あらすじ
平成3年、神奈川県で発生した2児同時誘拐事件から30年。
当時警察担当だった新聞記者の門田は、旧知の刑事の死をきっかけに被害男児の「現在」を知る。
未解決のまま異様な展開をたどった事件の真実を追ってきた刑事たちの求めから、門田は再び30年前の事件と向き合うのだった。
そして取材を重ねていくなか、ある写実画家の存在が浮かび上がる――。
第9回渡辺淳一文学賞受賞、2024年度本屋大賞第3位、
「本の雑誌」が選ぶ2023年度ベスト10第1位!
質感なき時代に「実」を見つめる著者渾身の長編小説が遂に文庫化。2027年映画化決定!!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
3年の空白期間があったからこそ生きてこられた。
4歳で誘拐された少年が7歳になって戻ってきた。未解決の誘拐事件、事件を担当していた親友である刑事が亡くなったことをきっかけに真実を追い始める記者。誘拐された少年の高校時代の友達。
当事者にしか分からない悲しみや葛藤、そして喜びや幸福。確かにそこに存在していて、そして永遠に完成することの無い、完成させることなど出来ない3年間の家族の形に涙。
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推理小説と思って読み始めたら、
いい意味で裏切られた。
3人の「家族」の別れの場面では、
電車の中だけど、涙を堪えることができなかった。
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『映画化』の帯に惹かれて購入。終盤のたたみかけが圧巻。
これ、どこをどう切り取って2時間くらいの映画にするんだろう?変な端折り方されないといいな…と、いうのは映画監督が解説書いてるくらいだから杞憂なんだろうね
とにかく未発表のキャストが気になるなぁ
Posted by ブクログ
2回泣きました。
大学受かった絵を描いてプレゼントする場面と最後。
何回も読み返したい素晴らしい小説。
映画も観に行こうと思います。
犯罪だと思われたことが犯罪ではなくただの愛!
今まで読んだ中でも1.2を争うくらい好きな話。
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亮と貴彦・優美の別れは、泣いてしまった。
特に優美が亮と生きる中で、血の繋がりとか関係なく、大切に愛情深く育てる姿が描かれていたからこそ、つらかった。
結局、優美と貴彦は、亮と別れたあとは辛い日々を送っていたようで。優美はまだ最後に亮といることがわかって嬉しかったけど、貴彦に関しては行方知らず。
かといって、亮を数年間育てたことが過ちだったかというときっとそんなことはない。
亮はあの二人が危険を冒してでも大切に育ててくれたことを糧に、画家としても人間としても素晴らしいひととなった。
いつかまた、貴彦も含めて3人で暮らせる日を願わずにはいられない。
いくつか疑問に思ってること。
亮の母の瞳は、実は亮を愛しているのに、うまく向き合うことができず、亮をより良い環境に送り込むために誘拐事件を企てた?
手紙を大事に持っているあたりが謎だった。
そして雅彦たちにあんな壮大な誘拐事件を考えられる力量があったのか?ここが少し腑に落ちない。
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抗えない運命の中で、今を懸命に暮らす。そこに希望はあるかもしれないし無いかもしれない。1人の男の子を預かった夫婦。人生の歯車が大きく狂ったが、悪いことだらけではなかった。そして、その男の子も。虐待と犯罪のダークな部分に優しさに包まれた光があるそんな小説だった。子供の純情な心に感動したし、実子のように育てた子に近い将来必ず来る別れが苦しかった。体裁とか自己満とかそんなの関係なく心からの優しさがどれほど大事で、そして人を結ぶのか学んだ。
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犯人が捕まらないまま時効となった、同時誘拐事件の謎を追う物語。
空白の3年の真実を知った時、切なすぎて涙が止まりませんでした。
「、、、わざわざいったり触ったりしなくても、なんでも自分の思い通りになると勘違いする人が増えると思うんだ。だからこそ『存在』が大事なんだ。世界から『存在』が失われていくとき、必ず写実の絵が求められる。それは絵の話だけじゃなくて、考え方、生き方の問題だから」
