あらすじ
サークル〈月夜のお茶の会〉の読書会に参加した俺・獏田格は課題本のミステリー小説に酷似した「事件」に巻き込まれる。そこは二年生の先輩・夢見灯が作り出した「夢の世界」で、謎を解かなければ俺は現実に戻れない!? カー、クリスティー、クイーン、そして……。本格ミステリー界の若き旗手が先人たちを徹底オマージュ。
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Posted by ブクログ
あらすじを読まずに著者買いしたところ、名作推理小説のオマージュ集だったことが分かり、最初は尻込みしてしまった。調べると「元ネタを知らなくても楽しめる」とのことだったので強行突破したが、元ネタを知っていた方が十倍楽しめる作品だと感じた。
本作に収録されている六つの短編には、次から次へと名作が登場する。阿津川先生の推理小説への深い愛、圧倒的な読書量と分析力、そして名作への敬意を払いながら、それを新たな物語へと昇華させる構成力には感服するばかりだ。
どの話も楽しめたが、ミステリはやはり「自分で推理してこそ」だと思う。私は六編のうち『女死刑囚パズル』だけ結末を予想することができた。法月綸太郎氏の元作品が強烈に印象に残っていたため、「男性から女性への反転」や「状況の対称性」から、犯人の動機やロジックを組み立てることができたのだ。数学の問題が解けたときのような快感があり、思わず嬉しくなった。
本作を読んだことで、私の中で本格ミステリの世界は大きく広がった。日本初のリレー探偵小説とされる『五階の窓』の存在も初めて知り、大いに興味をかき立てられた。今後は、本作のベースとなった名作にも手を伸ばしたい。それらを味わったあとに再読すれば、この作品はまた違った輝きを見せてくれるに違いない。
Posted by ブクログ
本格ミステリ短編集。元となった作品と同じ(似た)設定の夢の世界に入って推理。
①第三の短剣
課題本は。カーター・ディクスン『第三の銃弾』。
事件はモートレイク判事の家、その離れの書斎で起きた。判事は射殺され、その傍らには銃を持った青年らゲイブリエル・ホワイト。現場は密室。
死体と一緒に閉じ込められてピンチ。
獏田、眠くなる。
眼が覚める。見知らぬ場所、だが知っている場所。
ノック「大沢裁判官、開けてください!」
机の向こう側、大沢美也子が倒れていた。
脈がなかった。死体の傍には、拳銃と、工具のトンカチ。
足元に血のついた短剣。
斧で壊して、みんなが部屋に入ってくる。
力石、この世界では警部。「現場は密室。死体の傍にはこの男。この男が被害者を殺したのだ!」
灯の父親だと名乗る小さい羊から、謎を解かないとならないと言われる。羊三。
第三の銃弾の経過。
現場には銃弾を2発発射した形跡。東村山を撃った銃弾と壁にめり込んだ銃弾。
死体の一緒にいた男が持っていたリヴォルバー(第一の拳銃)が撃ったのは壁にめり込んだ一発のみ。
現場内の花瓶に残された32口径ブローニング(第二の拳銃)は、被害者の友人の弁護士のもの。
死体から弾丸を摘出するお、22口径のエルクマン空気銃(第三の拳銃)からの弾丸。
第三の拳銃の持ち主は、被害者の娘。
冨士雄「力石警部、報告があります。死体の傷口から折れた刃物の先が摘出されました!」
力石が俺の持っていた刃物と照合するが、合わなかった。
冨士雄「力石警部、もう一つ報告が」花瓶を抱えていた。その中に折れた刃物の先。「この花瓶は廊下にありましたが、花瓶のうえさ、この部屋の上部に透かし格子があります」
俺が格子越しに折れた刃の先を花瓶に投げ入れたと。
俺の意識は飛び、法定に。
花瓶の中の刃先、厚みが全然違う。花瓶の中の刃先は事件とは無関係。
東村山、大沢裁判官の口の中に例のシャムシールの刃先が残っていた。
→うーん、状況が複雑でわからなくなつてきた。。
俺「これが『第三の短剣』のありかです」
俺は自分の喉の奥に手を突っ込んだ。
夢から覚める。
夢見羊三「君は夢の中では全く喋らずら筆談だけで私とコミュニケーションを取り続けた。あれは、のどにものが詰まっていて、声をだすことができなかったかはなんだね」
俺、大道芸人。
現実にもある剣を呑み込むマジック。
犯人、俺。
凶器の剣を自分の食道の中に隠した。
被害者が自ら刃先を口に含んだのは、ダイイングメッセージ。俺が体内に凶器を隠す様子を見て、警察に伝えようとした。
筆談はトンカチでシャムシールを引き出しからとりだし、葉先を折り、口の中に入れ、生きだえた。
廊下に人が集まってきてしまい、犯人の俺は仕方なく、凶器を口に。
→昔の大道芸の剣を飲むのをミステリに利用するとは、なるほどなトリック。
被害者がトンカチでダイイングメッセージを作るくだりは、なんで都合よくトンカチが引き出しの中に、、と思ってしまった。床に叩きつけて先だけ折るでよかったのでは?
