【感想・ネタバレ】アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風のレビュー

あらすじ

地球のジャーナリスト、リン・ジャクスンに届いた手紙は、ジャムと結託してFAFを支配したというロンバート大佐からの、人類に対する宣戦布告だった。ついに開始されたジャムの総攻撃のなか、FAFと特殊戦、
そして深井零と雪風を待ち受けていたのは、人間の認識、主観そのものが通用しない苛酷な現実だった。『戦闘妖精・雪風〈改〉』『グッドラック』に続く、著者のライフワークたる傑作シリーズ、待望の第3作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

発刊当時のハードカバー版を途中で放棄してしまったので文庫で改めて買い直し。
一度挫折したのが嘘かのようにのめり込んで一気に読破してしまった。
認識論、言語論、コミュニケーション論、宗教をSFという箱にぎっしり詰め込んだ、神林長平流の哲学書でした。

劇中で登場人物たちはジャムの策略により意識をシャッフルされてしまい、人間のみならず異星体ジャムや雪風のような戦闘知性体との意識の共有も体験してしまうけれど、その様子がごまかしやファンタジーを排除した硬質さで破綻なく描かれていて、さすがはこの著者だなと思わされた。
機械には本当に世界はこう見えてるんじゃないか、と想像してしまう。

お互いを認識しあったことで、地球人対ジャムの戦争がこれから本当に始まる。
続きが出るのを十年でも二十年でも待ちます!

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2013年05月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 シュレディンガーの箱の中にいる猫(人間)を、箱の外からジャムと雪風がぐいぐい振り回し、最終的に猫本人が生きてるって言ったんなら生きてるんじゃね?みたいになるのでデカルトを持ち出したくなるんだけど、哲学本になりそうなところを雪風という戦闘機械がギリギリSFの枠に引きとめてる。そんな小説。

 書いてて自分でもよくわかんねーなこれ。

 ただ「箱の中にいる猫から見たら、当然外の世界が滅んだかどうかわからないよね」みたいなところは、件の実験が有名すぎて逆にあんまり意識しない視点だと思った。

 とりあえず前2作を読んでないとまったくついていけないと思われるため、未読の方はご注意を。

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2014年10月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

雪風3作目。
ジャムとの戦いが、物理的なものから観念的なものへと急速にシフトしてゆき、息を呑む。

全く異質な存在とコミュニケイトするために、感覚を同期させようとする雪風。
人間と戦闘知性体の感覚が混ざり合って生まれた“無人世界”の、無機質で寂寞とした雰囲気が何ともいえず不気味だった。

不安定な時間と空間のなかで、冷静に状況を判断しようとする深井大尉らの凄さも改めて実感。
一方で、特殊戦メンバーの心理に興味を示し始める雪風に幾ばくかの可愛らしさを感じたりもしてしまい…人間の錯覚って面白い。

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2012年11月11日

ネタバレ 購入済み

終わらない…

なかなか終わりの見えないシリーズです。
前作『グッドラック』から話は続いています。切り口がガラリと変わっているので、そこは好みの分かれるところ。量子論的世界観は面白いのですが、このシリーズでやるのかぁムムム…。
着地点をどこに持っていくのか今後も楽しみではあるのだけれど…、刊行ペースの割には進んでいないような?
あ、会議のシーンは面白かったです。雪風かかわいい。

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2018年02月19日

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