あらすじ
ロープも。火薬も。ナイフも。ある種の道具は、使う者の心次第で、凶器にもなり得る。
しかし、ロープも火薬もナイフも、人の生活を豊かにした。誰かの命を救うこともあっただろう。
記憶を取り出すメディア…メモリー・セーブ・キャンディー。
危うさを秘めるこの道具に、傷つけられた者たち…そして、救われた者たち。
人間を形作るのは、意志か、欲求か、それとも記憶なのか。
「想い出」を巡るドラマは、クライマックスへ向けて加速をはじめる――
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
知らないことを焦燥を感じ、知っていることに恐怖する。記憶の負の部分が露出する第3巻。
負の感情。不都合な記憶をすべて取り出し、感情をなかったことにしてもその取り出した事実がまた感情を呼び起こす。しかし、その連鎖を引き起こしてしまう理由も家族を守りたい愛というのも皮肉めいていて良かった。どんな人間も記憶から発生した感情には逃げられない。黒いMSCを配るハルも記憶を取り出したとしても抱いてしまった事実に苛まれる人間に安息を与えるつもりで散布しているのか。父親へのあてつけかもしれませんが、人間に終わりを与える黒いMSCは最終的なMSCの使い途になる示唆なのかな。負の感情に起因する記憶を取り出したとしてもいつかはその記憶の事実が回り戻ってくる、うーむ面白くなってまいりました。
MSCのドロドロとした面が露出してきた今巻ですが、次巻でもうそろそろハルも表舞台に出てくるのかな。いろいろと決着つけるところがあると思うからいい終わりに向かうよう頑張って欲しいです。