【感想・ネタバレ】ノスタルジアのレビュー

あらすじ

書けなくなった作家の女と、5年前に消えた最愛の人。そして、殺人事件の加害者を家族にもつ青年。孤独な魂が惹かれあうとき、この世ならざる景色が見える――。直木賞作家の新境地!

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Posted by ブクログ

とてもとても好きな空気感の本だった
幸せな人たちの話ではないのに、読んでる間この空気感の中にいられることが居心地良かった

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2026年07月09日

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久々に没入体験ができた
過去の人を何度も何度も反芻しながらも、目の前の人との不確かな関係性を続けて、ファンタジックなシーンもあり浮遊感があるというか、不思議な時間の流れ方をしていた気がする

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2026年07月02日

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個人的には「島本さんらしさ」をとても感じた一冊だった
「ナラタージュ」の主人公が少し年月を経て、大人の女性になった感じ、、って表現していいのだろうか、

島本さんの描く女性はいつも心の中に強い葛藤を抱えている。
けれど前へ進むことを恐れない、それが自分の意思なのであれば、、
たとえ自分が傷つく結果になったとしても、それを受け入れる覚悟と勇気を持っている、、 
そんな島本さんの描く女性にいつも心惹かれてしまう。
心が揺さぶられてしまう。

今回は生まれ持って来た家族の問題から逃れられない沙文が主人公だ、
いつも通り一人称で進む物語にはきっと島本さん自身が憑依しているのだろう、
きっと島本さん自身が抱えた悩みを沙文に託しているように感じた

心の痛みが分かるから、人に優しくなれる、思いやりの心が持てる
いつもにも増して島本さんから勇気を頂いた一冊。

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2026年06月24日

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愛は形がないはずなのに、失った時確かになくなったことを実感し、痛みを感じる
二度とない日々を懐かしみ、過去に取り残された主人公へ新たな出会いがもたらす期待、失望、救い。情景描写や感情のゆらぎが細かく美しく表現されていて、心が満たされました...好き

創くんという年下男性との恋愛部分も良かった
お互い詰めすぎない距離感とか
創くんの雑さへの不満とか
期待しすぎない方がいいとこも
恋愛のリアルな部分が程よく描かれていて
ドキドキしたり、寂しくなったり、感情移入した

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2026年06月19日

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時が解決すると見せかけて
人を癒すのは人でしかない。
ほんとうでいられる
未来に怯えなくていいって
すてきだ。

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2026年06月03日

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ネタバレ

犯罪加害者の母を持つ青年と、精神を患い自殺した母を持つ作家の女
2人で暮らすことになり、年齢差を超えてお互い惹かれ合うようになる
2人とも傷つきすぎていて、救われることはないように思われる中、この出会いが奇跡を起こす
単純な恋愛でも同情でもない、2人にしかできない生き方の共鳴が切なく描かれていた
を掴まれた

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2026年07月19日

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不思議な世界をたゆたう。大きなテーマがたくさん出てくるのに、ずっと同じくらいの温度で、でもすごく美しい文章が羅列している。浮世離れした話なのに、なんだかすごく人間らしくて、目を背けたくなった。

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2026年07月04日

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恋人の失踪から小説が書けなくなった主人公と殺人事件の加害者を家族に持つ青年の不思議な同居生活が始まる。
イギリスへの旅が羨ましい。海外にここ数年ずっと行ってないし、いつか行きたいな。
過去の人との苦しい出来事は新しい人との出会いでしか救われないのかな。誰かに必要とされている実感って生きる意味になるよね。

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2026年06月07日

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主人公と関わった男性たちの関係性は、理性を働かせるとあり得ないと思ってしまうが、感性で受け取ると一種の心地よさを感じる。
好きとか嫌いとか単純な話ではなく、心の奥から相手を求めるような気持ちは羨ましくもなる。

