【感想・ネタバレ】税務署は見ている。のレビュー

あらすじ

そんなとこまで調べるんですか? 長く国税調査官を務めた著者が、税務署ではどんな人たちが、どんな仕事をしているのか、調査対象はどう選ばれ、どう調べられるのか、さまざまな事例をユーモアを交えて紹介します。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

そんなとこまで調べるんですか? 長く国税調査官を務めた著者が、税務署ではどんな人たちが、どんな仕事をしているのか、調査対象はどう選ばれ、どう調べられるのか、さまざまな事例をユーモアを交えて紹介します。
(日本経済新聞出版社 2013年刊)
 少し長いプロローグ
 第0章 税務署の内部では、何をやっているのか
 第1章 調査案件はこうして選ばれる
 第2章 税務署は突然やって来る?
 第3章 調査官はランチ中も見ている
 第4章 「お土産」を口にする税理士は危ない
 第5章 税務署は何のためにあるのか

調査対象に「選ばれる」ステップ、調査官を燃えさせる三つの言葉・・・。長年の実務経験を持つ元国税調査官が、豊富なエピソードとともに税務調査の実態を語る。なかなか知ることのできない「税務署の仕事」を詳しく紹介。

わかりやすく読みやすい。カバーには「税務署の仕事」とあるが、正確に表現すれば「国税調査官の仕事」であろう。「税理士の役割」についても触れられている。映画マルサの女を思い浮かべながら読む。
マルサとの違いは、マルサは強制調査であるが税務署の税務調査は任意調査である事だという。マルサは強制調査を行い、刑事事件として立件することが仕事で、最終目的はその経営者を脱税犯として逮捕することにあるが、税務署が行う任意調査の目的は、とことん税金を搾り取ることではなく、適正公平な課税の実現にあるという。
ほとんどの場合、経営者自らが修正申告をして追加の税金を納める「修正」か、強制的に申請内容をなおす「更生」かで終わるというが、ほとんどの場合、納税者自身が修正申告書を提出する形で終わるという。(修正申告の場合、指摘した内容について納得してもらうことが必須だと言うが、実際は不承不承の場合もあろう)
当然の事ながら、全てのルールが法令に明記されている訳ではない。運用に当たっては人間の解釈というものが入る。そこには自分に都合よく解釈するという余地が生まれる。法律に照らして判断する前に、「何が正しいのか」という自分の良心に基づいて判断できるような感覚を養うべきという結論は至極あたり前のことであるが、あたり前の事であるが故に難しい。

本書は、経理担当者だけでなく中小企業経営者が読んでも得るところが多いと思われる。

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2014年01月11日

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