あらすじ
国際アンデルセン賞(児童文学界のノーベル賞)受賞!作家になりたくて、でも、甘ったれの幸せな「夢見る夢子さん」のままじゃ作家には絶対なれないと思っていた10代。自分で自分の背中を蹴っ飛ばし、外の世界に触れ、文化人類学の道を志した20代。そして、その先に待ち受けていた「作家として生きつづける」という新たな登り坂……。壮大な物語世界を生んだ作家の道程が問いかける、「読むこと」「書くこと」「生きること」とは。
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Posted by ブクログ
上橋さんはほとんどぜんぶ読んでいるけれど、上橋さん個人のことは、対談などでうかがい知るほかは何も知りませんでした。こどもにも読めるように平易に書いてあるのに、大人が読んでも面白い。上橋さんの描く物語には、これだけ重厚なバックボーンがあったのだと、驚きの連続でした。世界観や地球環境、現代の社会問題なども、人類学者としての目線でさらりと語られていましたが、ことばを選ぶのは難しいはずです。
上橋さんが古武術によって身体の動きを知っていたので、バルサの殺陣も息を呑む緊張が生まれていたのだと、あらためて知りました。
物語を聞かせ続けてくれたおばあさま、好きでたまらなかった本。必死になって身体を動かし続けたこと。
それらが謙虚に語られています。上橋さんはインタビューを受けたので、書いた人は違うのですが、上橋さんを浮かび上がらせて、見事な構成だと思いました。
上橋さんの物語は、この後もずっと語られてゆくことでしょう。それは上橋さんの人生そのものだから。