【感想・ネタバレ】八月六日上々天氣のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

再読。投下の瞬間を詳しく描かないことで、かえって大きな喪失が迫ってきます。
史郎が原爆投下で喪われ、市岡先生も実は鹿屋「に」ではなく鹿屋「を」立つだったんじゃないかと思ったりします。どちらも、最期に珠紀に会いにきたのだと。
出来るだけキラキラとした日常を送っていても、戦争の影はひたひたと迫ってきて、終戦近くにもなると空襲という牙を剥いてくる。
どちらが先とかではなく、こうの史代さんの「この世界の片隅に」とも似ている物語世界だと思いました。空襲の描写、長野さんも色遣いが特徴的でしたし。
珠紀はきっと広島市といっても海側の中心部からは離れた内陸部にいて、すずがいるのは呉。原爆投下は光と振動だけで、、
焼夷弾、油が降ってくるのは薄っすら存じていましたが改めて怖い兵器です。白く烟るように降る雨の如き激しさで。。

長野さんのあとがきでいつも長野さんのお父さまのことを考え…母方の祖父の弟の事も思い出してしまいます。叔父は8月9日に長崎にいました。幸いなことに生きて帰ってきたのでそれから長生きしてました。もしかしたら叔父も、何も語れず(語らず)いたのかなと思います。叔父一家だけかなり離れたところで暮らしていたのでほぼ会ったことがなく、そんな話する機会もありませんでした。
こうやって、先の大戦は遠くなりましたが、こういう作品を読んで反戦を染み込ませていくのは続けていきたいです。

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2022年11月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

夏なので夏っぽい長野まゆみ作品を再読しようキャンペーンそのご。今他に読みかけが2冊ほどあるけど、これは日を選んで読んだよ。

久々すぎてほとんど話憶えてなかったんやけど、改めて読んだらめっちゃおもしろかった。こういう時期のこんな日常がこんなに語られるのってあんまりないんじゃないのか?いや戦争モノ好きじゃないけんあんまり読まんくて知らんけど。
一番衝撃やったのは、特攻隊員進発の記事が女性たちに嘆きや悲しみ以上の興奮を与えたっていうところ。興奮てどういう興奮なんやろか。こんなの語られることないんやろうけど、戦争ってわたしらに知らされん一面が絶対あったはずよ。

6日の描写もあっさりしているようですごくドラマチックで素敵ですよ。それから、夫も史郎も会いにきてくれる珠紀はみんなに愛されているなあと思う。
でも、史郎せつないのうーーー

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2016年08月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読むのはこの日にしようと決めていました。
珠貴、従弟の史郎、市岡先生


>市岡先生
「この戦争は航空戦だ。飛ぶ機体がなくなれば、そのときがおしまいです。機体も飛行士も消耗するばかりで、いずれ足りなくなる。」

「たまき」なのか「まき」なのかちょっと混乱。
見まちがいかな?と目をこすってみた。
なんどか読み返してみると、どうやら友達の敦子ちゃんだけが
「まきちゃん」と呼んでいるらしいことが判明。

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2013年08月08日

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