色んな情報が溢れる時代になって、自分が見た事実、肌で感じたこと、一次情報の大切さが込められた言葉に感じました。。色んな情報がある中で本質、真実を見極められる力。「存在」を見抜く力が大切なんだと、真実を突き詰めた門田の様子や新聞の情報などではなく直接生みの親を見に行って亮を育てると決心した野本からも感じました。
読んでよかったです。
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これは、面白い。30年前の未解決誘拐事件を発端に、重厚な社会派ミステリーで、当時関わった人物の詳しい描写や、終焉に向けて、だんだんとストーリーが明かされていく展開に興奮し目が離せなかった。厚い本なので時間をかけて読んだが、読後感が最高に良かった。
マスコミ、警察、画家、家族それぞれの思惑が交差し、登場人物に感情移入させられる。
社会派ミステリーのお手本。褒めすぎか(笑)。それほど自分は好きだった。
来年映画化されるそうだが、誰がどの人物を演じるかとか、とても楽しみだ。
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骨太かつ重厚に織りなされた長編で550ページ超を一気に読んだ。塩田武士は本当にうまいなと思う。過去の事件の描写をプロローグにするのは塩田スタイルなんだけど、今回もそこから物語は始まり、誘拐事件を皮切りに、捜査員、新聞記者とミステリとして物語は展開していく。点と点が繋がっていきそれが線になり、立体的になっていく展開に引き込まれる。
この話は「八日目の蝉」や「流浪の月」を思い出させられるようなテーマなんだけど、当事者が語ると言うスタイルではなく、周囲の人間が断片から復元していくと言うスタイルで、そこに新聞記者を使っているのが塩田武士らしい。既視感を覚えるようなテーマなのに新鮮な面白さを作り出していた。
ミステリでありながら高校生の淡い恋や血の繋がりを超えた親子の愛情が描かれていてどちらも心を動かしてくる。特に仮初のはずの親子関係が血縁や時間を超えた何かを結ぶあたりの描写には泣かされた。その他に俺が好きだったのは2つの成人男性同士の友情が描かれていて、それは新聞記者の主人公と刑事、画家と画商なんだけど、この人間関係もすごく良かった。重厚だって言ったのはそのように幾重もの人間関係が丹念に描かれているところだと思う。
それと俺が好ましいと思うのは、塩田武士は舞台装置としてだけそう設定された人物を極力排除しようとしているのではないかと言うところ。これはどういうことかと言うと、悲劇を描くための悪事を起こすためだけの悪人だったり、悲しみを引き起こすために死ぬためだけに出てくる病人だったり、そういう人物のこと。ともすればネグレクトをしていた誘拐された少年の母はこうなりそうなところを、塩田はページを割いて少しでも彼女の人物像を描こうとしている。その丹念さがすごく好ましい。
なぜかガンプラが出てくるのもガンプラを通ってきた身としてはニヤリとさせられて、これは取材の産物なのか塩田の個人的な趣味なのかは気になるところ。それと、物語の展開にはそりゃちょっと都合良すぎないか?っていうものが2つくらいあったんだけど、まあそれを無視させる以上に物語に力がありそこまで気にならなかった。ひとつ希望を言うとするなら、俺としては500ページ以上かけて描いてきた登場人物たちがどうなったのかをエピローグでしっかりと描写してもらうのが好みで、そこは少し物足りなかった。とは言え読み終わった直後のいまはこの物語の余韻にもう少し浸っていたい。とても面白かった。
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新聞記者、刑事、そして写実画家という職業を通して、生きる意味を考えさせられる。感動したけど、中途半端な恋愛要素と最後のどんでん返し的オチは要らなかったんじゃないかなぁ…
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30年前に誘拐された過去をもつ
一人の少年を軸に展開される物語
里穂の最後の言葉が好きだったな
好きな人と結ばれることこそが大切じゃないよなって思えて
なんか、社会派ミステリの様相をしながら
途中凪良ゆう読んでるのかと思っちゃった
Posted by ブクログ
30年前の2児同時誘拐事件の謎を追う社会派ミステリー。
長編ですが徐々に伏線が回収されるので、先が気になって一気読みでした。
写実画や景色の描写も丁寧で読み応えがあり、読み終わってもしばらく余韻が残る絶妙な結末。
今のところ今年一番かも。
