あらすじ
何事にも無気力、無関心な毎日を過ごす高校生、三並英太。楽そうだからという理由だけで図書委員になった彼は、ともに委員を務める東雲侑子の熱のない静けさに、自分の空虚さに似たものを感じていた。しかし偶然彼女の秘密を知ってしまったことから、自分との違いを思い知らされる英太。だが、その秘密のために、彼女と距離を縮めることとなり、失ったはずの感情に胸を締めつけられていく……。早熟な少年少女に贈る、もどかしく苦いラブストーリー。
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作家を目指す人に?
ヒロインの東雲侑子が無表情キャラとして可愛く描けています。
この娘は高校生作家という設定なのですが、短編しか描けない上に恋愛物も無理という弱点を持っており、それで主人公との疑似恋愛学習で克服を目指すという流れ。
今回は二人の馴れ初め編って感じですねえ。なろうやカクヨム作家の人に受けそうかな? 綾波や長門好きな人にもオススメです。
Posted by ブクログ
評価:☆4.5
早熟な少年少女に贈る、もどかしく苦いラブストーリー。
主人公はかつて自分の兄の彼女に実らぬ恋をしていて、それがトラウマみたくなって何をやっても無駄なんだと無気力な生活を送っていた。
高校でも楽だからという理由で図書委員を選んでいて、同じ図書委員の東雲侑子の熱のない静けさに親近感を覚える。だが彼女にはある秘密が、作家であるという秘密があった。
作家である東雲が「取材」という形で付き合ってくれと主人公に頼み、それをOKするのだが――。といった感じです。
兄貴に劣等感を感じてるところとか、すぐにヤキモチ焼くところとか、色々悩んだりするところとか、とにかく主人公が青い。だがそれがいい(笑)
自分はこういう人間味のあるキャラが好きなもので。
東雲が長編を書いてないのは付き合ってる関係を保ち続けたいからなんだろうか?なんて思ったりするとニヤニヤするw
間に挟まれてる小説が東雲の気持ちそのまま書いてるのには気づかなかったな。
東雲も嫉妬してたのかと思うとこれまたニヤニヤが止まらないw
付喪堂骨董店みたく、東雲視点でこの物語があったらキュン死するかもしれん(笑)
初々しいカップルの今後に期待。
Posted by ブクログ
無関心系主人公と短編小説家のヒロインのお話。案外似たもの同士?の2人が小説作成のために擬似恋愛を経て自分の中にある気持ちに気づいていく過程が描かれ、最終的に付き合い始めるところで終わります。章の間にヒロインの小説の一文が書かれていてヒロインの心情がうかがえるのが良いと思った。主人公が自分から行動を起こさないくせに、ヒロインが同じように行動を起こさないとちょっと不機嫌になるのがイラっとした。
Posted by ブクログ
なにかクラブ活動に所属しなければならない.
しかし運動部でしごかれるのは嫌だ.
文化部も,「同好の士」として扱われるのが嫌だ.
そんな訳で図書委員に就任した主人公くん.
同じく図書委員の東雲侑子ちゃんの秘密?を知ってしまった主人公くんは….
というわけで甘酸っぱいアレですな.
「青い春と書いて青春…」みたいなっ.
なかなか面白かったよ.
Posted by ブクログ
無気力主人公がふとしたことから大人しい女の子の彼氏役を演じることになり、最初はただの芝居だったものが段々と本当の恋愛感情になっていく・・・と、あらすじを見返してみるとすごくつまらなそうに見える。一昔前の(最近のは知らないが)美少女ゲームの様。3章が終わったあたりで投げようと思った。”ご都合主義”などと批判ありきの言葉に意味があるとは思えないが、それでも「これはないわ」といいたくなるほど。
でも、疑似恋愛を通じて主人公の心を揺るがす自身の世界の狭さ、相手の気持ちが分からない歯痒さ、自分の無能っぷりに対する嫌気と周りへの妬み、などなど書き過ぎってくらい書かれており、読んでて楽しかったなーと思う。短編小説を通じてヒロイン視点で見ることもでき、まさにジュブナイルという感じが良い。
「どこか浮世離れした、何を考えているのかもよく分からない、あの不思議な女」(p.237)という主人公が持つ印象が変わっていくところ、自分の感情を恋と把握するまでに長い時間を費やすあたりもまた素敵。ただ単に鈍いというよりは、湧き上がる複雑な感情と一所懸命闘っているってことなのかなーと思う。
続編もあるようだが、スッキリ纏っているのでダラダラ続いたら嫌だなぁと不安にはなる(それでも読むが)。
ちなみに、この本は第一回ラノベ好き書店員大賞なるものに載っており、コメントをみて面白そうだと思い購入した。ストーリーは他と比べ(?)地味かもしれないが、登場人物の心の中をネットリ描いてくれる小説は、つい読みたくなってしまう。描き過ぎだろうとも思うけど、自分にはこのくらいが丁度良い。
Posted by ブクログ
ふつうに面白かった
小説家の同級生と取材のために付き合うことになる話
疑似恋愛のはずなのに
ドキドキするのはなぜかしら的な
司書のお姉さんが…
これはズルい(笑)
Posted by ブクログ
小説の取材のために恋人のフリをするところからはじまるという、いかにもラノベの展開。
とりあえず1巻を読んだ時点まででは大きな事件などがあるわけではない。描写も大げさでなく淡々と物語が進んでいく。
だが、それ故に話がさらっと水のように入ってきて、爽やかな読後感で締められる。
あまり特徴のない主人公には感情移入しやすいし、ヒロインの可愛さもよく出ている。
欲を言えば、もう少し話に起伏がほしい。まだ、二巻を読んでいないので何とも言えないが、このままだと飽きが来る可能性が高い。友達の興味のない恋愛話を聞いているのではなく、小説を読んでいるのだからストーリー性というのも大事なのかなと思う。