②そして誰にも共感出来なかった
課題本、アガサ・クリスティ『そして誰もいなくなった』。
U.N.オーエンという謎の人物によって孤島に集められた10人。童謡の歌詞に見立てられ殺されていく。
夢の中。
1人目の死体。冨士雄。テーブルに倒れ込んでいる。毒?
2体目の死体。惠美。背中にナイフ。
力石の死体から手帳。
惠美、スマホに音声入力。途中で終わってる。音声入力中に背後から刺された?
扉は古いかららギィギぃと音を立てる。扉が、開いた時点で惠美が気づくはず。
惠美の音声入力では、毒を飲んで泡を吹いた冨士雄と、銃が暴発した、力石をみている。
話し相手もいないと書いてあるから、美也子も既に亡くなっている。
美也子の日記。
犯人はどうやって化の死体の背にナイフを突き立てたのでしょう?
私たちを襲った3つの死。
私は犯人ではありません。
惠美と美也子、ともに最後のような描き方なので、どちらかが嘘?
力石。
死体は離れの中。銃の暴発による死亡り
手記を書いたのは島にきて二日目。
冨士雄が死んだのは初日の夕方。
(内容を真実と仮定した場合)冨士雄→力石→美也子か惠美?
冨士雄。
一階食堂で発見。グラスの中に入っていた青酸系の毒物による死亡。
手記を書いた日付は不明。
停電の中で手記が描かれた。
停電と前後して女性の悲鳴。窓は閉まっていた。
惠美。
三階。背中にナイフ。
音声入力の日付は不明。
3人のうち二人の死体のありさまを書いている。話し相手もいないと書かれていることかり最後まで残った人物の可能性が高い。
音声入力途中で刺された?
(内容を真実とした場合)力石、冨士雄、美也子→惠美。
美也子。
死体は発見されず、自殺?
手記を書いた日付は不明。
3人が死に、最後に残ったのは自分。自分が犯人でないとも。
(内容が真実の場合)力石、冨士雄、惠美→美也子(自殺)
電磁石。犯人は電磁石に刃先を下向きにナイフをセットし、電源が切られればナイフは落下。この時、惠美かまマドから身を乗り出していれば、背中に刺さる。
惠美が犯人。そして最初の死者。
死んだ順番。(初日)惠美(犯人なので嘘の手記)。(初日)冨士雄(服毒死)。力石(銃が暴発)。美也子(飛び降り自)。
惠美が予期していなかったタイミングで停電が起きた。美也子を狙うはずだった内容が惠美に刺さってしまった。
美也子、紅茶飲まなかったので夢の中にはいらなかった。
美也子と惠美の手記を入れ替えた。
冨士雄の手記、パソコンのパスワード付箋から知って追記した。ノリのあとは、付箋があったあと。
→電磁石のトリックが、そんなにうまくいく?と思ってしまった。
美也子が紅茶を飲まなかったのは九角館できいてくるので、いい。
③モザイク岬の謎
課題本、エラリー・クイーンの『スペイン岬の謎』。
被害者がマントをまとっていて、それを剥いだら裸だった。
夢の中。
冨士雄の死体。
裸。又間、モザイク。モザイクの濃さで、履いているのか分からない。
冨士雄の衣類のセット数は確定できない。
満潮。
犯人は映画観賞の終わった22時頃、海辺ね冨士雄が一人夜泳ぎしているのに気づく。この時、冨士雄は海水パンツのみ。
22時頃では、二次会をしている女性二人にはアリバイが成立してしまう。そこで犯人は死亡推定時刻をずらすために小屋のストーブや暖房を使って死体を温めようとした。
犯人は、冨士雄の青の海水パンツを脱がせら洗濯、乾燥機にかけた。
犯人は、翌朝こ満潮の時間がせまるまでそのまま死体と一緒にこやで過ごした。
満潮でないとペンションの桟橋にあがることができない。
アリバイの観点かは、力石が犯人?
