あらすじ
妖怪を見る力を持った姉・静流(しずる)と、妖怪に憑かれやすい妹・瑞生(みずき)。中学生になった瑞生は、憑かれても自分で対処できる場面も増える。一方、全寮制の女子高に入った静流は、同じ妖怪現象が見える柊子(とうこ)と出会い、打ち解けていく。だが、柊子の祖母の訃報をきっかけに、柊子は巨大蛇の妖怪ノヅチに憑かれてしまう。静流は祖父の協力を得て、ノヅチ落としに挑むが!? 本格妖怪漫画にして姉妹の成長譚、大団円!
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
そんなに数多く漫画を読んでいるわけではありませんが、今まで見た他の言わばオバケものと、物の怪に対する接し方や考え方がまるで違う作品ですね。
化物語が少し考え方が近いのかな。
憑きやすい妹と見えてしまうお姉さんと祓えるおじいちゃん。
でもおじいちゃんはなかなか助けてくれないんですよね。
それはこの作品の中で物の怪が決して異端ではなく、人間に一方的に危害を加える存在ばかりではないから。
一巻の二話でおじいちゃんが言うように、「拝んで離れて戴く」ものなんですね。「居て当たり前」なんです。
そして、人に頼るばかりではなく、自分で考え自分で突破口を見つけ自分で動く力をつける必要がこの姉妹にはあるわけです。
人間って、何様なんだ?って考えさせられてしまう作品でした。
あと物の怪のビジュアルが私はすごい惹かれます。
見た目だけでは、「一体何をする物の怪なの?」って思うような、人の感覚からかけ離れた姿かたち。
あんな不思議な存在が、見えないのだけれどそこにいると思うと、なんだかいとおしくなって、私たちが「生かして戴いている」自然などの様々なものと真摯に向き合わなくてはと思いますね。
面白い作品だと思います。