あらすじ
第169回直木賞受賞作
幕府立ち上げの両輪が決別。その時尊氏は?
室町幕府を支える足利直義と高師直がついに決裂。それぞれを支持する大名たちが入り乱れて争う中、肝心の尊氏はなすすべもなかった。
解説=橘玲
単行本 2023年5月 文藝春秋刊
文庫版 2026年4月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
直義、、、師直、、、切ない。。。。
各々が悪人という訳でもなく、また、憎しみあってるという訳でもない。なんなら、死ぬ寸前ですら相手を想っている感すらある。
逃げ若では完全に悪役だった足利尊氏は、本作では真逆。メチャクチャ人情派で野心などおくびにも出さない。しかし、なんだかんだで天下をとるのは歴史的な事実。深掘りしたくなるなぁ。
それにしても、後醍醐天皇は本当に破格の天皇だったんだなぁ。生命力の塊、、、
そして、楠木正成の子供達。またしても、逃げ若との対比だが、メチャクチャ才能を引き継いでたんだね。
メチャクチャ、足利陣営を苦しめていた。
直冬、、、九州を制圧。猛将だったんだなぁ。
義詮、、、なんか、お利口さんかと思ってたが、
後半はなんというか、足掻いていたなぁ。
そして、最後の尊氏の辞世の句、、泣けた、、、
みんなに読んでほしい一冊!!
Posted by ブクログ
この小説はすごく面白かったです。
下巻では、朝敵となった尊氏らが、弟直義や家宰の師直など、足利家の一族郎党とともに、足利の幕府を作り上げます。しかし、高師直の一族と
直義一派との攻防があり、まずは高家が駆逐され、その後、直義一派も尊氏義詮の将軍家から一掃されます。その後も南朝方や残党との戦は続きます。
さて、師直や直義が中心となり、時代もこの小説も続きます。自分の考えや自分の家や仲間のことを中心に考え、策を弄して、戦となるのです。様々なすれ違いや判断ミスや勝手な考えで、どちらかが無くなるまで、争いは続き、一度治っても恨みに思う連中がまたむくむくと頭をあげて、いつまでも戦は終わらない。
でも、やはり、最後は尊氏の話で終わります。時代と人の欲に翻弄されるはなしですが、尊氏は自分をなんとかし続けるのです。
尊氏は、どうしようもないという扱いで皆から評価されてますが、最後の方で、弟直義は、
「なんだ。
やればできるではないか。」
と呟きます。おいおいと、思い、面白かったです。
垣根さんの別の小説も読んでみたいです。
Posted by ブクログ
下巻になると、足利直義と高師直のダブル主人公で物語は進みます。→尊氏のキャラは強いが存在感の薄さが際立ちます。
楠木正成や新田義貞を抱える後醍醐天皇派と全国の武士の代表足利尊氏軍の戦は大詰めを迎えます。
更に、幕府開闢後の直義、師直の苦悩と二人を悩ませる周囲の展開が関係性の良かった二人の関係に一個一個亀裂を打ち込んでいきます・・・
ここからの見所は
・新田・楠木にボコられた後にどう逆転の道筋があるのか?
・尊氏の長男嫌いは何処まで師直達を悩ませるのか?
・この苗字は戦国時代以降に登場するあの人の先祖?
・大器晩成、成長著しい足利尊氏!
と言ったところでしょうか!
いずれに致しましても、現代の日本では三大悪人
の一人として数えられる足利尊氏ですが本書を読むと後醍醐天皇側に大きな問題があるような気がします。
器から溢れる水には新たな器が必要なように、政治機構の能力を超えた権力からは不満が溢れるもので、世間というものはどんな器であれ、溢れたり溢れたりしない器を待ち望んでいるという事なのでしょうか。
Posted by ブクログ
ハードカバーがかなり読みづらそうだったので、文庫化を待っていた作品。
室町幕府の成立から観応の擾乱までが丁寧に描かれている。この時期、同じ人物が味方になったり、敵になったりを繰り返していた理由がよく分かった。
尊氏だけでなく、直義や師直のキャラクターも魅力的で、飽きることなく読み終えることが出来た。