼ったのだろう、見えてる地雷を次々踏んでく母親達にイライラしてしまった。
Posted by ブクログ
1990年代の話で、少し今とは違うなと思うところがあったけど 根本的には同じで母親達の抱えているものは変わらないと思う。
私は所謂お受験 みたいな環境に身を置いていなかったので実感としてはないけれど、ママさん達の関わりだとか関係性みたいなところは、よくわかる。
学校のクラスメイトだったら、仲良くしてないグループの人でも母親になると 子供達との関わりでグループとして活動しなくてはならない なんて場面はよくあるし合わない人だって、そりゃいる。
いつだって人間関係は心を擦り減らす。
今の人たちはもう少しドライに関係性を築いているんだろうか。