【感想・ネタバレ】短歌という爆弾 -今すぐ歌人になりたいあなたのために-のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

歌人穂村弘による短歌の創作論集。実作演習など詩や小説を書く時にも役立つ要素がいっぱいある。

<印象的な箇所のまとめ>
・愛情や善意だけでは、詩として見た時、物足りない。世界には明らかにもう半分があって、そこには不吉な暗いものが充ちているんだっていうことを同時に感じさせる詩がやはり本物。
・オートマティックからの離脱が必要。オートマティックというのは、自分で書いているつもりで実は何かに書かされてる言葉なのでよくない、ということ。
・短歌においては時に意味以上に韻律感(リズム)が重要。
・普通の文章なら説明する。短歌の場合は説明してしまうことで詩的インパクトが弱まってしまうことがある。
・共感と驚き。素人になくてプロの作品にあるのは驚きである。読者より先にまず作者が自分で自分の作品に共感してしまうと、他人と共有できる感動を生み出せない。他人に共感するのに比べて、自分で自分の気持ちに共感するのはたやすい。この容易さは、自分自身の本当の心に向かって言葉を研ぎ澄ますということから限りなく遠いところにある。共感=シンパシーの感覚に対して、驚異=ワンダーの感覚とは、「今まで見たこともない」「なんて不思議なんだ」という驚きを読者に与える。

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2017年02月05日

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