全体的に現実寄りのファンタジーという印象で、描写が綺麗なのもあり、世界観にどんどん引き込まれながら読んだ。
異常気象?のような現象って、今世と現世の境目なのかなとも感じた。

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2026年06月02日

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つらつら〜っと進んでいく物語
ちょっと死者との世界を行き来するから
混乱する
小説家と無職の青年の話だから
現実味がない感じもある

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2026年06月01日

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壮絶な境遇の2人が惹かれ合い、色々ありながら過去にケリをつけて行く。ある意味、再生の物語。
結構いい。文章もきれい。おすすめします。

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2026年05月29日

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二人が幸せになれますようにと願いながら読んだ。
繊細で美しい文章に、読み終わった後も、しばらく余韻に浸った。

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2026年05月28日

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大切な存在だったAを失ったことから書けなくなった作家の紗文は、週刊誌記者である川名くんを介して知り合った、創という身寄りのない宗教二世の若者を居候させることになった。
創作のヒントになれば、という目論見の下に受け入れたはずが、やがて二人は惹かれ合い恋愛関係となる。
しかし彼との生活はどこか浮世離れしていて、ふとした瞬間、並行世界に落ちるように紗文は不思議な事象にでくわしてゆく——。

久しぶりに一文一文をじっくり丁寧に読んでいる自分がいて、私がいま読みたい本だったのだと気づいた。
島本理生が書くものには、はっとさせられるような物事への触れ方があって、本作からも、きっと今後何度も脳裏を過ることになるだろう言葉を得ることができた。
また、著者にしてはめずらしくマジックリアリズムの手法が採られていた。最終的に死者との邂逅を通じて過去に別れを告げ、目の前にいる人と視線を合わせ、あらたに歩きだそうとする登場人物たちの姿には、静かだけど確かな生命のきらめきが感じられた。

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2026年05月25日

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ずっと夢の中を歩いているようだった。こういう恋愛物は好き。

ーいつだって大事な時間は短くて、過ぎ去ってから、言い忘れた言葉に気付くのだー



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2026年07月21日

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愛する人がいなくなり書けなくなった作家の紗文と、殺人事件の加害者の息子である創が出会い惹かれる愛の物語。

現実にふっと紛れ込む並行世界に、静かな幻想感を味える1冊。

加害者家族である創がそれを理由に理不尽な目にあいながらも、年齢やステイタス・損得に左右されずに相手を見られるピュアさが、物語感を増している気がした。

紗文と創、二人が惹かれるのは、同じ痛みを抱えているがゆえに相手の欲するものを無意識に与えることができるからなのかもしれない。

「愛する」と一言にしても、何を愛と捉えるのか、愛情表現も愛する人に望むことも人によって違う。
お互いの熱量の差や、タイミングもある。

一瞬で過去のものになってしまう「愛」の儚さと、愛したがゆえに残ってしまう後悔や痛み、どちらも感じた作品だった。

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2026年07月18日

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書けなくなった作家の紗文と犯罪加害者の母を持つ創。年齢の離れたひょんなことから一緒に暮らすことになり、互いに惹かれ合うように。
二人とも壮絶な過去があるのに、それをさらりと語って一緒にいられるというのが、物語の中とはいえ単純にすごいなと思ってしまった。
途中、現実と空想を行ったり来たりするのもあって、どこかフワフワした気持ちで読み進めた。
個人的には創のピュアさが好きで、ずっとこのままでいて欲しいと思った。

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2026年07月14日

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島本理生さんらしい世界観の話だった。
人生でたった1人だけ本当に心から愛した人がなくなってしまった喪失感。
創と出会うことによって今までの気持ちや思いを生理して、新しい自分の人生を進んで行こうとする主人公の気持ちが見事に描かれていた。
題名にもなっているノスタルジアの意味が読み終わった後にわかった。
誰しも人生で一度は自分の全てを賭けて好きになったことがある、それはとても幸せで奇跡みたいなことなんだと思った。

