あらすじ
「陰謀論」が現実になる世がここに――
一国の大統領が突然、近隣国によって連れ去られ、裁かれる。
国家間ではミサイルが飛び交い、他国への攻撃を想定した大規模演習が行われる……。
かつてなら、まさかまさか、と笑い飛ばされていたような出来事が次々に現実になる世の中で、もはや陰謀論は「陰謀論」では済まされなくなっているのかもしれません。
何が本当で、何が嘘なのか。
収録作「陰謀論百物語」では、ろうそくを前にずらりと座った高名な”陰謀論者”たちが百物語を繰り広げます。
曰く、ロシアのウクライナ侵攻には、ホワイトハウスの地下に存在すると言われる「ブラックハウス」が関係している。曰く、スマホの自撮りで顔が長く写るのは、女性に美しくあらねばという意識を植え付ける「ルッキズム推進勢力」(通称:ルキ推)の策略によるものだ。曰く、「人類の月面着陸成功は陰謀である」という陰謀論は、陰謀である……。
嘘のような陰謀論はしかし、似非陰謀論を広め、世界を混乱させて支配しようとする影の組織が故意に広めているものらしい。それこそが陰謀なのだ、と主張する男まで現れ――
その他、突如厳しくなったコンプラに戸惑う刑務所帰りのヤクザに、「忖度」を合言葉として村おこしに励む村議会の面々、マスク拒否男改め「ゴネラ」とマスク警察改め「モンクコング」の真剣勝負まで……。
コロナ禍を前後して書き紡がれた粒ぞろいの全7編、とくとお楽しみください。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
陰謀論百物語
ハードボイルド・ルール
サクマ型ロボット2号
パスワードを入れてください、
ああ美しき忖度の村
モンクコング対ゴネラ2021
戦争過敏シンドローム
以上七つの短編集でした。
荻原さんらしいユーモアセンスも健在で楽しく読みました。その一方で、「ロボット」「AI」「パスワード」「忖度」「コロナ禍」「戦争」など、世相が随所に描かれていて、現代社会に潜む問題も色々と考えさせられました。
私は、中でも「サクマ型ロボット2号」が強く印象に残りました。クラスでいじめられて不登校になったサクマくんがロボットになって再登校し・・・深く心が痛みました。
Posted by ブクログ
陰謀論、コンプライアンス、忖度、パスワード、マスク警察…現代の闇を煮詰めたようなコメディ短編集。どれも皮肉が効いていて素直に笑っていいのやら。結果、ずっと苦笑いという不思議な読書体験。陰謀論者の心得(?)を皮肉たっぷりに描いた表題作がやっぱり一番好きかな。特撮怪獣映画ファンとしては古典的名作『キングコング対ゴジラ』をコロナ禍のノーマスク派vs.マスク警察と重ねてみせる『モンクコング対ゴネラ2021』も良かった。
Posted by ブクログ
表題作はタイトル通り、陰謀論の百物語で、それぞれの陰謀論が展開する。おかしな議論がもっと拗れまくって、何だったらその場で大乱闘とか、陰謀論も、もっと壮大で荒唐無稽なものを期待してしまっていて、ちょっと拍子抜けだった。
コロナ以降クリーンに変貌した組織に順応できない組員。いじめで自殺した中学生の身代わりロボットの暴走。あるあるのパスワード地獄。
忖度村の忖度の果て、村人には意外と受け入れられ概ね好評でよかったよかった。マスク警察vsマスク拒否男、こんなことは実際にあったかもしれない(いやないか)
ちょっとしたきっかけから生じたずれがエスカレートするコメディ、久々の荻原ワールド全開、ではあったのだけれど。願わくばもう一声、ドッカーンと炸裂して欲しかった。面白かったけど。
Posted by ブクログ
7編からなる短編集
SFのようで、ブラックな風刺が効いていて
面白かった。
《陰謀論百物語》
高名な”陰謀論者”たちが、蠟燭を前に百物語を
繰り広げる‥‥馬鹿々々しい説だが、
一体何が本当で、何が嘘なのか?
《ハードボイルド・ルール》
刑務所帰りのヤクザ。突如厳しくなった
コンプラに戸惑う。
《サクマ型ロボット2号》
不登校支援ロボット‥不登校支援の一環として
ロボットが本人の代わりに出席するというのだが‥ブラックな話だった。
《パスワードを入れてください》
早く思い出さなければ、いけない時に限って、
焦って出てこない‥ある、ある!
まさに、パスワード地獄
《ああ美しき忖度の村》
題名からして、笑った。
最後、尊鐸上人の着ぐるみ(←これが笑える)と
盆踊りの曲との共演‥カオス‥笑
《モンクコング対ゴネラ2021》
この話が一番面白かった。
マスク拒否男vsマスク警察‥
マスク警察、あー確かにいたいた、
コロナ時を思い出した。
《戦争過敏シンドローム》
ロシアによるウクライナ侵攻があった頃に
著者はこの話を書かれたようだ。
今、アメリカとイランがこのような状態になり、
ますます戦争に対して皆が、過敏に成らざるを
得なくなったように思う(もちろんこの話のように
ここまで酷くはないけれど)
Posted by ブクログ
デビュー当時のスラップスティック・コメディを思わせる短編集です。
面白かったのは「ああ美しき忖度の村」。舞台は村の開祖・尊鐸上人にちなんで忖度村と改名した村。村興し協議会を設置したものの、年寄りの我儘や中堅メンバーの忖度に振り回され、若手村会議員が逆襲を試みるも・・・・。どこかデビュー作『オロロ畑でつかまえて』を思い起こさせる作品でした。
その他に、似非陰謀論を流行らせて世界を混乱させようとする陰謀があるとする表題作、コンプラ重視のヤクザ集団を描いた「ハードボイルド・ルール」、やたらと必要になるパスワード世界に対する皮肉った「パスワードを入れてください」、双方から被害を受けた女性がマスク警察とアンチ・マスカーの対戦を仕組む「モンクコング対ゴネラ2021」など7編。
楽しかったけど、あと一歩、哄笑と迄は行かず、、、、でした。
Posted by ブクログ
荻原氏の作品は、個人的に玉石混交だと思っているが、本作は石の方だった。シニカル奇譚集なんだろうが、全体的にボヤっとしてて面白さが薄い。「忖度の村」と書き下ろしの「戦争過敏シンドローム」はまあまあ読める程度。
Posted by ブクログ
短編集。「パスワードを入れてください」はなんかありそうでモヤモヤした。そうならないようにメモしまくりだけどね。「ハードボイルド・ルール」も面白かった。