あらすじ
定員割れ5割超、相次ぐ募集停止。
少子化の先に待つ「2035年の崖」は、
日本そのものを揺るがす。
大学は、地方から若者が消えるのを防ぐ「最後のダム」だった。
ダムが消えれば、街から若者と「未来」が消えていく。
だが――。
知られざる大学にこそ、若者を変える「学び」があった。
消えてはいけない大学はどこか。
そこでは諦めかけた学生たちが、
どのように自分の可能性を取り戻していくのか。
10年、200校以上を歩いた記者が、
現場取材とデータで描き出す、大学淘汰のリアルと日本の未来。
(目次)
第1章 2035年の崖―少子化で限界を迎える大学
第2章 何が大学を追い詰めているのか
第3章 潰してはいけない大学
第4章 大学がつなぐ地域の未来
第5章 学力以外の力を重視 変わる入試
第6章 偏差値神話を超えて―社会がつくる「成長できる大学」
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Posted by ブクログ
【高等教育政策と私立大学の現状・支援策】
2020年度に開始された「高等教育の修学支援新制度」では、消費税率引き上げ(8%から10%)分を財源とし、給付型奨学金(最大年91万円)および授業料減免(最大年70万円)を国が支援している。本制度の対象校となるには、「理事の2名以上が外部人材であること」「実務経験のある教員による授業科目が13単位以上あること」などの機関要件を満たす必要がある。なお、大学が対象校から外れた場合であっても、在学中の学生は継続して支援を受けることが可能である。
一方、私立大学等経常費補助金については、収容定員充足率が9割未満で減額され、5割以下となると不交付(ゼロ)となる。
2018年の「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)」以降、「私立大学の在り方検討会議」等を通じて構造改革が進められている。特に2024-28年度の5年間は私立大学の「集中改革期間」と位置付けられ、レジリエントな私立大学等への転換支援パッケージとして「チャレンジ」「連携・統合」「縮小・撤退」に対する財政支援が行われている(2025年には「知の総和」答申が出された)。
定員厳格化やコロナ禍における三密回避の影響から、2020年度には「地方小規模私大の春」と呼ばれる一時的な志願者増が見られたものの、その後は定員割れとなる私立大学が再び増加傾向にある。
【各大学の独自取り組みと今後の展望】
こうした厳しい環境下において、各大学では以下のような先進的な取り組みが行われている。
・金沢工業大学:保護者向けポータルサイトを構築し、学生の出席状況・成績・インターンシップ情報などをリアルタイムで共有。
・武蔵大学:「1年生からのゼミ」を導入し、入学初期から少人数教育を実施。学生の居場所づくりとともに、教員や他学生との交流を通じた発表・議論能力の向上を図る。
・昭和女子大学:キャンパス内にテンプル大学を誘致、同居させる取り組みを実施。
また、学修効果を高める施策として、韓国や台湾の同分野を持つ大学とのオンライン国際交流(人手不足対策の側面も期待できる)や、国内留学(豊岡市の芸術文化観光専門職大学、酪農学園大学、宝塚歌劇団等との連携)なども有益な選択肢となる。
さらに、志願者減少への対応策として、オンラインを活用した総合型選抜(書類審査および職員・教員によるオンライン面接)、あるいは個別訪問型の入試スタイルなども検討の余地がある。
現在、大学には「デジタル化や世界規模の産業構造の変化に対応できる人材育成」が強く求められている。情報メディア系の教員を中心に、出前授業や総合型選抜入試の設計・実施を積極的に進めていくことが望まれる。
Posted by ブクログ
<目次>
第1章 2035年の崖~少子化で限界を迎える大学
第2章 何が大学を追い詰めているのか
第3章 潰してはいけない大学
第4章 大学がつなぐ地域の未来
第5章 学力以外の力を重視 変わる入試
第6章 偏差値神話を超えて~社会がつくる「成長できる大学」
<内容>
朝日新聞の担当編集が、今までの取材を踏まえてまとめたもの。教育界の外から見れば驚きだと思う。第3章では具体例が挙がるが、高校の進路関係者ではもう有名な話。これ以外にも努力している大学は多い。まあ、地方の小規模大学は、地域経済の核の一つなのだと感じた。ただ公立化してもなあ…。