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2026年07月09日

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殺人罪で判決を受け自殺した母を持つ創

小説を書けなくなった紗文

創が勤めていた会社に母のこと知られ会社に入れなくなり紗文とも繋がりがあった記者の川合くんから創がこちらにくると言われ住む場所を提供した

一緒に暮らして行くうちに次第に距離が縮み恋人となる

そして紗文は忘れられない恋人が最後に行ったイギリスに旅行に出ることにし創も一緒に行く

その時海辺で2人が別に会った人

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2026年07月08日

Posted by ブクログ

久しぶりの島本理生さんは難解だった。

書けなくなった作家 紗文と、殺人事件の加害者を母にもつ青年 創。2人の人生が交差することで、不思議な現象が起き始める。

紗文と創がこれまで歩んできた道が、複雑で険しすぎて、気持ちを寄り添って読み進めることが難しかった。心の内を描写するのではなく、事象に合わせて読者が汲みとる必要があるので、集中して読まなくては取り残されてしまう。空き時間に少しずつ読んでいた私は見事に取り残されてしまった。

不可思議な体験がもたらしたラストに、希望の光が感じられてよかった。島本文学の新境地との評判だが、私の想像力では現実味が乏しくて、いっそ映像化して欲しいと思った。

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2026年07月08日

Posted by ブクログ

純文とエンタメの間でメタファーと読みやすさが一緒にある。

島本理生作品の男女って「いなそうでギリいそう」な人たちが多いなと思ってたんだけど、
この作品は「いやこんな男おらんやろ」ばっかり頭にちらついて時々我に帰ってしまった。
スーパーナチュラルな描写は全然気にならないのに創の描写が(荒んだ環境で育ったこの教養ばり高の英語ペラ男なんなんだ?)で非現実すぎるというか…これも偏見なのか…

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2026年06月28日

Posted by ブクログ

最愛の人と別れ、小説を書けなくなった作家の沙文。
殺人事件の加害者の息子・創。
2人の痛みと喪失が重なり合ったとき、不思議な現象が起き、それぞれ分岐点に立たされる…。
私の集中力が散漫だったのかもしれませんが、突然現実なのか並行世界なのかわからない描写があり、やや理解に苦しみました。読み進めていくと、あえてそういう描き方をされているのだなと理解しましたが、作品の世界観に入り込んだ瞬間に現実に引き戻されるようで、作品に浸ることができなかった。
ただ、表現の美しさはさすがの島本さんです。
自分も大きな喪失を経験したときには響きそうな作品なので、改めて読み返したいと思います。

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2026年06月20日

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途中で現実離れした展開になったときに一気に冷めてしまったが、要所要所で心に刺さる文があり、読み終わったときには満足感のある本だった。

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2026年06月18日

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《人は、簡単には過去を手放せない》

楽しみにしていた島本理生さんの新刊✧*。

書けない作家の女と、5年前に消えた年上の男。そして、犯罪加害者を母に持つ青年。
孤独な魂が惹かれあう時、この世ならざる景色が見える──。

こちら、何を書いてもネタバレになりそうな気がするので感想は少しだけ。

全体的に静かな死の気配が漂う作品だった。

島本さんの文章は相変わらず美しくて素敵だし、島本作品に出てくる男性ってやっぱり魅力的…!
私は紗文と歳が近いから、しっかりしているようで甘え上手な創がツボだった- ̗̀ ෆ( ˶'ᵕ'˶)ෆ ̖́-

過去を乗り越えて自分の人生を生きていくには、どこかで自分の中に区切りを作る必要があるのかもしれないと思った。
作中で起こることは現実には起こり得ない。
だからこそ、この物語は「そうであってほしい」という人の願いであり、救済なのかもしれない。

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2026年06月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読みやすい。
途中、現実から離脱するところはついて行けなかった。
虐待や宗教の話しかと思ったがあまり関係なく、
読後はさわやかだった。

