【感想・ネタバレ】君が手にするはずだった黄金について(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

「あなたの人生を円グラフで表現してください」大学院生の僕は、エントリーシートを書くのをやめて、小説というフィクションを書き始める。青山の占い師、80億円を運用する自称凄腕トレーダー、偽ロレックスを腕に巻く漫画家。小説家・小川哲が遭遇する怪しげな人物たちの末路……。成功への渇望と満たされぬ承認欲求の果ての嘘と真実を描いた、傑作連作短編集。後日譚「革命前夜」を収録。(解説・大森時生)

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公「僕」の思考が分かりやすくてとても読みやすかったです。「プロローグ」〜「小説家の鏡」までが好みの題材で、他は共感性羞恥で寒気がしたり知らない感覚過ぎたりでお話は面白いのですがテイストが違うように感じました。
適当に手に取ったので著者をしっかり認識していなかったのですが、途中から「小川さん」と苗字が出てきたのでブックカバーを外して著者の確認をしたときに気持ちが良かったです。

0
2026年07月26日

Posted by ブクログ

頭の中で行ったり来たりして考えながら自分なりの結論に辿り着いて行動するという、その繰り返しで少しずつ前進していくのが人生なんだなと感じる作品でした。特に序盤の2つのお話が好きでした。

0
2026年07月25日

Posted by ブクログ

小川哲さんの「君のクイズ」が面白かったので買いました。
ほんとうに面白かった!表題作が一番好きでした

0
2026年07月24日

Posted by ブクログ

烏滸がましいことだが、私と筆者はモノの見方や捉え方で似ているところがあるように感じた。

本作は筆者の私小説と思わせる構成で、実際の出来事を組み合わせたり編集したりして小説仕立てにしたのかな、と思いながら読んだ。

筆者は小さい頃から変わってると周りの人に言われていて、だけどある程度成長するまで変わり者だと自覚していなかったタイプだと思う。
会話の内容をよく覚えているから、その場のノリの会話は過去の会話と整合性が取れないので矛盾を感じることもあったと思う。だけど学習能力や適応性の高さによって、話は合わせられるし、変わってるところも面白いと捉えられて、さらに初対面の人に対する先入観は少ない性質であろうから、こう見えて(失礼)存外友人は多いのだと思う。

だから、いろいろなエピソードを蓄えて、本書ができたんだろうなぁ。

特にシンパシーを感じたのは、目の前に困った人がいる時の対処法だ。
私自身が自立型の人間なので、手を貸さないことが結果的に相手のためになる、と考え積極的には助けないことが多い。
考えた上で助けないと決断するのだが、第三者にとっては考えなしで冷淡な人間と捉えられがちで、悔しく思う。

0
2026年07月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

エッセイのように見える小川哲が主人公の
フィクション作品。常に見えるものと見えないもの、見える記憶と見えない記憶の話をしていたように感じる。

常に記憶は曖昧で、自身の記憶を知らぬ間に改竄していたり、日常と非日常で記憶の残り方に濃淡が生まれる。非日常な日の前日、同じ24時間が均等に配分されているにもかかわらず、忘れたではなくなかった記憶としてすっぽり抜けてしまう。
プルーストでいう二つの意味の忘却の話も出てた

あとは人の見栄の話とかかな、自身を大きく見える虚栄や承認欲から吐く嘘に自分が飲み込まれたり、中立に立とうとするこちら側が飲み込まれたりする。

小説を書く上で、小説家は自身が手に入れるはずだった可能世界に馳せる。それは他者の記憶や経験からリンクするものだったり、もちろん自身の生活の中で見つかるものだったりもする。どこまでが実際でどこからが可能世界なのかはわからないが、そうして紡ぐ物語には真実味がより生まれるのかもなあと思ったり。

0
2026年07月05日

Posted by ブクログ

一本目「プロローグ」、唐突に愛と人生が立ち上がってきて(そしてすぐに消え去ってしまって)しばし呆然(良い意味で)。

二本目以降、「物語の構造がピタリとはまる心地よさ」と、はまった結果明確になってしまった「物語のテーマの居心地の悪さ」とのギャップが、じんわりと心に残りました。不思議な読後感。

