あらすじ
常識にとらわれた単眼思考を行っていては、いつまでたっても「自分の頭で考える」ことはできない。自分自身の視点からものごとを多角的に捉えて考え抜く、それが知的複眼思考法だ。情報を正確に読みとる力。ものごとの筋道を追う力。受け取った情報をもとに自分の論理をきちんと組み立てられる力。こうした基本的な考える力を基礎にしてこそ、自分の頭で考えていくことができる。ベストティーチャーの奥義!!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
この本を批判的に読むには…なんて考えていた。複眼思考のポイントがよく書かれている。1回読むだけではなく、何回も反復しないと身につかないことだとは思う。
筆者と対等の立場になって読むことは忘れがち。議論するように本を読みたい。
Posted by ブクログ
論理的思考について、
学びたく、色々と調べている中で、
本書(良書)に出会いました。
正解のみを追い求めるのではなく、
物事を鵜呑みにせず、
問いをたてる、問いをずらす、
前提から問いかける、批判的に見てみる…、
そうしたことを常日頃から意識し行うことで、
思考が鍛えられていきます。
思考することを面倒がらずに、
問い続けていこうと思います。
一読の価値ありです。
Posted by ブクログ
高校くらいで読みたかった。
正解のある問題しか解いてなかったことから自分で問いをみつけるというのがとても苦手。
そういったことを極力避けてきた。
社会人でなんとなく成長の壁を感じる最近、このモノの様々な見方というのがとても意味がありそう。
具体的なやり方がのっていて何度も思い出したり読み返したい本
Posted by ブクログ
まえがきに書いてあるとおり、「自分の頭で考えて、自分の言葉で考えを表現する」とはどういうことなのか、その具体的な方法は何かが述べられている。
受験戦争、セクハラ、いじめなど今となってはやや古臭さを感じる事例が多い。
ビジネスパーソンの書くロジカルシンキング本とは違って、実務的というよりはアカデミックな物事の捉え方やコラム内容であり、大学教授の書く思考法の本ならではの興味深さがある。(なんとなく、読者層はこれから大学で学ぶ学生に向けているのではと感じた。)
特に心に残った批判的に考えるためのポイント
・著者と対等の立場で読書し、書いてあること鵜呑みにしない。
・「どうなっている?」で実態を問い、「なぜ?」で因果を問う。組み合わせて問いを展開していく。
・目の前の現象はそもそも複数要因の集合体であると捉えることで、初めて複数の視点が持てるようになる。
・関係論的に物事を捉える。主語ではなく、述語で捉える。
Posted by ブクログ
自分自身あまりこういった類の本を読んでこなかったので新規制があって面白かった。「知的複眼思考法」という題名の通り、物事を多角的にみる方法論について書かれていた。この本のメインの主張としてはステレオタイプにとらわれずさまざまな視点からそのものをみることで「常識」をもとに考えた場合よりもはるかに多くのものを得られるというものであった。自分は割と「常識」というものを元にして目の前のことを考えてしまうため、その傾向を治すためにも本書に書いてある方法論は有用だと思った。
個人的には、物事を○○化として関係論的に捉えることで、実体論的な見方から脱出し、要素の分解を行うことで、それぞれの要素の相互作用を抽出し、それらを全体の文脈に位置づけるとする考え方が面白かった。
Posted by ブクログ
1996年8月刊行。
オックスフォード大学で社会学を教える著者による、「知的複眼思考法」の概要と習得について書かれた本。
本書にて著者は、常識やステレオタイプに囚われた「単眼思考」から脱却し、自分自身の視点からものごとを多角的に考え抜く「複眼思考」への切り替えを勧める。
「複眼思考」とはどのようなものか、そして複眼思考を身につけるための具体的な方法が説明される。
具体的な方法もいくつか解説されるが、「ものごとの多面性に注目する」ことが一番腹落ちした。
プロセスとしては以下。
①目の前の事象がどのような要因を持っているかを考える(分解)
②それぞれの要因の関係性を考える(相互作用の抽出)
③要因の複合の中で、問題としている事柄がどのような位置を占めるかを考える(全体の文脈への位置付け)