犯人、足の裏を負傷。だから、足跡を残したくなかった。
冨士雄は、全裸だった。
冨士雄は室内では裸で過ごす習慣。だから、海水パンツを脱がせ一晩中小屋にいたとみせかけた。
→モザイクが股間にかかっているというのは面白い発想。夢の中ならでは。
裸族だったトリックは、本編でも言及されている作品(作品名出してないが)とネタが同じなので微妙。
④女死刑囚パズル
課題本は、法月綸太郎の『死刑囚パズル』。
死刑執行直前の死刑囚が殺された。放おっておけば死ぬはずの人間をなぜ殺した。
夢見灯死刑囚は、今にも死刑になるというその瞬間に殺された。
服毒死。
45日前、拘置所で怪我を負う。足や腕の裂傷。死刑囚どうしさの喧嘩に巻き込まれた?
最後の食事。
電気椅子。
青酸カリ。即効性。
経典の554ページに白い粉末。青酸カリ?
本来なら有り得ない速度てま死刑執行が決まった。
ゴミ捨て場にあった偽の青酸カリを置けた人物像は一人しかいない。ダストシュートからではなく、直接置いた。
大沢美也子教誨師。
青酸カリは、経典な隠してあった。つつみ紙に入れられていた。被害者の自殺。
大沢教誨師は共犯関係。
動機は、死体を司法解剖に回すため。
死刑囚は、職員から暴行を受け、拘置所内で妊娠させられた。だから、彼女は自分の死体を司法解剖に回すことを望んだ。
絞首刑では、絞首の際に退治が排出されるおそれがある。
→女なのがちゃんと利用されていて、死体解剖させるためとは、なるほど。ただの死刑では死体解剖しないからね。
元の作品は昔読んだが、トリックを忘れてしまったので、あとで再読しよう。
⑤三階の窓
リレー小説。5人は執筆中の相談をしていない。
アンカーは獏田。
第一章 発端(力石)
夢美、右の足首を怪我。
男二人と女二人で分かれて部屋をとった。
嘘宮、悲鳴。「俺、じゃない」
獏央が倒れている。息をしていない。
窓は空いているが3階。手すりに縄梯子が結ばれていた。
死因は脳挫傷。凶器は死体の傍にあったビール瓶。
鍵は室内で密室。犯人は密室から脱出するために縄梯子?
第二章 疑惑(西惠美)
蒸気が出るアイマスクを小沢から東はもらう。
二人はそれをつけ、眠りについた。
第三章 供述(真宮冨士雄)
俺が扉にもたれかかっていたなら、外から扉は開かなかったと思う。
窓は開けてない。
第四章 検証(大沢美也子)
ICレコーダーを止めたのは犯人。
みんな、浴衣なので縄梯子隠し持てない。
第五章 手掛かり(夢見灯)
縄梯子、一見、やってみたらきれた。
一見、体重45キロ。
読者への挑戦状。5人の走者は執筆中の相談を一切していない。
第六章 推理(獏田格)
縄梯子を使えた人物が犯人。10歳の星力丸君。
力丸と夢美、同室なのは家族だったから。
なぜ、リレー小説で叙述トリックが成立するか。
俺が参加しなかった、夕食ごの海岸で行われた花火。そこで、力丸という名前の少年に出会った。
→名前似た人物が、ミスリードなのはバレバレかな。
⑥九角館の殺人
綾辻行人、十角館の殺人。
灯と美也子が夢に入ってきていない。
焼却炉に顔を突っ込んだ死体。冨士雄?
