あらすじ
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大陸の涯での山地から運ばれて来た石は瑠璃色、それはやがて砕かれ、「群青」になるという。その鉱石が欲しくて、夜更けの波止場をさまよう灯影と垂氷の前に、丸眼鏡の妙な麺麭屋が現れた…。長野ワールド、夢の傑作短篇集。
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Posted by ブクログ
前半は、かわいくて幻想的な短編集。
『少年アリス』にも出てきた銀の実、
夜の波止場に現れる不思議な麵麭屋さん、
海辺へ繋がる扉、月光で孵化する卵、
焼け具合が一番いいひまわりパンを食べにくる猫たち、
不思議な街の不思議なスイーツ、夜半の独り歩き。
後半にあたる『銀色と黒蜜糖』は、
『野ばら』の“亜種”で、煌めきはあるがすこし仄暗い印象。
月彦の閉じた夢の中で、操り、操られる、銀色と黒蜜糖。
生ハムや白身魚のパテをはさんだ三日月麵麭、
サフランで黄金色に染めた砂糖をクリーム状にして、
カステラをくるんだ月の菓子、
ひまわりの種入りパン、楓のシロップ、
ココ椰子ミルクに沈む色とりどりのジュレ、
揚げたアイスクリーム、キャラメルのシロップ、、、
以前読んだ『カルトローレ』も
おいしそうなものがたくさん出てきましたが、
こちらも間違いなくおなかがすく本ランキングに入ります。笑