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Posted by ブクログ
休眠やTRANを重ね知恵を使って出し抜き合いながら生き長らえた登場人物達が、物語の終息とともにあっけなく命を落としていく。救いようの無い結末なのか、残酷な運命を背負わされた一時代の終わりなのかと言われれば、後者だと捉えたいなと思いました。各々の欲望に駆られて複雑に絡み合った種族間のカーストが、上位者達の死によりリセットされる兆しというのが、最後のHARASSの子の誕生に表現されているのかなと。聡明で立派なHARASSの子が、シュイ達の生きた世界とは異なる新世界を築いてくれる事を期待したいな。
Posted by ブクログ
2011.2.26.
読み終わって、まず思ったのが、シュイとイオは死んだの?死んでないの?ということだった。しかし、しばらく考えて、これは記憶の物語なのだと思い直した。ラシートの女が受け継ぐ、記憶。何世代にもわたって、個体が何度代替わりしても受け継ぎ続けている種族の記憶だ。ソレンセンからイオへ、そして多分イオの子供へと、それは受け継がれたのだ。ゼルと、ゼルから発するパルス、そしてHALASSの男とのアンフュージョンを鍵として。
この物語の中で、個人としての記憶は何度も失われる。しかし種族の記憶は失われない。そして維持していくべきなのは、種族の記憶のほうなのだ。1stを読んだ時に、ここにはイオしかいないようだと感じたが、それもそのはずで、これはすべて、イオの、つまりラシートの女の記憶であったのだ。
2011.3.20.
理解を深めるため、一度読み通したすぐ後に、もう一度読み返してみた。
細かい部分では、そういうことかと納得する部分もあったが、登場人物の記憶はあいまいで、それに呼応するように地の文もあいまいで、辻褄など元から合わない物語なのだ、という認識に至ったというのが実際のところだ。
Posted by ブクログ
1〜5までの感想。
何十年ぶりかで再読。メモしながら読んで、なんとなーく理解した。かも。
以前読んだのは単行本だったので、文庫のあとがきに、植物の性別シフトの擬人化、と書いてあって少し納得…。ちょっと読み方が変わる…
人格も入れ替わり、記憶にも意味がなくて、なんのために生きているのかよくわからない。そんな中で、なぜかソレンセンを敬慕し続けるシュイがつらい。あれはもう、最初に出会ってしまったから…みたいなことなのか??
「生きていた何の形跡も遺さずに消滅したい」というシュイの希みは、昔読んだときには激しく同意したし甘美なものに思えた。今もできることならそうしたいと思う。
でも、テレビジョン・シティとはまた違ったラストで、これは救いなのか?シュイの希みは叶ったような?どうなんだろう…
今もむかしも好きなのはレト。けなげ…
そして今読むと、エヴァがなんだか愛しく思える。