Posted by ブクログ
1991年の不思議な誘拐事件、真相が分からないまま30年が経つが、諦めてなかった元刑事たちからの情報を元に記者が真相を突き止めていく。そこには、嘘だけど強く結びついた家族の絆が隠されていた。その複雑な糸を解きほぐす側、秘密を支える側、成長したその子と高校生時代に触れあって想い続けていた側が重なり合う時、真相が明らかになり、かつ再会していたことが描かれて、ラストになる。
読んでいる途中で観た「時には懺悔を」の映画でも、誘拐した子(こちらは重度障害児だけど)を育てて疑似家族になっていたのを暴いていくストーリーなのとシンクロした。
Posted by ブクログ
場所や事件の詳細などが鮮明でホントにあった事件かと錯覚しそうになった。
親子の別れのシーンは泣かずにはいられなかった。
終盤にわかるタイトルの回収もよかったです。
Posted by ブクログ
結構な長編ですが、かなり面白かったです。
終わってほしくない。
でも続きが気になるし面白いから読みたい!ジレンマでした。結局は読み終わりましたが。
作中に登場する写実画というのを鑑賞したことがないので一度みてみたくなりました。そういうのも小説のいい所ですね。自分の知らない世界を知れるという。
Posted by ブクログ
これは映画化されるねと思ったらもうすでになっていた(公開は2027だけど)
この誘拐されたいた3年間が一番の謎で読み進んでいったんだけど、そういうことだったのね。
ちょっと「八日目の蝉」テイストを感じた。
内藤亮にとってはこの3年間は疑似家族だけど、今まで経験したことのない暖かくて幸せな時間だったんだね。
その生活を応援してくれた画廊オーナーの岸朔之介や北海道の不動産の人の支えがあったからこそ。
写実画家の野本貴彦と優実は実の父親、母親以上に亮にとっても父と母だった。
最後に木島家に連れ戻す別れのシーンは涙なくしては読めなかったよ。
でも、この2児同時誘拐事件を執念で追った中澤刑事と新聞記者の門田には頭が下がる。
でも、だからこそこの尊い真実に辿りついたんだね。
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綺麗な話。
とんでもない悪事だとかめちゃくちゃな裏事情があるような救いのない話に惹かれがちで綺麗事はあまり好きじゃないけど、この方の小説は綺麗でもまったく嫌じゃなくてその綺麗さをそのまま受け止められるので好きです。
Posted by ブクログ
ついに読み終わった…。すごく長い時間がかかった…。
2児同時誘拐事件から始まる同作。最初の警察と犯人グループのやり取りは手に汗握った。茂が無事に身代金を目的地に置けたと思いきや、忘れ物として警察に届けられた時はものすごい絶望した。
そこからずっと語り部は警察側なのかと思いきや、野本貴彦や野本優美に変化していく。
特に野本優美視点の話は本当につらかった。別れを告げるシーン、別れのシーンは胸が張り裂けそうで、自然と涙があふれた。血のつながりはなくとも、3人は紛れもなく本当の家族だったから。
亮と里穂が再び出会えたのは嬉しかったけど、それよりも何よりも貴彦と優美がもう『2人』では生きていけなかったことが悲しかった。
優美は亮と再会できたようだけど、貴彦は…。貴彦はどこに行ってしまったのだろう。
願わくば3人でまた再会してほしいけど、もう貴彦と優美は元の関係に戻れないのかもしれない。
心がポキリと折れて、どこかへ行ってしまったのだろうけど、死んではないと思う。それこそ、作品を通して再会してほしい。互いの写実画を、『存在のすべてを』知っているのだから、きっと2人は再会できると私は思う。
Posted by ブクログ
切ないお話だった。
誘拐事件の裏にも色々な事情があって、生みの親よりも育ての親となってしまうのは何とも不憫な感じがした。
亮が育ての親を尊敬してずっと写実画を描いていたところには感動した。
Posted by ブクログ
とても心温まる終わり方でした。少しもやもやが残るところもありましたが、いつまでもと、思いを馳せることができます。長い話でしたが、全ての出来事がつながって、主人公の生涯を深く読み込むことができました。
Posted by ブクログ
誘拐事件の部分、取材の部分、それぞれの町の描写が丁寧で頭の中に浮かんできた。
そこからつながる写実画。それを軸に巡る今までのお話。引き込まれて、写実画見たさに美術館に行きたくなるほど。
欲を言えば、野本兄弟の行く末まで知りたかったかも。
Posted by ブクログ
