【感想・ネタバレ】ノスタルジアのレビュー

あらすじ

書けなくなった作家の女と、5年前に消えた最愛の人。そして、殺人事件の加害者を家族にもつ青年。孤独な魂が惹かれあうとき、この世ならざる景色が見える――。直木賞作家の新境地!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

島本理生さんの作品、最近続けて読んでいます。

書けなくなった作家の女性と、犯罪加害者を母に持つ青年。
ふたりが引き寄せられるように同じ家で暮らし始めるところから、この物語は動き出します。

ふたりが抱えているのは、誰にも話せなかった傷。恋、というより救済。
救済、というよりもっと切実な何か…。

お互いを大切に思っているのにすれ違ってしまう場面が多々あって、読んでいてすごく苦しかったです。
大切だからこそ言葉にできなくて、それがのちの後悔につながっていく。
その様子を俯瞰しながら読むのが、またしんどくて。

非現実的な場面もたくさんあって、感想をうまく言葉にできない部分もあるのですが、それでもずっと頭に残っている一文があります。

「いつだって大事な時間は短くて、過ぎ去ってから、言い忘れた言葉に気付くのだ。」

これ、刺さらない人いるの⁉︎ってくらい共感しました。
短い一文なのに、人が後悔する理由のすべてが詰まってる気がして。読み終えたらぼーっとしてしまいました。

最後に「ノスタルジア」というタイトルの意味がじんわりわかる、そのときの感覚をぜひ体験してほしい一冊です。

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2026年05月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

愛していた人と離れてから小説が書けなくなってしまった40代の女性が、犯罪加害者の母を持つ1人の青年と同居をし、お互いがこれまで抱えてきた傷口と向き合っていく話。

島本さん新作!
珍しく女性が年上設定で驚き。
島本さん自身、小説を書けない時期があったと仰っていたので、年齢も含め設定が島本さんっぽいな~と思った。
主人公女性の、強さと弱さや依存と拒絶の共存や、学生時代の不安定な家庭環境からくる愛着障害みが描かれていたところは共感が出来てとても好きだった。
ただ、個人的に現実味のある物語が好きなので、SF要素はちょっと微妙だったかな。(完全に好みの問題)

これまでも、あられもない祈りとか、イノセントとか、匿名者のためのスピカとか、島本先生の描く作品は、なんとなく愛することと祈ること(何かを信じること)を似たようなものとして捉えているように感じていたけど、今作でもそれを感じた。

あと、主人公の女性の気持ちが上手く掴めなくて、昔の自分みたいだと思った。
勝手に与えたくせに、その分のお返しがないと拒絶をしてしまうところ。合わないと思った人とは対話をすることも嫌になってしまうところ。相手の気持ちをきちんと確認せず想像でアレコレ考えてしまうところ。相手に求める割に、気持ちが大きくないときは全く愛を与えなくなるところ。
その姿は紛れもなく過去の自分だった。

対して、素直に愛を受け取ったり与えたりできる創は、直近の私みたいだった。
そこに辿り着くまでに、私は紗文のような態度で多くの人を傷付けた、と思う。
だからナチュラルにそれができる創を心の底からすごいなと感じたし、創の家庭環境がもし実在したら、こういう立ち振舞いが出来る人っているのかなとか考えた。

「愛とは、なにか、一瞬の点滅のような、常に失われていく、ノスタルジアみたいなものかもしれません」
島本さんの紡ぐ美しい言葉を沢山浴びられた一冊。私が40になったときにまた読み返したい。

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2026年05月05日

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