その他、「創造的読書」「パラドクスの発見」「問うことを問う」など、複眼思考に至る方法が書かれている。
また、世の中には、意味が一人歩きしやすい大きな、抽象的な言葉が溢れている。
これらの「マジックワード」をなるべく使わないようにすることも思考力を鍛えるトレーニングになる。
著者曰く、最も重要なことは、やはり物事を鵜呑みにしない姿勢である。
これはその通りだと思う。
「そういうものだ」「常識だから」「普通だから」という発想は、自らの思考を止めてしまう。
卓越した成果を挙げるためには、ある意味「割り切らない」考えを貫く必要があると考えている。
本書はそのような思考のパフォーマンスを高めるために必要なエッセンスが詰まった本だ。
Posted by ブクログ
何かの事象や問題を考える時、そのまま受け入れるのでなく、立ち止まって背景や関係性に目を向ける。
そういう思考のクセをつけ、ことの本質にせまりたい。
Posted by ブクログ
教育関連の例が多い。大学生に教えているのもあって読みやすい。
別の視点で物事を考える重要性
ステレオタイプ的な意見を疑う
行為の意図せざる結果
問いの立て方
自分の頭で考える
Posted by ブクログ
知的複眼思考法の本
知的複眼思考とは
物事を複数の視点で理解する思考法とのこと
有名なやや古典だったため読んだ。
1.2章では読み書きのコツ
3,4章で知的複眼思考の諸々を具体例を交えて解説
物事を実態でなく、何かと何かの関係で捉える。
問いを立て思考を始める事で理解を深め本質を捉える、問いの立て方にも工夫が必要。
など抽象的な金言があった。
2周したが本当の意味で理解できてるか分からない。仕事や生活の中で意識して知的複眼思考法を会得したい。
Posted by ブクログ
多面的に問いを捉えること、分解して関係性を考えること、2002年の時点でこれほど実例や実践を交えてまとまっている書籍があることを知らなかった。「考える」ことを訓練することを忘れないようにしたい。
Posted by ブクログ
前半は正直少し退屈だったけど、後半めきめき面白くなった。メタ思考の方法など、言語化が難しい「考え方の作法」を的確に説明してくれており、とても勉強になる。
Posted by ブクログ
早急に結論をつけることよりも、
じっくり考えて、問いへの問い、問題の意味、
結果(意図したもの、してないもの)を
複数の視点から考えること。そのことが、その過程が、答えをだすこと、知識を覚えることよりも価値があるのではないか。
Posted by ブクログ
1番の発見は
「実体論ではなく関係性論で見る」という視点
ーーーーーーーーーーー
常識,ステレオタイプ,パターン,レッテル,絶対的価値観,神話,善悪二元論,正解がある
→単眼思考
非常識,クリエイティブ,相対的価値観,非二元論,正解はないが問いはある
→複眼思考
・複雑な問いを一面的にとらえず多面的にみる
・問いの対象そのものを見るのではなく、対象を取り巻く人・モノの関係性を見る(実体論ではなく関係性論で分析する)
例: 紙幣はそれ自体が価値を持たないが人々の経済上のやり取りに欠かせないものであるから価値がある
「やる気」は個人だけでなくその個人を取り巻く人やモノといった環境によってかわる。
→「万物に"やる気がない人"は存在しない」
「知らないから,わからない」「勉強不足だからわからない」
→正解がある,勉強すればわかるという答えに飛びつきたい気持ちの表れ.
”考えるプロセスを経ていなくても,答えされ見つけられればそれでいい.このような習性が身についてしまうと,今度は答えがなかなか見つからない類の問題に出会った場合に途中で息切れして,ステレオタイプの発想に囚われてしまいます”
「視座の高さ」
読書の仕方
・著者とは対等の立場にあるものとして読む.相手も人間.
・ゆえに書かれたものを不動の完成品と思わない.
・その所作として「簡単に信用しない」「著者の狙いをつかむ」「論理を丹念に追う」「前提を探り,疑う」
問いの立て方、展開の仕方
実態を問う問い、因果を問う問い
〇〇はどうなっているのか。
どうすれば〇〇するか。
→なぜ〇〇か?という言い換えをすることが、考えることにつながる。
→y =f(x)のfを突き止めること
擬似相関(偽f)に注意。どう見破るか。
→yを固定すると必ずxが必要
→xを固定すると必ずyが導出される
がどうか
→他のパラメータ(z)を変えてもx→yか?
