【感想・ネタバレ】君が手にするはずだった黄金について(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

「あなたの人生を円グラフで表現してください」大学院生の僕は、エントリーシートを書くのをやめて、小説というフィクションを書き始める。青山の占い師、80億円を運用する自称凄腕トレーダー、偽ロレックスを腕に巻く漫画家。小説家・小川哲が遭遇する怪しげな人物たちの末路……。成功への渇望と満たされぬ承認欲求の果ての嘘と真実を描いた、傑作連作短編集。後日譚「革命前夜」を収録。(解説・大森時生)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

エッセイのように見える小川哲が主人公の
フィクション作品。常に見えるものと見えないもの、見える記憶と見えない記憶の話をしていたように感じる。

常に記憶は曖昧で、自身の記憶を知らぬ間に改竄していたり、日常と非日常で記憶の残り方に濃淡が生まれる。非日常な日の前日、同じ24時間が均等に配分されているにもかかわらず、忘れたではなくなかった記憶としてすっぽり抜けてしまう。
プルーストでいう二つの意味の忘却の話も出てた

あとは人の見栄の話とかかな、自身を大きく見える虚栄や承認欲から吐く嘘に自分が飲み込まれたり、中立に立とうとするこちら側が飲み込まれたりする。

小説を書く上で、小説家は自身が手に入れるはずだった可能世界に馳せる。それは他者の記憶や経験からリンクするものだったり、もちろん自身の生活の中で見つかるものだったりもする。どこまでが実際でどこからが可能世界なのかはわからないが、そうして紡ぐ物語には真実味がより生まれるのかもなあと思ったり。

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2026年07月05日

Posted by ブクログ

一本目「プロローグ」、唐突に愛と人生が立ち上がってきて(そしてすぐに消え去ってしまって)しばし呆然(良い意味で)。

二本目以降、「物語の構造がピタリとはまる心地よさ」と、はまった結果明確になってしまった「物語のテーマの居心地の悪さ」とのギャップが、じんわりと心に残りました。不思議な読後感。

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2026年07月02日

Posted by ブクログ

君のクイズに続き、小川哲さんの作品は2作目。同じ方が書いてるとは思えない作品で、私は本作のほうがお気に入りでした。「真実を話そうとしすぎ。」「才能という黄金を摑みたかったのだ。」「でもそうだとしたらそれこそ偽物じゃないか?」「自分には知らない事が数多くあるのだということを知る。それこそが転だ」など、自身に響くフレーズが多くあった。そしてなにより、(可能世界の?)小川さんが主人公で、エッセイ風でただ、フィクションという、新しいストーリーが不思議なようで読みやすく、非常に楽しい時間を過ごせた。明日から、いや今日からの自分の人生に鮮やかではないが、暗い彩りを重ねてくれそうなそんな作品です。

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2026年06月29日

Posted by ブクログ

読んだことのないというか、どのジャンルにも属さないような小説で、読んでいて楽しかった。

嘘と真実を描いた小説だが、構造自体もそう組まれてるのが面白い!

語り手であり主人公は、著者本人(と同じ名前…?)で、エッセイのように物語が始まる。

どこまでが実体験でどこからが小説(嘘)なのか、はたまたエッセイのように描いているだけで全て虚構なのかがわからない。
それゆえに、通常の小説以上にのめり込むことができる気がする。(エッセイと小説の境目がないので、事実だと思い込みながら読み進めることになる)

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2026年06月29日

Posted by ブクログ

あまりにありそうで、エッセイ的なノリで読み終えてしまった。人間関係とか、考えすぎる思考とか全部共感しすぎてうわー…となりましたね。
特に就活の円グラフの話、リアルすぎて震えました。

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2026年07月04日

Posted by ブクログ

構造Aの中に構造Bがあり、その中の構造Cで構造Dを書いてたりするから、自分の頭が追いつかず、読み切れない部分があった。

構造Dにいる小川が、CやB、あるいはAにいる片桐を冷笑する物語。かといってDにいる自分はEから俯瞰してみると憐れだし、Bは別視点だとDの裏返しとも捉えられるから自分もBと同じだみたいな保険を掛けて自分の立場を守る。

自分には片桐や馬場と共通する点があるため、彼らがいかに崩壊していくかは見ていて辛かった。終わりのないループ冷笑構造に包まれる冷たい現代社会を見たい人にはおすすめの作品である。

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2026年07月01日

Posted by ブクログ

嘘と偽物について。つまりは小説/人生について。小説家という観測者/表現者が、他者と自身の内面を冷徹に分析していく。存在意義を渇望するほどに、承認欲求や虚栄心が積み重なり、自己の輪郭が暮夜けていく。記憶は都合よく改竄され、多くは抜け落ちる。解像度の高い日常から「実存」へと迫っていく過程が実にスリリング。第二話『三月十日』の恐ろしさたるや。

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2026年06月29日

Posted by ブクログ

言語化しづらいけど、真っ直ぐな人間じゃない私にとっては静かに刺さってくる感じの本
これ好きな人とはたぶん仲良くなれると思う

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2026年06月26日

Posted by ブクログ

P150.151ドッグイヤー。そう、だから「普通は〜」で片付けちゃいけないのよね。

とりあえず、人間て、人間関係て、難しいね、
というのが感想。
唐沢くんのような人間ばかりなら分かりやすくて難しくはないかもだが。
解説、も、良かったです。

ところでメタファーとメタは違うのか。。

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2026年07月01日

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