あらすじ
これは、世に出してはいけない作品なのか?
人気作家・時任晶子の最期の作品。そのラストを巡る疑惑と真相とは――。
大学で創作ゼミを受け持つ作家・時任晶子が死んだ。
卒業後、恩師の死をきっかけに 再び「書くこと」に向き合う教え子五人。
一方、 時任の最後の作品のラストにはある疑惑が……。
「書く人」「作る人」「届ける人」、そして「読む人」すべてに届いてほしい。
ほしおさなえ、キャリア30年の到達点!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
活版印刷三日月堂以来の作家さん。
活版の文体が好きになれず、それ以降読んでなかったけど内容と表紙に惹かれて購入。
本を読むのと書くのはこんなにも違うのかと思った。
また同じ読むでも、自分とはこんなにも読み方が違うのかとびっくりした。
私は作者の意図や行間を読むとかは得意ではなく、単純に物語を楽しく読むだけなんだけど、本作に出てくる人たちは皆「書く」ことを生業としていきたい人や書かずにはいられない人たちの話なので、まぁ読み方や感性が深い。
なるほどなーと思いながら、それぞれ個性があり小説についてのスタンスも違って面白かった。
ハッとする文章もいくつかあって読んで良かった。
Posted by ブクログ
「活版印刷三日月堂」や「銀河ホテルの居候」が好きなのでこの本を読むのも楽しみにしていたけど、ちょっと難しかった。
小説を書く人には刺さるのかも。
Posted by ブクログ
小説家でもあるゼミの先生が亡くなった。創作ゼミの面々は、読む人でもあり書く人でもある。自分にとって、書くとは何なのか。人それぞれ違う書くことへの向き合い方や苦しみ。それを包んでくれるのまた、あの物語の出会いに遡るのだった。
Posted by ブクログ
読者の私が知っている、ほしおさなえさんの作品(活版印刷シリーズなど)とはイメージが違った作品でした。
ファンタジー小説で有名な作家であり、大学の創作のゼミの先生でもある時任晶子の死から物語は始まります。
通夜、葬儀、一周忌、三回忌、七回忌と順に、ゼミ生が語り手となった文章が綴られていきます。
2018年からの6年間、コロナ禍や世界で戦争が始まり、ネットも当たり前になり、大きく世界が動いたように思います。それ以前に生きた時任先生と、その渦中も今も生きているゼミ生達が、書くことで繋がっていると感じました。
ものすごいスピードで日々が流されていく今、「表現することの意味」と「創作することにどんな意味があるのか」を、問いかけているとも感じられました。
過去に想いを馳せ、未来を見据えていくことができるという「書く」ということのすごさも感じました。
最後は時任先生の遺作の謎も明かされ、すっきりと読み終えることができました。
〈目次〉
一話 暗い海に言葉を放す
二話 真夜中に橋を渡る
三話 だだっ広い岸辺を歩く
四話 魚の目で空を見る
五話 見に見えない花を描く