あらすじ
★2022年、ハリウッド映画化!!★
主演:ブラッド・ピット
監督:デヴィッド・リーチ(『デッドプール2』『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』)
邦題:『ブレット・トレイン』(原題:BULLET TRAIN)
★英国推理作家協会賞(CWA賞)翻訳ミステリー部門 ショートリスト作品(最終候補作)(英題『Bullet Train』)
殺し屋シリーズ累計300万部突破!
東京発盛岡着、2時間30分のノンストップエンターテインメント!
到達点幼い息子の仇討ちを企てる、酒びたりの殺し屋「木村」。優等生面の裏に悪魔のような心を隠し持つ中学生「王子」。闇社会の大物から密命を受けた、腕利きの二人組「蜜柑」と「檸檬」。とにかく運が悪く、気弱な殺し屋「天道虫」。疾走する東北新幹線の車内で、狙う者と狙われる者が交錯する――。
小説は、ついにここまでやってきた。映画やマンガ、あらゆるジャンルのエンターテイメントを追い抜く、娯楽小説の!
『グラスホッパー』『AX アックス』に連なる、殺し屋たちの狂想曲。
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Posted by ブクログ
”殺し屋シリーズ”2作目と呼ばれる同著の舞台は東北新幹線車内、登場人物はほぼ全員が過去/現在において殺しを生業にしていたか、殺しを日常的に愉しんでいるという人物という一風変わった状況設定。章ごとに登場人物の視点が切り替わる構成ながら、キャラクターの倫理観や嗜好が細かに描写されているため新幹線の疾走感も相まってか、読者を飽きさせない作品だと感じた。
全体的に登場人物間で交わされる台詞はユニーク混じりで飄々としたものが多かったが、その一見緩やかな雰囲気と反して密度が高いのが不思議だった。相手の言葉の中に含まれる意図が表情や行動と掛け合わさり、その場の力関係や攻勢が逆転する場面などはハラハラした。
「どうして人を殺してはいけないの」という質問を最後まで繰り返していた中学生、王子の悪意が人を信じる勇気にあっけなく瓦解されるラストは、王子に共感できる部分が一切見出せなかったからこそ、なんて孤独で寂しい生き方なんだろうという哀れみを感じずにはいられなかった。
Posted by ブクログ
面白すぎる。
王子に対する読者の憎悪感をこれでもかと募らせてくれる。誰か早くこの悪ガキを退治して〜!と叫ばずにはいられない。
最も不運な人間と最も幸運な人間の戦い。
こんなに主人公級のキャラが勢揃いで収集つくのかと心配になったが、それを気づけばスッキリ収めて治めてくれているのが著者のすごいところ。
殺し屋シリーズがきっかけですっかり伊坂幸太郎のファンになりました!
これからもシリーズどんどん続けてほしい。
木村夫婦が主人公のバージョンとか、スズメバチをもっと掘り下げた話とか、そしてやっぱり押し屋は気になる。何者!?もっと知りたい!劇団もね、フォーカスしたら面白そう〜
Posted by ブクログ
とにかく終始おもしろかった…。愛らしいキャラばっかり。途中退場して減っていくにつれて悲しくなる。
特に檸檬が好きだった。
檸檬と蜜柑の軽快でユーモアある会話は楽しいし、
王子は残忍な性格をしていたけれど中二病的な可愛さがあって憎めない。
また天道虫は"ついてない"おもしろいキャラでつい笑ってしまう。あとへたれキャラに見えてめっちゃ強いというギャップがかっこいい。殺し屋シリーズに登場するキャラはみんなクセがあって魅力的で生き生きとしているように感じる。きっと誰かを好きになる。ストーリーも最後までどうなるか予想がつかなかった。
Posted by ブクログ
複数の殺し屋の物語が並列して描かれ、やがてカタストロフィーを迎えるといった構成が抜群に面白かった『グラスホッパー』の続編に当たるのが、本作『マリアビートル』だ。前回はタイトルに当たる”バッタ”が比喩的に使われていたのだが、本作ではズバリ殺し屋の一人のあだな”てんとう虫”で、その登場人物の名前がそのままタイトルになっているというわけだ。ちなみに本作はブラッド・ピットが主演したハリウッド大作『ブレット・トレイン』の原作・・という位置付けになっているのだが、映画版はほとんどオリジナルストーリーということで、映画を観た人でも本作は面白くみることができる。
