あらすじ
日頃何気なく使っていても意外に知らないことばかり。日本語にまつわる珍問・奇問・難問に言葉の達人がお答えします。ニホンとニッポン、どちらが正しい? 形容動詞はなぜ冷遇されるの? 当て字の歴史は? 日本製の漢字(国字)の数は? 日本語の音はいくつ? あらゆる文献を渉猟し国語学者も顔負けの博覧強記ぶりを発揮、著者一流のユーモアも駆使した日本語読本の決定版登場。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
新聞に寄せられた日本語に関する質問に、井上さんらが答えた連載をまとめた本のようだ。
他にも大野晋さんも回答者であった由。
日本語人生活も何十年もしていると、ここに取り上げられている質問も、殆どが既にどこかで見聞きしたもの。
さすが井上さん、という風情の、ユーモア溢れるものもある。
が、一番面白かったのは、実はあとがきの鼎談。
大野晋、丸谷才一、そして井上ひさしの鼎談という、今となっては贅沢極まりないメンバー。
そして、いきなり、「井上さん、本居宣長は演劇にしないの?」とくる。
田舎の頭でっかちな神主の真淵と、若い頃は女遊びもした俊英宣長。
ちょっと宣長観が変わった。
井上さんは衣装にお金がかかりそうだの、自分が宣長をあまり読まなかったことを理由に舞台化を見送ったと言っていたけれど、俄然見てみたくなる。
Posted by ブクログ
押しつけがましいところがほとんど無い。「ことば」というものに真剣に向かい合いながらも、分かりやすく、柔らかく諭すように書かれている。
「このように考えたらいかがですか?」のように書いてある。
強いていえば、「こういう日本語の使い方は間違っている」、「こうするのが正しい!」というような部分があっても良かったのではないかと感じる。
まあ、そのあたりは日本語学の大家である大野晋先生に任せたのかもしれない。
Posted by ブクログ
同シリーズの雑学要素たっぷりで勉強にもなる大野晋版と読み合せると、この井上版はどちらかというと読み物として面白い。
残念なことにエッセイとして良くできているので書かれてあることがそのまま馬耳東風になってしまい、知識として定着しないところ。
一答ごとに膨大な資料を使って、一文字あたりかなりの金額になっていそうなものだが、どこかその偏執的な書物収集癖を正当化しているようでもあり。
とりあえず井上ひさしの国語関連ものエッセイはこれで打ち止め。
Posted by ブクログ
日本語に関する質問に答えるかたちで書かれているもの。もともと週刊朝日で掲載されていたものをまとめたもののようですが、詳しいことは書かれていないのでその経緯はよくわかりません。
ことばの意味から形容動詞の捉え方。慣用句を訳すにはどうすればいいか?など質問は多岐に渡ります。
普通に使ってしまっていたけど、その日本語は変だったのか、と気がつかされたり。言われてみれば・・・と改めて考えさせられたり。私ならば・・・と読みながら反論してみたり。もう少し大事にことばを使っていかなければ、と思わせてくれます。
あと、個人的には「」の中の句読点(文末の。)の話が以前から気になっていたので解決できてよかったです。