あらすじ
人の魅力は言葉が9割
日本人なのに、日本語で損することなんてあるのでしょうか?
人間関係は、言葉でよくなり、言葉で壊れます。日本語力の足りない人は、本人も気づかないうちに誤解され、いつの間にか嫌われていたりします。一方、日本語力が十分な人は、的確に相手の感情を掴んだり、意思を伝えたりできます。だから、日本語力が高い人は人間関係が自然によくなるのです。誰からも好かれる人は、日本語の基礎力が違うのです。
できる大人の日本語の基礎は、「語彙力」「要約力」「感情読解力」の3つです。
語彙が少なければ、自分の意思や感情を的確に伝えることができません。相手の言葉のニュアンスも汲み取れません。多くの語彙を吸収して、文脈の中で使いこなせるようになる必要があります。
自分の意思や感情を要約して伝えると、相手が正しく理解してくれます。相手が言いたいことを的確に要約できると、できる人と思われます。この力は、頭のよし悪しより、訓練したか否かに尽きます。
また、どんな人でも、言葉の裏には感情があります。表面上の言葉だけを追っても、その真意は読み取れません。大人のコミュニケーションでは、感情を読み取る力が欠かせないのです。
本書では、この3つの基礎力を鍛えるトレーニング方法を解説しています。このトレーニングに挑むことで、読む力、書く力、話す力、聞く力を総合的に鍛えるとことができ、技としての日本語を身に付けることができます。
文章を書くのが苦手な自分を、人と話をするのが苦手な自分を、本気で変えたいと思ったとき、学生時代に学んだ「国語」とはひと味違う、超技術的・超実用的な「大人の日本語」の世界に、ぜひチャレンジしてください。
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Posted by ブクログ
「人は見た目が9割」ならぬ、「人は日本語で人間性の9割を判断する」である。
そこから、日本語力とはどのような力なのか、どのようにして鍛えるのかが書かれている。
手元に置いて、読み返してインプットしていきたい一冊。
以下は私的な読書メモ。
「文章は『とにかく書き続ければうまくなる』というほど単純なものではない。」「伝えたいことがあったとしても、それをうまく表現する言葉を知らないばかりに、伝えられない。」
だからこそ、語彙力や要約力、さらには感情読解力が、できる大人の日本語の基礎として必要とされる。
文章を書くときには、「文章が浮き立ってくるように書く工夫をすること。中身はもちろんだが、それ以上に“見せ方”が重要なのである。」と言われるように、時間のない人にも読んでもらえるよう考慮すべきという主張に納得。
著書もそのように書かれているため、大事なことを落とさず、さらりと読める。
Posted by ブクログ
非常に実用的で、中身の濃い、それでいて大変読みやすい本でした。
キーワードは「語彙力」「要約力」「感情読解力」。
私は、仕事柄、文章を書いたり話をしたりすることが多く、業務に役に立つと思って読ませて頂きました。
齋藤先生の爪の垢でも……と期待した以上の収穫が得られました。語彙力をつけるにはやはり読書ですね。
本書では、例題文を用いて要約をするということを、実践する部分があります。また、目次から自分の立場で自分に必要な章をピックアップして効率的に読む方法も実践します。理解が進みます。
ある程度の年齢に達したら、社会人としてコミュニケーションは重要だと思います。上手なコミュニケーション、とは、的確に真意を伝えることができて相手の言いたいことを誤解なく受け取れることだと思います。
齋藤先生の表現する、「できる人」を目指して、良質の活字に触れたいと思います。
Posted by ブクログ
「人の魅力は言葉が9割」だと著者は述べている。
言葉。
日本人の我々にとっては日本語である。
日本語を鍛えるにはどうしたら良いか、というとまずは「読む」ことだ。
「あらゆるスポーツの基本は下半身にある。まずは身体の土台を鍛えなければ、上達できない。同様に、日本語の下半身に相当するのが活字文化であり、すなわち『読む』ことである。したがって、大人のコミュニケーションとしての日本語を上達させるためには、この読む力をまず鍛えなければならない。」(p.86)
