あらすじ
世界に2億丁ある非合法の銃の半数を占める「悪魔の銃」カラシニコフ(AK47)。開発者カラシニコフやシエラレオネの11歳の少女兵などへの取材を通し、崩壊する国家の現状や、そこに暮らす人々を描く。
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Posted by ブクログ
【「兵士と教師の給料」がカギ】p183
「失敗した国家 failed state」と「そうでない国家」を分ける基準について、明確で分かりやすい基準が二つ。
ひとつは「警官・兵士の給料をきちんと払えているか」だ。
警官と兵士は、国民の安全な暮らしを守るという、国家の最低限の義務の直接の担当者である。その給料を遅配・欠配して平気な政府は、国家を統治する意思も能力もないとみなすべきであろう。
11歳の少女ファトマタは、AKIRA47で三人の命を奪った。その物語から始まり、カラシニコフ銃が世界で何をしてきたか、その道筋を辿ってきた。
設計者のミハイル・カラシニコフは84歳で健在だった。彼はAK47開発の動機について、「母国を守るためにより優れた銃をつくろうとしただけだ」と答えた。たしかにAKは故障が少なくて扱いやすく、信頼性の高い銃だ。それが第三世界に銃があふれる原因ともなった。p267