夢から覚めると喫茶店。
夢。
惠美の額に手斧。
玄関から外を通って惠美の窓まで足跡を消したあと。片道分なのか往復分なのかは不明。
外を探しに行くと、灯の死体。だいぶ、時間が経っている。
灯は右手で人形。人形には手が欠けていた。
夢から覚める。喫茶店。
美也子、死んでる。
アナフィラキシーショック? いちごアレルギー。チーズタルトを食べたあと。
夢。島。
羊三が死んだ。頸動脈のあたりを切られている。
島に残っているのは俺と力石。
脅迫文のようなものが封筒に。
一番目の被害者の灯、手の欠けた人形は十角館。
2番目の東、冨士雄、焼却炉に顔を突っ込んだ死体は水車館り
3人目の死者の惠美の部屋にあった本はカボツ。なので迷路館り
4人目の自社、人形館の受け取る脅迫状にそっくり。
犯人は、綾辻行人の館シリーズに見立てて蓮ぞ殺人。
隠し通路、玄関ホール。
力石、何者かに時計塔のオブジェでなぐられる。
謎の人物は風味猫を俺に向けてきた。
目が覚める。喫茶店。
二重構造ではなく、現実も股にかけた3重構造。
見立ての深度が違う。
脅迫状はその場で作られたもの。便せんがそこにあったものだった。ほかのと違って、突発的に作られたItem。
人形館の見立てを行う前に人形を回収することが出来なくなったから。
灯、岩場に落ちたとき、犯人が持っていた人形を奪い取ってしまった。
人形の手は落下で欠けたもの。
犯人は、事件当時、足を怪我していて、岩場の急斜面を降りられなかった。
犯人は冨士雄。
冨士雄は焼却炉に顔を突っ込んだ状態で見つかったが、身代わりだった。
身代わりの正体は、夢見後一。
俺は丑一さんが紅茶を飲むのを見ていないが、バックヤードに紅茶を用意しておいて、叔父さんも飲んでね。とメモを残しておいた。
島と喫茶店、年が違った。
→顔のない死体パターンだが、一人増えてたことで、上手く使われている。
綾辻行人の見立ては、雑だと思ったが。。本編でも言及されてるが麻耶雄嵩のあれとネタはほぼ同じだし。。
年が違うのはバレバレかな。
Posted by ブクログ
少女は殺人の夢を見る
阿津川辰海の短編集。ファンタジーミステリー。
設定が斬新で面白い。阿津川辰海の作品は世界観に驚かされるものがいくつもあるが、今作も例に漏れず衝撃的な世界観だ。
灯の紅茶を飲んだら彼女の夢の中に連れ込まれる。そして、彼女の夢で起きる事件を解決しない限り、巻き込まれた人達が目覚める事はない。
一体どの様な結末を迎えるのか楽しみだ。
第一話 第三の短剣
主人公の獏田は大学一年生であり、「月夜のお茶の会」と言われる読書会、サークルに初めて参加する。そこで様々なジャンルに詳しい人達と一緒に課題図書になっているカーター・ディクスンの「第三の銃弾」について検討会を始める。読書会は灯の家である本屋夢見堂で開催されるが、彼女の入れてくれた紅茶を飲んだ途端、獏田は睡魔に襲われ、気がついたら自信含めサークルメンバーが配役された謎の世界で殺人事件に巻き込まれる。中身は検討会をしていた「第三の銃弾」にそっくりな内容で。
読者も一瞬、訳がわからない状態に陥るが、羊と化した灯の父がこの世界について解説、いわゆるルール説明をしてくれる。余りにも突飛な展開だがそれでいてわかりやすく読みやすい。隠された剣の謎、リアクションが出来ない探偵役の獏田等、この設定でしか出来ない展開は見事。
最後、灯の父が獏田に灯の夢を託す場面は、獏田の立場、灯の立場、父親の立場、それぞれ考えおかしくなってしまった。獏田にとっては入学早々、途方もないものをあてがわれた思いだろう(笑)。
