あらすじ
2026年の青春小説はこれに決まり!
大好きなバンドを辞めた。
大好きだから、辞めた。
『死んだ山田と教室』でデビューし、同作で2025年本屋大賞にノミネートされるなど注目を集めた新鋭・金子玲介が贈る、ド直球の青春小説!
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高校生の瑞葉(みずは)がクラスメイトの朝顔(あさがお)に誘われて結成したバンド〈さなぎいぬ〉。
4人の夢は、いつか紅白に出ること。
荒唐無稽に思えたその夢は、朝顔が初めて作ったオリジナル曲「光」を聴いた瞬間、色を変える。
……10年後、26歳の瑞葉は会社でPCを睨みつけていた。
休憩時に目にしたネットニュースで、さなぎいぬの紅白初出場を知る。
心から愛し、だからこそ辞めたバンドが、ついに紅白に出る。
◆◆◆
“あの時”と“今”の光が交差し、私の未来を照らす。
青春小説の最前線!
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
読み始めて暫くの間は、朝顔を崇拝しすぎて他メンバーとギスギスの関係になって辞めるのかなと思った。でも違った。すごい濃度の青春。眩すぎて苦しくなったので気軽には何度も読めないかも。けどずっと手元に残しておきたい一冊になった。
Posted by ブクログ
高校でガールズバンド『さなぎいぬ』を組んだ4人のお話。主人公の瑞葉はベース担当。ボーカルの葵、ドラムの緋由、そしてギターの朝顔。朝顔以外はほぼ初心者のガールズバンドの夢はいつか紅白に出場すること。その夢に向かっていくにつれ、どんなに努力しても自分の限界を感じる瑞葉。自分がいるせいで、さなぎいぬは成功できない。そんな思いから瑞葉はさなぎいぬの脱退を決意する。
とにかく辛くて心がギュッとなる。瑞葉がさなぎいぬを、メンバーを大切に思っているからこそ離れることを決断するのが辛すぎた。大学の後輩でベースの才能がある子に私の代わりにさなぎいぬに入って、というのはどんなに悔しかっただろう。瑞葉がさなぎいぬを辞めずに成功する道はなかったのだろうかと考えちゃう。
でもタイトルの通り、あのとき彼女たちはたしかに輝いていたんだろうなとも思うし、その思い出が今に繋がっているのかと思うとこれで良かったのかなとも思う。
Posted by ブクログ
学生時代に全力を注いだこと、好きだったこと、好きだった人たち。大切な思い出を遠くに追いやってなんとか社会人として働き続けてきた私には、破壊力抜群の物語でした。読んでると鼻がツンとして目が熱くなりました。えぐられる。出てくる音楽も雰囲気もあまりにも私が好きだったものだったので眩しかった…。
あの頃の自分自身と再び出会えたというか、繋がれたというか、当時のことも今日までの選択も許せたような、そんな感じがして、本当に最高でした。力強い全肯定ではなくて、迷いながらも、過去から現在に光が差すような読後感でした。
Posted by ブクログ
バンドをやっていた人に限らず何かに打ち込んでいた人のための本。
また熱が再燃するかもしれないし、きっぱりやめられるかもしれない。
主人公がバンドを辞めてもバンドは進んでいく、新しい心臓を迎えて瑞葉がいた時よりも成長する。
それで良かった、自分の選択は間違って無かったと思うと同時に続けていれば良かったかもとも思う。その葛藤に答えは出ないし、もうさなぎいぬに戻れる事も無い。そこに救いは無い。
その事実をまざまざと突きつけられるが、その時その瞬間、今は確かに光っていたと確信できる。
私は音楽の事は何も分からないが読んでいて引き込まれたし、自分の学生時代に本気でぶつかって本気で諦めた事と重なって後半は泣きながら読んでいました。
Posted by ブクログ
『私たちはたしかに光ってたんだ』は、女子高生4人組バンドの青春と、その後の人生を描いた作品で、特に「才能のある人のそばで、自分の限界を知ってしまう苦しさ」が強く残った。
主人公はバンドのリーダーを心から尊敬していて、大好きで、その才能を信じている。だからこそ、自分が足を引っ張らないように必死に努力する。練習量だけは誰にも負けないくらい頑張るけれど、その努力ゆえに、自分には越えられない才能の壁があることにも気づいてしまう。