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2026年06月09日

Posted by ブクログ

人と人との関係や記憶がその人の人生を縛る力になるか支える力になるか。
対話を補完させて呪いを解き、祝う。
祝福と呪詛。言葉や思いには現実を動かす力がある

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2026年06月08日

Posted by ブクログ

「戻れない過去」と「消えない記憶」。
過去は変わらず、今も心に残り続ける。

個人的には、幻想的な描写が少し合わず、物語に入り込みきれなかった。

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2026年06月08日

Posted by ブクログ

 それぞれに想像を絶するような過去を抱えて生きる、紗文と創の物語は人間ドラマとしても描けそうなところを、ここではタイトルに込められた意味合いもあって恋愛ものにしたことで、読み終えた後に抱く感慨がまた違ったものになってくるのではないかと、私には感じられた。

 並行世界というSF要素まで盛り込んで伝えたかったのは、私のようなものでも幸せを感じることができる時が来るのだろうかという、そんな切実な願いを様々な可能性と照らし合わせたかった意図を感じさせられた分、どこか非現実的でリアルさの薄い感覚が増したのは気になるところ。

 例えば、母親が殺人事件の加害者であった創の心境を理解できるかと聞かれると、おそらく当事者でなければ理解することなんてできないだろうと思う一方で、もしかしたら、こういうものなのかもしれないといった心境にさせられる可能性だってあるのかもしれないところを、本書ではよく分からなかったというのが正直なところではあるものの、その文面からはあまり感情的にならず何とか理性的に希望を見出そうとする、島本理生さんの人柄を思わせるものが垣間見えた点に好感を持つことができた。

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2026年06月06日

Posted by ブクログ

1.2位を争うくらい好きな作家さんだったんだけどな…最近は何もハマらないというかピンと来ない。私が年をとってしまったのか、夢を見なくなってしまったのか。や、でも同世代だしな、唯一わかるってなったのはポメラートのジュエリーの箇所かな、ポメラート集めだしてます笑。
なんかずっとふわふわしててよく分からなかった。昔は島本理生さんの紡ぐ物語すごくわかったのに、自分のことのように思えたのにな…なんか寂しい

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2026年06月03日

Posted by ブクログ

大人なラブストーリー…かと思いきや、途中からちょっとファンタジー味が出てくる。途中はまあまあ良いのだけど、終盤のファンタジー色がちょっと何とも…だった。でもそこまではとても面白かった。大事な人を喪失したことのある、訳あり男女。創くんがめちゃ良い子で、こんな子がアラフォー女性を好きになってくれるなんて、ものすごく都合の良い話ではあるが、夢があっていいと思うw

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2026年05月24日

Posted by ブクログ

5年間筆を置いた女性作家と、その原因となった消えた年上の男。そして、犯罪加害者を母に持つ青年。三者の物語を通じて本作は、苦しい生い立ちを背負った人間がいかに「今」を生きるか、孤独な魂たちがどのように愛し合うかを静かに描き出している。
どのシーンにも、どこか孤独の気配が漂っていた。小さな幸せをたしかに感じているはずなのに、それがいつ消えてしまうかに怯えている——そんな登場人物たちの姿が印象的な作品だった。

なかでも特に心に残った一節がある。年上の男から仕事への理解を示す言葉をかけられた主人公が、その幸福をこう語る場面だ。

「大事な相手に理解されているという幸福感は、ゴミの散らかった朝の路上や、日差しを伝う古い電線、通勤のために押し合いながら急ぐ人たちの背中さえも、美しく輝かせた。世界の無数の細部に心が揺さぶられ、想像力はどこまでも果てしなく広がっていった。」

こんな言葉を胸に描くほど愛していた男を失った主人公に、「今を生きること」を教えてくれたのは、自らも今を生きようともがく青年だった。

人は人によって救われる。それはとてもシンプルなことだけれど、同時にひどく難しいことでもある。その単純にして深い真実を、この本はそっと教えてくれた。

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2026年05月21日

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