平成3年、神奈川県で発生した2児同時誘拐事件から30年。当時警察担当だった新聞記者の門田は、旧知の刑事の死をきっかけに被害男児の「現在」を知る。未解決のまま異様な展開をたどった事件の真実を追ってきた刑事たちの求めから、門田は再び30年前の事件と向き合うのだった。そして取材を重ねていくなか、ある写実画家の存在が浮かび上がる――。
両親から虐待やネグレクトを受けていた亮が、誘拐され未解決のまま時効となったが事件から3年後に祖父母の家に突如帰ってきて世間は騒然とする。
自体が収まった後担当刑事の中澤がなくなり、同じく事件を担当していた新聞記者・門田が真実を求め時間が動き出す…
時効後も真実を求め事件を追っていた中澤が持っていた情報をもとに、亮が歩んできた道を門田が真実を求め追う。
ページをめくるほど、亮は誘拐され新しいお父さんとお母さんと過ごせてよかったのではないかと思いました。
誘拐は犯罪だけど、亮の居た環境を考えると新しい両親のもとで笑顔でのびのびと過ごした3年間は短い人生の中で一番良かったのではないかと。
離れることを伝えた時の描写は苦しかったし、家族3人がいつまでも幸せで暮らしていほしいと思ったけど、
長い逃亡生活はそうは続かず。
もう会うことは叶わないと思っていたけど、最後のページで納得。
表面上の事実と真実は違うこと、目に見えることがすべてじゃないということを知りました。
ミステリーというほどここが繋がっていたんだという驚きは多くはなかったけど、スイスイと読めました。
ただ長編のミステリーのため抜けているところがあるかもしれないけど、
貴彦の兄の誘拐した理由が明らかになっていないこと
亮の祖父の行動がわざとらしく誘拐は祖父の指示だったのではと疑ってしまいました。
すべての事実が明らかになっていない感じ(そもそも意味のない勘ぐりかも)が少しもやもやしましたが、読んでよかったです。
Posted by ブクログ
美しいものはありのままできれいで、美しく見せようとすると、何でもないものになってしまう。なんだか現代において思い当たる物事が沢山あるよなぁと思った。
Posted by ブクログ
読み進めるうちに、亮は訳あって野本夫妻が育てることになり、このままじゃだめだと小学生になる頃に祖父母の元へ戻ることになったんだなあ。と事情は想像できたけれど、それでも空白の第9章は涙が止まらなかった。
家族は未完成の絵の中で存在していると実感できたから、貴彦がどうなったかどうかなどオープンエンドのままでいいと思った。
個人的に、亮視点のエピソードも見たかったなと思ったけれど、、、
『水を描こうとするんじゃなくて、実際に目にしているものを丁寧に描いていくといつの間にか水があるように見える』のと同じように、亮の内面を直接説明されるより、亮と関わった人たちの記憶や視線を通して、少しずつ“亮という存在”が浮かび上がってくる構成だった。
、、、ひとつだけ謎
敦之くんはなぜ詐欺事件に加担した?
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鳥肌
点と点がじわじわと繋がってゆくあの感じ
家族の在り方はひとつではなくって
幸せに生きられるためにはこうすべきだったのかもしれないし、しないべきだったのかもしれない。そんなのはもう分からなくって、考えれば考えるほど良い方向を見失ってしまうものなんだと思う。
存在のすべてを、鳥肌だった
Posted by ブクログ
2人の幼児誘拐事件から始まり、1人はすぐ保護されましたが、もう1人は3年後に保護され…
時系列がバラバラで、分かりにくいのはありました
文章も説明文みたいでクドく、読みにくくて纏めると3分の1くらいのページ数になりそうなので、映画化にはピッタリかと思いました
感動する場面もありましたが、共感は出来ないのと、他に方法あったのでは?と思わずにいられませんでした
亮くんが幸せでいてくれると良いな~
Posted by ブクログ
とある誘拐事件を起点として、様々な人と人の絆を描いた長編小説です。存在とは、そして生きる事とは何かを考えさせられました。前半は時間と視点が頻繁に変わるので、話について行くのが大変でしたが、中盤以降は楽しく読み進められました。
Posted by ブクログ
誘拐された男の子が数年後祖父の家に帰ってきた、しっかり躾けられているようだが空白の期間に何があったのか───
あらすじが面白そうだったので読んでみたけど、思っていたのと違った。
サスペンスじゃなくて芸術家の話し。
亮くんと野本夫妻の話は美談だけど私はどうも心が動かず。
長くて途中で飽きてしまいました。