【感想・ネタバレ】コーヒーと恋愛のレビュー

あらすじ

まだテレビが新しかった頃、お茶の間の人気女優 坂井モエ子43歳はコーヒーを淹れさせればピカイチ。そのコーヒーが縁で演劇に情熱を注ぐベンちゃんと仲睦まじい生活が続くはずが、突然“生活革命”を宣言し若い女優の元へ去ってしまう。悲嘆に暮れるモエ子はコーヒー愛好家の友人に相談……ドタバタ劇が始まる。人間味溢れる人々が織りなす軽妙な恋愛ユーモア小説。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

1963年に刊行されたこの本、自分が生まれる半世紀も前の話なのになぜか共感できるし、登場人物がいい人すぎる。温かい心で本を閉じた。獅子文六、ちゃっかり登場するのかわいくて好き。

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2023年12月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

阪神古書ノ市で友と選書のし合いっこをした際にプレゼントしてもらった本。
古書ノ市楽しかったなぁ!

戦後の昭和が舞台の物語。
昭和らしい独特な言葉回しを最初は読みづらく感じたけれど、だんだんクセになって楽しく読み進める事が出来たし、なんなら脳内で口癖がうつッちまったわ…。

ハイカラでユーモアがたっぷりなお話。
登場人物みんながカラッと明るくてサッパリしているのは時代ならではなのかな?
とんでもないクソ女であるアンナですらカラッとしていて憎めない。良い!

コーヒーとタイトルに入っているだけに、コーヒーの蘊蓄も沢山でコーヒーを飲みたくなる。
昔からあるような古い喫茶店でコーヒーをのみながら読みたいなぁ。
可否道には何度も笑ってしまった。なんやねんコーヒー道の家元て!本人は大真面目なのも憎めなくて良い。


最後の方の展開は「やァ、モエ子女史、ほだされちゃァ、いけないよ…」とハラハラしたけれど大笑いしてスッキリ気持ちの良い締めくくり。

そこまで皆を夢中にさせるモエ子女史のコーヒー、味わってみたいもんだなぁ。


あとがきもユーモアたっぷりで良い。それ、コーヒーによる胃もたれでは…?!
昭和の作品がこんなに読みやすく、面白いだなんて。
自分じゃ絶対に選んでいないタイプの本なので出会えて嬉しい一冊。


実写化しても面白そうだなー、と色々想像しながら読んだ。
ベンちゃんは田中圭さんなんかどうだろう!



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2023年07月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

脇役女優坂井モエ子には8歳下の夫がいる。
コーヒーを入れるのが絶妙にうまい妻と、コーヒーの味がわかる夫。
そんな二人の関係は、ある日夫が放った「コーヒーがマズい」の一言から変わっていく。



書かれた当時のハイカラさが、読んでいる今はノスタルジックに感じて新鮮でした。

勉君がモエ子さんを捨ててアンナと駆け落ちしたときに、二人にざまぁを期待したのは最近の流行りの影響でしょうか(^_^;)

自分が捨てたくせに、モエ子さんの家に入り浸る勉君。
モエ子さんを思っているようで実は、自分の可否道のことしか考えていない菅さん。

最後にモエ子さんが二人を振ったところはすっきりしました。

「男って奴は、どいつもこいつも、コーヒー好きのイヤシンボで、エゴイストで、あたしのコーヒーが目的で、結婚しようなんて、いい出すんだわ。誰が、その手に乗るもんか!」

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2023年02月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

軽妙洒脱ってこういうことかのお手本みたいなスッキリでした。スルスル読めて面白かったです。
モエ子女史、格好良い。落ち込み悩むし、苛々したり舞い上がったりもしたけれど、潔いです。ベンちゃんへの啖呵、スッとしました。こうでなくちゃ!
ベンちゃんとアンナは、仕様が無いナア〜となります。呆れ返る。
形式なんて固いこと言わず、蘊蓄も垂れずに美味しいものは美味しい、で良かろうと思います。可否道って!ダサい。誰が、その手に乗るもんか!でも、コーヒーよりお茶のほうが好き。

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2023年01月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

約60年前の小説と思えないほど、読みやすく軽快だった。
登場人物が癖のある、理解し難い人ばかりだったけれど、主人公の人柄なのか、文章のせいなのか、深刻さがなく、コミカルでそれがよかった。
この時代の作品で、結婚を選ばずに自分の人生を生きる選択をした女性を書いているのが斬新で、すごいと思う。し、だからこそ古臭い印象なく読めるのかもしれないと思った。

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2022年09月03日

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ネタバレ

昭和のエンタメって感じでした。最後勉が来たときはヨリ戻されたら嫌だなと思って読んでました。
アンナ図太いですね。身近にいましたこういう女性。芸能界に向いてると思います…
いや、ほんとより戻さず、菅と結婚もしないで良かったです。

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2025年06月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

★3.4(おもしろかったけれど4はいかないかな)

■モエ子女子の喜怒哀楽が一番おもしろかった。ちょっとしたことで喜んだり怒ったり悲しんだり楽しんだりと感情表現が豊か。それを表すセリフ回しは今とは言葉遣いが違うので新鮮。昭和37~38年の新聞連載ってことは当時の少なくとも東京ではこういう言葉遣いがされていたのだろうか?

■どういうふうに着地するのか? なんやかんやあっても最後は元の鞘に収まるのでは? と思ってただけに、(タイトルである)コーヒーも恋愛もうっちゃって、自分の夢だった洋行を(スポンサーの力ではなく)自分の力で実現するという潔いラストにはやられた! という感じ。タイトルからするとふつうは「コーヒーが取り持つ恋愛」なのだが、実はベンちゃんも菅も恋愛ではなくコーヒーが目当てだったという逆転の展開。なるほどそうくるのかー! 元のタイトル「可否道」よりもこっちのほうがより作品にあっていると思う(ラストでのどんでん返し的な意味合いも含めて)。

■飄々としたベンちゃんと堅物の菅が対照的。同じくテレビドラマに出つつも新劇を忘れられないモエ子と、新劇よりもテレビで売れることを第一とするアンナも対照的。登場人物の配置はわかりやすく、その分モエ子に感情移入しやすい作りになっているのかな。

■芸能のなかでテレビの影響力が増していく時代。その様子が垣間見えるのはテレビ史という観点からするとけっこう重要な資料になのでは?

■大衆小説? 通俗小説? 新聞連載だから一般大衆が楽しめる内容が求められるわけだが、意外とこれまでにそういう作品って読んでなかったかも。長くて途中やや疲れたがスラスラと読めて、けっこう新鮮だった。

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2022年01月18日

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