印象的だったのは、後輩の天才的なベーシストを見た場面。主人公はその子の演奏そのものだけでなく、リーダーの目が輝いているのを見て、「このバンドは自分ではなく、あの子がいればもっと伸びる」と悟ってしまう。そこでバンドを辞める決断をするのが、とても胸に来た。
でも、それは単なる逃げではなく、やりきったからこそできた決断だった。中途半端な努力ではなく、本気で練習し、本気でバンドに向き合った主人公だからこそ、自分の限界を認めて身を引くことができた。その葛藤がすごく切ない。
大人になった主人公は、公認会計士として働いているけれど、今の仕事に満たされているわけではなく、高校時代の自分が一番輝いていたと感じている。かつて自分がいたバンドは新しいベーシストを迎え、メジャーデビューし、紅白に出るほどの国民的バンドになる。そこに「自分もあそこにいる未来があったのかな」という気持ちが混じるのも、すごくリアルだった。
それでも主人公は、そのバンドを恨んだりはしない。むしろ今でも一番のファンであり続けている。紅白の日にはテレビの前で集中して見守るし、ライブにも行く。昔の初代メンバーたちとも集まり続ける。その関係性がとても良かった。
青春が終わったあと、才能、努力、嫉妬、尊敬、後悔、誇りが全部混ざっていて、未来はどこで変わるかわからないという感覚も残った。
主人公が「才能がない」と気づいたことそのものではなく、才能がないと気づけるほど努力し、やりきったからこそ辞められたというところ。そこに、この物語の一番の痛みと美しさを感じた。
Posted by ブクログ
天才のいる女子バンドにいる凡才。
面白かったです。ストーリーとしては、正直何一つひねりのない王道の「天才に憧れ、追いつきたいあまりついに我が身を焼いてしまう」という流れで、それ以上でも以下でもないという感じです。
が、そのようなテンプレ展開で良かったのだと思います。この作者の持ち味であろう、高校生たちのはじけるようなやりとり、青春や情熱の匂いをむせるほど感じさせる筆致が素晴らしく、陳腐どころかとても心地よく感じました。主人公のこれは、挫折というより、全力でバンドのために捨て石になることを選択した青春だったのかな、など。
「死んだ山田と教室」では、正直そんな展開見たくなかったよという結末でしたが、ほっと安心させてくれる流れなのも個人的に嬉しいところでした。
読みながら、一人の天才の死により終焉を迎えた「赤い公園」を思い出したり、ラストは脳内に「閃光少女」がよぎったり、バンド好きな人ならきっと自分の好きなバンドを投影しながら読むことになると思います。それも含めて面白かった。
Posted by ブクログ
「青天」とは違う青春のかたち。
バンドでプロを目指す、女の子たちの話
輝き続ける仲間と、自分とのギャップに苦しむ話
ざっくりいうとこんな感じだけど。
青春中の学生にも
青春を終えて眩しかった過去を振り返る大人にも
置いてけぼりにされてしまって苦しむ人にも
色々な人に読んでほしい作品。
そして、どの視点からでもなんか「わかるな」「刺さるな」ってのがある気がする。
そして、シャングリラとか天体観測とか
平成を生きた私たちにぐっとくる選曲ばかりで
30代の私は感情移入してしまった。笑
瑞葉の気持ち、めちゃくちゃ切ない。
大好きなバンド、、、自分がいたらここで止まってしまう。
そうゆう感覚あるよね、たまに。
いくら自分が頑張ったとて
どうしようもないんだな。って気付いてしまう瞬間。
好きだからこそ、身を引く感じ。
切ねえぇえー。
でもきっと辞めた瑞葉が腐らなかったから
さなぎいぬも成長を止めなかったのかもしれない。
Posted by ブクログ
会計士の室瑞穂は、高校時代バンドを組んでいた。
でも,やめた。
そのバンドが今年紅白に出場がきまった。
瑞穂はベース担当。
同級生の三浦朝顔から誘われた。彼女はギター&コーラス。
他に顔が可愛い、柏葵はボーカル。
広瀬緋由はドラム。
4人でサイゼリアで、バンド名も決めた。「さなぎいぬ」
目標は、紅白に出ること。
幼少期にバイオリンをやってた朝顔以外は初心者だったけど、朝顔に追いつけとばかりに練習した。
コピーバンドだったけど朝顔がオリジナルソングを作ってきてくれた。めっちゃいい!!すごい!!