0
2026年07月02日

Posted by ブクログ

君のクイズに続き、小川哲さんの作品は2作目。同じ方が書いてるとは思えない作品で、私は本作のほうがお気に入りでした。「真実を話そうとしすぎ。」「才能という黄金を摑みたかったのだ。」「でもそうだとしたらそれこそ偽物じゃないか?」「自分には知らない事が数多くあるのだということを知る。それこそが転だ」など、自身に響くフレーズが多くあった。そしてなにより、(可能世界の?)小川さんが主人公で、エッセイ風でただ、フィクションという、新しいストーリーが不思議なようで読みやすく、非常に楽しい時間を過ごせた。明日から、いや今日からの自分の人生に鮮やかではないが、暗い彩りを重ねてくれそうなそんな作品です。

0
2026年06月29日

Posted by ブクログ

読んだことのないというか、どのジャンルにも属さないような小説で、読んでいて楽しかった。

嘘と真実を描いた小説だが、構造自体もそう組まれてるのが面白い!

語り手であり主人公は、著者本人(と同じ名前…?)で、エッセイのように物語が始まる。

どこまでが実体験でどこからが小説(嘘)なのか、はたまたエッセイのように描いているだけで全て虚構なのかがわからない。
それゆえに、通常の小説以上にのめり込むことができる気がする。(エッセイと小説の境目がないので、事実だと思い込みながら読み進めることになる)

0
2026年06月29日

Posted by ブクログ

同性同名の主人公、小川哲が出会った人々を描いた短編集。小説だからフィクションと分かっていても主人公が小川さんそのまんまの様に見えてしまう。メディアで見る機会が増えたことを逆手に取った様な設定で、上手いなと感じた。

人に見せるのが憚られる虚栄心や嘘を前面に押し出した人を、普通は馬鹿にしたくなるが誰しも似た様な事は経験ある筈なので簡単には卑下できない。

0
2026年07月25日

Posted by ブクログ

今まで生きてきた中で感じていた、でも無かったことにして忘れかけていた気持ち悪さが記憶の底から水面近くまで上がってきたような…嫌なとこついてくるなぁ。面白い。

0
2026年07月24日

Posted by ブクログ

著者の小川哲自身が主人公となった短編小説。舞台は彼の学生時代。友人や恋人、教師たちに対し、主人公の少し斜に構えた性格が彼らの内面を深く刻んでいく。一番印象的だったのは表題作と書き下ろしの作品。前者は学生時代にリレーの代表を強く望んだ友人でその後プロ投資家としてインフルエンサー、後者は荒れたクラスを立て直すため真っすぐな善意で生徒たちと向き合った先生が話題の中心。どちらも本当に実在していそうでエッセイのように思える。しかし、主人公自身が、小説家は話を作るのが仕事だと語っており、現実か虚構か掴めない。非常に不思議な作品。

0
2026年07月20日

Posted by ブクログ

 「小説家・小川哲」が主人公の私小説形式の連作短編集で、青山の胡散臭い占い師や80億円を運用する元同級生の自称凄腕トレーダー、偽物のロレックスを巻く他人の話ばかり描く漫画家など怪しげな人達との遭遇と哲学的な要素が合わさってそれぞれの人物が迎える『承認欲求の果て』がより際立っていた。

0
2026年07月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公が「小説家小川哲」の私小説のようなフィクション。フィクションなんだが実際にあったことのように思えるディティールの細かさ。出来事はフィクションでも性格や価値観は著者そのものなのではなかろうか、そう考えながら読み終えた。

全編、絶妙に人間の弱い部分、虚栄心を鋭く描いていた。ここまで自分を大きく見せたい人間は実在するとは思えない心の片隅では呟いていたが、ではかつての自分を振り返ると、多かれ少なかれ無意識で自分を大きく見せることはあった。今となっては自然に振る舞うようになったが、罷り間違えば高校の同級生の片桐や漫画家のババのようになっていたのかもしれない。
俯瞰で読みつつも、自分の過去を反芻できる味わい深い作品だった。

0
2026年07月17日

Posted by ブクログ

自伝なのかエッセイなのか分からない,そんな風に意図された小説.改竄,捏造,辻褄合わせ …,なるほど解説で語られているように可能性の小説か.