前作『グラスホッパー』の魅力は、殺し屋という現実離れした仕事をしている人間たちが繰り広げるドタバタ劇と、それぞれの動きがやがて一本の大きな線につながるといった構成にあった。劇中では殺人の場面が多く出てくるにも関わらず、決して暗さを感じさせることはなく、どちらかというと、殺しという職業に就いているおかしみや悲しみを覗かせつつも、全体としてはむしろさわやかですらあった。
その前作に比べると、本作は手触りは変わらないものの、作品全体を包むトーンは遥かに重いものとなっている。そのような感覚を持つのは、本作のテーマを象徴する存在である中学生の王子が存在しているからだ。
前作の主人公を含めて、このシリーズに登場してくる殺し屋は、どこか人間として憎めない悲しさのようなものを持っている。殺し屋稼業を仕事と呼び、おそらくこれ以外の「仕事」では生きていくことができない、あるいは人生の進んでいく結果として、殺し屋を選んでしまったような人たちの中で、王子だけは全く別の生き物として存在している。
劇中ではほとんど彼の家族について語られることはないのだが、少なくとも祖母がいる普通の家庭で育ち、成績はこちらもおそらく悪くはなく、顔立ちは整っているらしい。身長は14歳にしてはやや小さいようだが、それも含めて多くの大人が”好ましい”と感じる外見と雰囲気を持っている。
ところがその一見すると普通の中学生である王子は、陳腐な言葉になるが「絶対悪」とでもいうべき、空っぽの悪意の塊である。人間を思い通りにコントロールすることが無上の喜びであり、チャンスがあれば躊躇なく人を殺すこともできる。ただし本作で出てくる殺し屋たちとは違い、特別なトレーニングを積んでいるわけではないので、荒事を自分から仕掛けることはない。あくまでその研ぎ澄まされた知性と自らの特徴を活かして、ただ自分の楽しみのためだけに人を殺していくのがこの王子という存在だ。
本作の核となるのは、この絶対悪と言える王子と、偶然に新幹線に乗ってしまった業者(殺し屋)達との戦いだ。ただしこの戦いが奇妙なのは終盤に至るまで、殺し屋たちが本当の敵は王子であると気が付かないことにある。
正確に言えば登場人物の中で最も殺し屋らしい殺し屋である檸檬と蜜柑は、それぞれのタイミングで王子の邪悪に気がつくのだが、二人とも王子を排除する前に不運により逆に死んでしまう。そう、本作における悪の象徴である王子は、絶対的な幸運にも恵まれているというという設定になっているのだ(「幸運」に愛されている子供のような絶対悪というと、ジョジョの奇妙な冒険の第五部の大ボスであるディアブロを思い出される)。
この無敵と言っても良い存在をどう倒すのか・・というのがまさに本作の見所になるわけだが、それを可能にするのは本書巻末に収められている解説がいうような「勇気」ではない(この解説、ちゃんと読んでから書いたのか?と思うくらいピントがずれている)。七尾という自分も認める圧倒的な「不運」と、その不運を活かすことができるだけの圧倒的な暴力を持つ2人の殺し屋の力量こそが、この王子を窮地に追い込むために必要なものになる。
つまり、本作における王子を構成する二つの要素である「幸運」と「生まれ持った悪」に対して、それぞれ「不運」と「鍛え上げられた悪」をぶつけることで、最終的に生き残った殺し屋達は、新幹線から無事に生還を果たすことになるのだ。
エンタメの世界では、殺し屋というのは“悪“として描かれるだけではなく、主人公として描かれることも多い。世界一有名なスパイである007も「殺しのライセンス」を持った存在であるし、多くの映画ではCIAが主人公になり敵を倒していく。
殺人という罪を犯す彼らが我々に支持され、物語の根幹を担う存在となれるのは、彼らの犯す「悪(殺人)」が仕事として行われているからだ。彼らはあくまで自分が生き延びるために、あるいはもう少し卑近な言い方をすれば明日の飯の種として、人を殺す。そこには個人的な嗜好は介在していないし、趣味として人を傷つけることもない。