実はzがyを左右するパラメータでは?
fに対する検証を横着し、印象だけで方程式の成立を判断してしまうこと=ステレオタイプ
抽象的すぎる→すすまない
具体的すぎる→特殊事情にとらわれ、思考が前に進まない
Posted by ブクログ
単行本が1996年刊行となっていますので、四半世紀以上前に書かれていたことになりますが、現在でも十分通用する内容だと思います。固定観念や、「わかりやすさ」のための安易な要約が広がる状況は、時代を問わず問題となるということでしょうね。
「答案の端に、教師が書いたとおぼしきA~Dの文字…受け取った生徒は、Aだと喜び、Dだと落ち込む?Aが優秀で、Dが劣っていると誰も言っていないのに?」常識にとらわれた単眼思考を行っていては、いつまで経っても「自分の頭で考える」ことはできない。自分自身の視点からものごとを多角的に捉えて考え抜く-それが知的複眼思考法だ。
聞き飽きてもなお言われ続ける「近頃の若者は…」とか「偏差値教育が問題だ…」といった言説。これらの何が問題かといえば、雑な思考でいつも決まった結論を出すために、思考が固定化し、自分の頭で考え、多角的な視点から思考・議論することができないことでしょう。ステレオタイプを正しい意見だと信じて疑わない人…何を言っても主張を変えることはなく、議論になりません。嫌ですが、自分もその落とし穴に陥っているのではないか?という観点から振り返ることが、紋切り型の思考から脱却する一歩になりそうです。
内容を鵜呑みにしない批判的な読書をし、様々な視点に立って文章を書いてみる。大きな問いを小さな問いへと分解し、概念化・一般化を用いて思考を展開させる。また、実体論だけでなく関係論的な観点からものごとの多面性に注目する。逆説を捉え、「意図せざる結果」の因果関係を把握する。「問いの立て方」をメタの視点から問う。こういった方法によって、複眼思考を身につけることができると説かれています…。凝り固まったものの見方に漬かっている身としては、耳の痛い話のオンパレードでした。さて、まずは反省しなきゃ。
Posted by ブクログ
自分の頭で考えるということがどういうことなのか深掘りしてくれる本。
私としては出来ていることとできていないことがあった。
常識を疑って考えてみることは確かに大事だけど、そもそもベースとなる知識がないとたどり着かない考え方が多かった。
Posted by ブクログ
社長が勧めていたので購読。これができれば、上司からとやかく言われることはなくなるらしい。
著者の方は大学の先生なので、方法論になりがちなコンサル本ではなく、なぜそれが大事なのかが解説されている。
Posted by ブクログ
(良かった点)
いきなり「複眼思考法」とは何か(複眼思考法の詳しい説明は最終章)を語るのではなく、読書の仕方、論理的に文章を書くこと、問いを立てるなど、複眼的思考を身につけるためのロードマップが丁寧に敷かれていた。どこかで一度耳にしたことがあるような論理や手法と思わないこともなかったが、それは反対にいうと、この本が出版された当時の1996年には新しかったのかなと感じた。
(気になった点)
他の方もレビューに書かれているが、やはり1996年に書かれたものであって、本文に出てくる具体例等が古い。特に、本文中に出てくる「受験競争」についての記述が多用されますが、現代の感覚でいうとあまりピンとこない。
(総評)
有名な本で、内容も充実している。一方で、現代では最新の事例で論理的な思考やロジカルシンキング等を学べる著書もたくさんあると思うので、特別にこの本でなければいけないというわけではないと感じた。
Posted by ブクログ
単行本が発行されたのは1996年。文庫版は2002年。今回私が読んだ文庫版は、2023年発行の第52刷であった。ロングセラーなので世間の評価は高いといえる。版を重ねても改訂されていないため、事例が古いのは致し方ない。
本書で示されているのは、「ステレオタイプ(決まりきったものの見方)にとらわれずに、あなた自身の視点からものごとをとらえ、考えていくための方法」
である。(p22-23)
本書は下記の4章構成となっている。
第1章:創造的読書で思考力を鍛える(著者の立場、読者の立場/知識の受容から知識の創造へ)
第2章:考えるための作文技法(論理的に文章を書く/批判的に書く)