0
2026年07月08日

Posted by ブクログ

フィクションでありながらもすごく身近に感じてしまうようなお話。
そう思えてしまうのは、世の中が本当にその通りになっているからであろう。
実は実話だったという展開もありうるかもしれない…

0
2026年07月07日

Posted by ブクログ

あまりにありそうで、エッセイ的なノリで読み終えてしまった。人間関係とか、考えすぎる思考とか全部共感しすぎてうわー…となりましたね。
特に就活の円グラフの話、リアルすぎて震えました。

0
2026年07月04日

Posted by ブクログ

構造Aの中に構造Bがあり、その中の構造Cで構造Dを書いてたりするから、自分の頭が追いつかず、読み切れない部分があった。

構造Dにいる小川が、CやB、あるいはAにいる片桐を冷笑する物語。かといってDにいる自分はEから俯瞰してみると憐れだし、Bは別視点だとDの裏返しとも捉えられるから自分もBと同じだみたいな保険を掛けて自分の立場を守る。

自分には片桐や馬場と共通する点があるため、彼らがいかに崩壊していくかは見ていて辛かった。終わりのないループ冷笑構造に包まれる冷たい現代社会を見たい人にはおすすめの作品である。

0
2026年07月01日

Posted by ブクログ

嘘と偽物について。つまりは小説/人生について。小説家という観測者/表現者が、他者と自身の内面を冷徹に分析していく。存在意義を渇望するほどに、承認欲求や虚栄心が積み重なり、自己の輪郭が暮夜けていく。記憶は都合よく改竄され、多くは抜け落ちる。解像度の高い日常から「実存」へと迫っていく過程が実にスリリング。第二話『三月十日』の恐ろしさたるや。

0
2026年06月29日

Posted by ブクログ

言語化しづらいけど、真っ直ぐな人間じゃない私にとっては静かに刺さってくる感じの本
これ好きな人とはたぶん仲良くなれると思う

0
2026年06月26日

Posted by ブクログ

言われてみれば確かに!と思う瞬間が何度かある作品。
「君が手にするはずだった黄金について」と「偽物」が特に好きでした。

0
2026年07月23日

Posted by ブクログ

エッセイのようにも読める小説だった。友人や仕事相手に対してもつい思ってしまっているマイナスな面、決して口にはしないけれど心の中にあるちょっとした軽蔑、そう思っていること自体がひっぱりあげられるようなお話だった。
エンタメ的な面白さではない、じわっと系。
革命前夜の先生のお話は個人的に好きだった。こういう土壌づくりがうまい人はいるし、それに巻かれていく人もいる。ただそれを少し離れてみた時の絶妙な気持ち悪さがわかるなと思った。

0
2026年07月18日

Posted by ブクログ

著者自身、らしい小説家を主人公とした短編集。リレー選手になることに拘った(どこからきているのかわからない自信と、悪気のない攻撃)、「口だけは達者で、それでいて結果は出さなかった」片桐の虚飾に塗れた生き様と悪あがきが面白かった。偽物のデイトナを左腕に巻いた、吐き出す言葉がすべて人からの借り物という、小物感あふれるマンガ家ババさんも、見事。

0
2026年07月18日

Posted by ブクログ

読後感は「暗めのモヤっと」
面白い点は小説家から見える人の行い全て創作する小説と関わるところ。
「オーラを読む占い師」、「投資詐欺の友人」、「盗作漫画家」といった関わりたくない人が主人公の前に現れる。
そんな人達に小説を使って問題解決を試みたり、小説家と共通点を見出したりする。友人に小説家がいるとどうなるのか想像ができる。
世の中って変なヤツばっかりだなと思った時に読むと面白いかも。

0
2026年07月12日

Posted by ブクログ

三月十日を筆頭に、そう言われてみれば確かにと思わされる部分が多かった。
ただ、読むタイミングが今じゃなかったのかも...。
楽しめたかと言われたら、うーん...

0
2026年07月11日

Posted by ブクログ

虚構にまみれ、承認欲求に溺れた他人を自分に重ねる。他人事だと思っても、角度を変えてみると、自分にも思い当たる節が。。。
ノンフィクションのようなフィクション小説。

【三月十日】が印象に残った。たしかに、311のようなインパクトある日は記憶に残ってるけど、その前日の3月10日は何をしていたのか思い出せない。都合よく記憶が改竄されている可能性さえある。

0
2026年07月07日

Posted by ブクログ

P150.151ドッグイヤー。そう、だから「普通は〜」で片付けちゃいけないのよね。

とりあえず、人間て、人間関係て、難しいね、
というのが感想。
唐沢くんのような人間ばかりなら分かりやすくて難しくはないかもだが。
解説、も、良かったです。

ところでメタファーとメタは違うのか。。

0
2026年07月01日

「小説」ランキング