僕はカーの作品はほとんど読んだことが無かった為、残念ながら少しだけ談義にはついていけなかった。
第二話 そして誰にも共感出来なかった
クリスティテーマならきっと彼らとディスカッションする事が出来るなぁなどと思いつつ。いつの間にか父親と仲良くなっている獏田に笑ってしまう。
今回も夢の中に誘われ、四人の登場人物が死んでいる中、獏田は警察役として登場、事件を推理することになる。
今回は設定を巧みに利用し、メタ的な動機も入れながら推理が披露される。灯の夢の世界は探偵役が謎を解かなければ冷める事はないが、逆に捉えれば灯は解き明かす事の出来る謎を構築しなければならないという事になる。今回の様に導入でトラブルがあれば臨機応変に実現可能なトリックを構築しなければならないというルールは、後半の作品に不穏なものを残しそうだ。
第三話 モザイク岬の謎
お茶会も三回目となり、美也子にも灯の秘密がバレてしまったが、美也子は受け入れしかも灯の側につくと言い出す。お茶会のテーマはクインの「スペイン岬の謎」。
自身、クインはまだ未読が多く、世界観を掴みきれてないで読み進める。死体が全裸であるかどうかに獏田は執着するが、序盤ではその意味を理解できなかった。後半につれて全裸かどうかが意味を持つ理由がわかる。納得のいく内容では有るが、登場人物がどうしも限られている為、少し物足りなさも感じる。ここに来て灯のキャラクターがイマイチわからなくなって来たなぁ。
第四話 女死刑囚パズル
今回は夢の中の事件に灯自身が被害者として登場する。テーマは法月綸太郎の「死刑囚パズル」。ホワイダニット(なぜやったのか)論争を獏田と力石が行っており、力石の主張は少し難しいが面白い考え方だ。
灯の夢の中、冒頭から獏田は動機の部分を捉えているがあえて棚に上げて推理を進める。死刑執行の数分前に死刑囚が殺害されるのは何故か。何処か不穏な空気感がありつつ、死因などが明らかとなり、それを実行するためにどうすればと獏田の推理が進む。
最後、結末が打ち明けられ、動機、ホワイダニットの部分についても真相が判明する。
獏田の怒りはもっともだが、もっと残酷な真相を推理していた自分としては気の抜けた印象だ。
第五話 三階の窓
現実世界での話。力石の発案によりサークルで伝統だったリレー式小説を実施する事になったメンバー達。小説のスタートは力石、結末は獏田。獏田の一つ手前のパートは灯が担当し、彼女は堂々と「読者への挑戦状」を掲げる。
獏田はメンバー達から受けた小説を見事に着地させられるのか。
作中作のトリックは冒頭で違和感を感じ、ある程度見分けやすいものだった。他の作品と違い、サークルメンバーの人物描写がよく分かる一話。
第六話 九角館の殺人
「十角館の殺人」のオマージュがベースの様に見えるが、僕的には「暗黒館の殺人」の様相に似ていると感じた。今回はトリックとして灯の夢の様相が持ち出されており思考があったが、美也子の部分はもう少し引っ張っても良かった。
(阿津川辰海は毒もある作家なので、平気でありそうな結末だったのだが)
今回も獏田は灯の夢を理解し、彼女が組み立てた真相を炙り出す。(丑一叔父さんの登場によりある程度予測は出来る)
結末は青春を感じる甘酸っぱい締め方(笑)
全体的に面白かったが圧倒的に「毒」が欲しかった。
麻耶雄嵩の「化石少女」の様な毒々しさや米澤穂信の「小市民シリーズ」の様な気味悪さのあるペアの方が作品の世界観に合っていそうだと思ってしまった。