あらすじ
日本SF大賞受賞『マルドゥック・スクランブル』から、吉川英治文学新人賞、本屋大賞を受賞した時代小説『天地明察』まで、エンタテインメントの最前線で活躍し続ける冲方丁の最新短篇集。『天地明察』の原型短篇「日本改暦事情」、親から子どもへの普遍的な愛情をSF設定の中で描いた「メトセラとプラスチックと太陽の臓器」、著者自身を思わせる作家の一夜を疾走感溢れる筆致でつづる異色の表題作など全7篇を収録
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Posted by ブクログ
まあこ、箱がとくに記憶に残ります。
それと他の作品とのギャップがまた凄いですね。
同じ人が本当に書いているのかと、不思議。
まあこに関しては、読み進めていくとホラー臭がして
そのままホラーになるのですが、なるほどホラーってこういうふうに
進めていけばいいのかと、新しい衝撃を受けました。
ホラーなので、一般常識は置いておいて、
なぜ、それが呪われた人形になってしまったのか、そしてそれが
どうなってしまうのかとある意味でわかりやすい。
違った意味で、予想外。
そして、最後の子供が生まれそうという状況。
ただでは終わらせないという面白さがありました。
次に箱ですが。
王様の耳はロバの耳という話ですね。
貯めこまず、吐き出してしまえという想いが詰まった箱。
そんな箱を売ろうとしたものだから、そのいやな想いが解き放たれて……。
ホラーであるため、夢オチでしたがその後の幕引きがグッドですね。
それだけ終わらず、主人公(らしき)もまた想いを箱に詰めて、
次の犠牲者を求むという。
短編だけでもこんなにも考えさせられ、楽しい気分。
勉強にもなりました。
Posted by ブクログ
「天地明察」で第7回本屋大賞を受賞した、冲方丁の短編集。
本屋大賞受賞作品に関してはその殆どを読んでいるのだけど、実は「天地明察」のみ未読。
何故ならば、時代小説というジャンルが非常に苦手だから(^^;)。
どのくらい苦手かというと、ライトノベルと同じくらい苦手。・・・って、
この人ラノベ出身なのかぁ・・・。初めて知りました(^^;)。
先入観を捨てて全7篇を読んでみた。
いちばん印象に残ったのはホラー系作品の「まぁこ」。心情描写が細かく巧みな上、
全体を覆うなんとも言えない薄気味悪さがあまりに秀逸。ホントに怖いんだ、コレが。
そしてあの天地明察のプロトタイプとも言える時代モノ、「日本改暦事情」もなかなか。
この手の作品が嫌いな僕でさえちゃんと読めるのだから、やっぱりさすがなんだろうなぁ、と。
でも、これ以上長くなっちゃったら果たして読む気が起きるかどうか(^^;)。
明察までの道は遠そうだな、やっぱり。
この他の作品も悪くは無いのだけど、やっぱり少しラノベっぽい雰囲気あり若干苦手。
しかし、読めない作家では無かった! 諸々を吟味して他の作品も読んでみますか・・・。