「読む」力。
本書では新聞や本を読むことを進めている。
特に本を読むことについては、日本語を鍛える側面だけでなく、心を鍛える側面もあると、著者はいう。
「かの吉田松陰の言葉に、『万巻の書を読むに非ざるよりは、いずくんぞ千秋の人たるを得ん』がある。多くの本を読まずして、どうして後世に名を残すような人物になれるだろうか、というわけである。
実際、松陰は読書によって人格をつくり、志を練った人物だった。禅と剣で自らを鍛えるのが定番だった当時の武士とは、ここで一線を画している。本の内容もさることながら、「読む」という行為そのものが向上心に火をつけ、心を鍛えることにつながる。松陰はそう自覚していたのであろう。」(p.103)
なるほど、読書とは、知識や考え方を学ぶだけでなく、心を鍛えることもできるのか。
ますます、本を読みたくなってきました。
モチベーションを上げるのに最適な本です。
友人にも勧めたい。
Posted by ブクログ
私個人がこの本でためになったのは以下2点。
1. 要約力を鍛える
2.言い方でなんとでも言える
1. 要約力を鍛える
ビジネスマンだけでなく、全ての人に必要な能力だと思った。要約することの大切さの説明も説得力があり良かった。私には「相手の話される内容を要約することで、話を聞いてくれていると思ってもらえる」という説明が印象的だった。
2. 言い方でなんとでも言える
この考え方は重要な気がした。例えば自分は上司に怒られたのか、注意されたことによって成長できたのか、捉え方は自由である。良い捉え方をした人が得をする。この考え方は自分の捉え方が全てではなく、他の捉え方はないかと多面的に物事を見るヒントになると思った。
Posted by ブクログ
冒頭で、「人は日本語で人間性の9割を判断する」の見出しで先ずはガクッとした。
日本語力のない自分には痛い言葉だった。
日本語の基礎は、語彙力と要約力と感情読解力。
そして、日本語力を鍛えるには、読む力と書く力、話す力、聞く力。
大学の教授らしく実践を踏まえて鍛える力を紐解いて教えて下さる。
就活で必要になろうである面接でのコミュニケーション力についても書かれてるから、我が子はもとより学生の方にも為になる本です。
私も稚拙な文章しか書けなく自己嫌悪に陥ってたが、とにかくより多くの読書とアウトプットするという意思があるからこそインプットも濃くなるという言葉に、確かにそうだなと納得した。
Posted by ブクログ
第Ⅰ部 日本語を基礎から鍛え直す
第1章 日本語の基礎1:語彙力
第2章 日本語の基礎2:要約力
第3章 日本語の基礎3:感情読解力
第Ⅱ部 実践! 日本語の「技」を磨く
第4章 日本語の鍛錬[初級]:読む力を鍛える
第5章 日本語の鍛錬[初級]:書く力を鍛える
第6章 日本語の鍛錬[中級]:話す力を鍛える
第7章 日本語の鍛錬[上級]:聞く力を鍛える
Posted by ブクログ
○明治大学教授である斎藤孝氏の著作。
○大人として必要な日本語力について、その技法や鍛え方について、実際の大学の授業等でも実践している方法を紹介。
○あらためて、日常生活(仕事、家庭など)で必要な日本語は、“なんとなく”使っているんだなぁということを実感。ついつい同じ言葉ばかり(同じ言葉しか)使っていないんだと気がついた。語彙の重要性を認識。
○方法論については、全てを実践するのは困難かもしれないが、意識してみたいと思う。
○日本語力=思考力であり、コミュニケーション力であり、人間力。あとがきにもあるが、“no Japanese,no Japanese"というのは、そのとおりだと共感。
Posted by ブクログ
齋藤孝さんの著書が好きで手に取ってみた。
日本語に苦手意識があり、どうにかして好きになりたいと思いながら、時間だけが過ぎている。
簡単に要点をまとめてみる。
日本語の基礎力は、語彙力・要約力・感情読解力である。鍛え方として、①新聞・雑誌を読んで要約すること。②小説を読んで相手の感情読み解く。がある。
また、読む力をつけるのに、速読法もよいらしい。
ずっと続けることは難しいので、著者も推奨しているように、まずは二週間取り組んでみて、効果を確かめてみたい。