第3章:問いの立てかたと展開のしかた ー 考える筋道としての問い(問いを立てる/「なぜ」という問いからの展開ほか)
第4章:複眼思考を身につける(関係論的なものの見かた/逆説の発見ほか)
第1章~第2章は、読みやすい。
読書術の本や文章術の本で、よく書かれている内容である。
第3章~第4章が本書のキモだ。
問いを立て、考え直す。物事を多角的に見るために大切なことだが、書き方はやや冗長に感じた。
Posted by ブクログ
大学生くらいの時に一度読んで、あんまりピンと来なくて、
大人になってもう一度読んでみたけど、
(以前よりはピンときたのかもしれませんが)
やっぱり自分のものにするのは難しかったという一冊。
複眼視点というか、物事を色んな側面から
見れるようになりましょう、という著者の主張はその通り。
ほな、どうする?ってところは、やっぱり難しいよね、
というのが率直な感想。
最初に出たのが96年ということだから、
古典とまでは言わないかもしれないけれど、
結構な年季の入った本。
なので、事例もだいぶ古めで、
今の若い人にとっては馴染みづらいかも。
ただ、「事例が古い」というのは
理解しづらいというデメリットがあるものの、
その反面として当時の常識を知れる貴重な資料、
という見方もできる。
当時の常識は今の非常識(かもしれない)ということで、
それを知るだけで複眼のヒントにもなるというオマケ付き。
個人的にちょっとした驚きだったのが、
「職場での過労死」を題材に議論を深めていた箇所。
今や「ブラック企業」という言葉が代表するように、
「過労死」と聞いたら、
真っ先に「あーブラックで働いていたのね」と
想像しがちですが(自分だけ?)、
当時は「働いている本人の責任」と考えがちだったそうな。
こういった小さな違和感を味わうことができるのも
古い本の魅力かもしれません。
ちょっとお堅い本ではありますが、
読みたい人は是非どうぞ。
Posted by ブクログ
たしかに納得させられるような思考法に関する方向づけは書かれていたが、「それってこう言い換えて実践したほうが、効力は保ったまま、あるいはそれ以上で、さらに一般性があるよね」と思うところが多々あった
しかし、教育目的で読んでもらうには良い本だと思う
Posted by ブクログ
SNSでバズっていたので読んでみた本。ステレオタイプにとらわれず、ものごとを考える方法。理由は言語化していないが、あまり自分には入ってこず、他にも視野を持つ方法はあるので、この本でなくてもよいと思って置いてしまった。
Posted by ブクログ
何をすれば知的複眼思考法で物事を捉えることができるのかについて書いた本
問いをずらす
単語の意味をより具体的に表現する
批判的に捉える
何とか読み切ったけど、頭がパンクしちゃったのでまた今度読むしかないね
Posted by ブクログ
◯問い
自分の頭で考えるとは何か
◯答え
物事を鵜呑み(思考停止)にせず、自分の言葉で説明すること
◯根拠
自分の言葉で説明しようとすることで、知識や経験からくるオリジナルの考えが形作られるから。
◯やること
・あら探しだけでなく代案を出す。
・反論や批判は頭の中ではなく必ず文章にする。
・何が問題か、だけでなくなぜ問題として取り上げられたか、文脈を押さえる。
・詰まったら「〇〇はどうなっているのか」と細かく切り分けて考える。
・概念(共通すること)と具体を行き来する。とにかく具体化。イメージはフォルダ分け。
Posted by ブクログ
「正解のない問題について、自身で考える力」が大切だと言われて久しいですが、どのようにそれを訓練するかを教えてくれる良書です。
「ありきたりの常識や紋切り型の考え方にとらわれずに、ものごとを考えていく方法」
これを「知的複眼思考法」と定義して、その重要性と養い方を説いています。
情報が溢れる現代において、間違いなく重要なスキルであり、批判的な読書については、是非実践していきたいと思いました。ただ、「単眼(常識を信じる)=悪」だとも一概に言えず、ステレオタイプや常識は、脳のメモリを節約できる利点があるため、日々多くの情報に接する我々には、ある種なくてはならないものとも言えます。大切なのは、我々は無意識に常識に囚われていることを自覚し、「実害がないか」という基準で複眼で観るべきものを取捨選択できるようにすることだと考えます。