必死で朝顔についていった。朝顔の天才的な曲を世に出したい!!その一心で瑞穂は練習した。才能はないけど練習量だけは誰にも負けない。
大学附属高だったのでよかったが、それでも母には勉強もしろと言われたが、それよりベースを弾きたかった。10代の頃しか出れない,群青モーメントというイベントに出たい。1年は2次で落ちた。絶対、ファイナルに残って優勝する!朝顔の曲ために!
翌年、ファイナルに出れたが,優勝はできなかった。
大学に進学したころインディーズデビューした。でもまだまだ。
朝顔と,高校の文化祭を見に行く。それぞれのバンドをみるが、朝顔は帰りたがっていた。ようやく最後のバンド。そこに、すごいベーシストの夢乃がいた。
瑞穂は、
さなぎいぬには、朝顔という天才がいるが、それだけだ。ここから抜き出るにはもう一人天才がいる。
自分が抜けて、この子が入れば・・・
そういう追憶とともに、現在の瑞穂の生活が描かれている。
過去のキラキラした楽しかった時代。今も悪くない。会計士になるのだって、凄く大変なことなんだ。
だから,後悔はしてない。
紅白だって、バンドを組んだ時の夢だった。それがとうとう叶うのだ。
悔しいとか、勿体無いとか,自分も・・とかそんなんじゃない。ただ、なんとなく・・・
もしも,私がこのバンドにいたとしたら、きっと瑞穂だっただろうなと思う。辞め方、考え方が似てる。
ダメなことも共感してしまう。
でも,彼女は潔くて、
もしかして、瑞穂がいてもさなぎいぬは紅白に出たかもしれない。わたしもそこにいたかったのに!
とは,思ってない。深層心理はわからないけど(表面上には出ないから余計にモヤモヤしてるんだろう)
私は思っちゃうだろーな。
紅白終わり、年が明けて3人と一緒に新年会でサイゼリアに行ってるのとか、いいなーって思った。辞めても、たまにでも会える友だちのまま。諍いなく抜けれて良かった。
最後の方、紅白に出たさなぎいぬの「ボトルシップ」という曲の歌詞に泣きそうになりました。ここでこの歌詞はやばい。
そして最後の最後は、瑞穂が辞める最後の曲「光」。これは朝顔が初めて作ったさなぎいぬのオリジナルソング。
弾きながら瑞穂のモノローグがはいる。
歌詞とモノローグが交互に来るこれは、臨場感すごくて、マジで泣いた。
辞めたくない,終わらないで、
その気持ちは、瑞穂のモノローグだけど、多分3人ともそうだったんだろうなと。
ってこの感想書きながらも泣いたぁぁぁ
Posted by ブクログ
楽しいも苦しいも憧れも嫉妬も後悔も…言葉にしきれない、数えきれない色んな感情が全部詰まってました。これが青春なんだ…!!
さなぎいぬの曲(歌詞)、エモくて刺さりまくりでしたし、読後に「光」の歌詞を読み直したら泣けてきて…うまく言葉にできませんが、すごく胸を打たれました。
249ページの、未来にあるかもしれない景色…
私の頭の中にもその景色が浮かびました!
きっと忘れられません。
213ページの黒野さんの「別にいつ光ったっていいし、なんなら光らなくてもいいし、でも人生で一度でも光ったなら、それはもう、それだけで、良い人生」この言葉、いちばん好きです!!
私はあんまりバンド詳しくないので、知らない曲もあったんですけど、金子先生と世代が同じなので、知ってる曲の名前が出てくると「同世代だ!」ってテンションが上がりました(笑)
Posted by ブクログ
P212
「人生って、ずっと光ってる人もいれば、どこかで一瞬だけ光る人もいるのね」
「そりゃみんななるべく多く光りたいはずなんだけど」
「最初の方に光ってあとはあんま光らなかった人と、最初のほうは光らなくてもあとのほうに光った人で、あとのほうに光った人が良い人生みたいな印象になるのは、印象だけの話であって、本質変わらないと思うのね。別にいつ光ったっていいし、なんなら光らなくてもいいし、でも人生で一度でも光ったなら、それはもう、それだけで、良い人生だと思うのね」
どれだけの本でも、それを読んで長年の蟠りが未来永劫霧散して消え去ることなんてない。
けれども、私は確かに少しだけ、過去の光を縋り抱える自分を、救ってもらえたような気がした。
3人は、瑞葉が自分の実力不足を憂いて抜けたことは知ってても、夢乃に後任としてベース入るようお願いしたことは未だに知らないのだろうか。