そんな彼らが、プロフェッショナルとして「純粋な悪」にどのように対峙し、そして最終的に勝利を収めるまでを描いたのが本作だとすれば、そこに隠されたテーマはむしろ「勇気」といった言葉ではなく、もっと冷徹な「結果として善」であろうと思う。そこにはヒロイズムもなければ正義感もないが、日々の積み重ねの結果の先に、良きことを成し遂げる土台が築かれていく。
そして一方で、本作において最終的に王子にとどめを指すことになるのが、息子と孫を守るために新幹線に飛び乗ることになる老夫婦であることも忘れてはいけない。彼らを守るのはプロフェッショナルとして培った能力ではあるが(劇中では伝説の殺し屋として語り継がれている)、その動機は純粋な肉親への愛だ。
とはいえ、「愛こそが悪に勝つ」といった安易な結論を導く・・というのも本作で狙ったところではないだろう。あくまで、エンターテインメントに徹している本作では、愛はキャラクターを動かす原動力ではあるものの、彼らを勝利に導くのはやはり鍛え上げられた「悪をなすためのスキル」に他ならない。
Posted by ブクログ
終始トラブルが起きる展開で読む手が止まらない。
七尾のヤレヤレ系の性格がとても良かった。
王子に対しては読んでて不愉快極まりなかったけどサイコパスってこういう考えなのかなと感じることができた。
ラスト王子がしっかり報いを受けるのはスッキリした笑
Posted by ブクログ
やっぱ私は殺人系の本とかが好きだなって思った
繋がってなさそうなのに実は複雑に絡み合ってて、あ〜あの人はこの人に殺されたんだ!とか最後の方のスズメバチの薄気味悪さとか鈴木の肝の座り方とか本当に面白かった
ただなんで殺さないんだろう?って思った場面も多かったかな〜
王子が本当に嫌いすぎてずっと王子が死ぬことだけを望んでたから木村夫妻にボコボコにされたと思うとそこまで描写して欲しかったなとも思う
王子の俺の方が優位だってずっとカーストだけを気にしてる感じが中学生特有だなとか、それを分かった上で淡々と返答する鈴木の教師らしさとか、木村夫妻の何をしても勝てない経験値の差とか、殺し屋の話で現実味ないはずなのに身近な話をされてるかのような気持ちになった
渉が無事って知るまで感情をあまり出さなかった王子はやっぱり凄いし、それまでの微かな変化を読み取ってた七尾はこんな殺し屋だらけの空間を逃げ切れるだけのスキルを持ってたんだなと思う。だからこの2人は最後まで生きていられたんだろうな。王子が木村夫妻にボロボロにされてる瞬間は爽快だったけど。
人を殺しちゃいけない理由って確かに難しいな〜久々にグラスホッパーも読みたくなった
Posted by ブクログ
テンポ良くて面白かった!
あー木村立って!!王子やっちゃって!とか、蜜柑と檸檬そんなあっさり!?とか、一人で忙しくツッコミながら読んでました。
じぃじとばぁばがカッコよくて最後全部持って行った感じ。最後しか出てないのにこの小説で一番カッコよかった。
Posted by ブクログ
続きが気になると思って読み進めたけど、読み終わるまで何日もかかってしまって心が折れそうだった。
蜜柑と檸檬が死んだのは悲しかった、王子が終始胸糞悪かった。
Posted by ブクログ
<目次>
略
<内容>
東北新幹線という密室の中で、殺し屋同士の丁々発止。次々と殺し屋が消えていくのだが、そのやりとりが面白い。王子といういけ好かない中学生の、「どうして人を殺しちゃいけないのですか?」に対する、塾講師(?)鈴木の答えが秀逸。「テントウムシ」が生き残るのもまあ、いいかな?でも王子に感情移入しちゃった私はなに?
Posted by ブクログ
4.5
凄く面白い
5人の登場人物一人一人の個性が濃くて、全員が主人公のようだった。それぞれの視点をこうもうまく描き切れるものかと感動
檸檬と蜜柑はぶっとんでて好きだったから死んでしまって悲しい。檸檬は残忍で直情的だけど、だからこその歯切れの良さがよかった。更木剣八感。
王子の残忍性と人を見下すような態度が本当に気分悪かった。檸檬も殺されたし。でも鈴木先生と木村夫妻のおかげで最後スッキリした
なぜ人を殺してはいけないのかと言う問いに対してのそれぞれの意見も面白かった。