あらすじ
長男を16歳で、次男を19歳で相次ぎ自死により失った作家が、息子たちについて語る思索に富むエッセイ。「この本は悲しみや哀悼の本ではない。私の悲しみに終わりはない」
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Posted by ブクログ
2人の息子を自死により亡くした女性のエッセイ。著者自身も自殺未遂をしたことがあるようだ。「私たち(著者とその夫)はジェームズ(著者の息子)が何を考えていたかよくわかっていないけれど、このことだけは確信が持てる。彼は命を絶つ決断を私たちが尊重するのを知っていたこと。」(p.41)という一節が非常に苦しく、けれども親と子供の間にある信頼関係は美しいと思った。子供が自殺する決断を尊重する親だと子供が理解している…究極の信頼関係…。
Posted by ブクログ
小説の答え合わせのために著書の人生を覗きたいタイプではないが、『理由のない場所』(イーユン・リーは、それをヴィンセントの本と呼ぶ)に込められた思い、希望のない場所で生きることの意味を知りたくて本書を手に取った(悲しいことに、彼女はこの本をジェームズの本と呼ぶのだ)。
イーユン・リーの言葉を引く。
“子供たちがーそれぞれの自己に成長する場をできるだけ持てるようにーその感性や特性を尊ぶことは、母親として私にできる最善のことのように思われた。私が子供たちを愛していたのは確かだし、今でも愛しているけれど、愛より大事なのは子供たちを理解し尊重することだ。そこには何より、命を絶つという選択を理解し、尊重することも含まれる。”
そしてリーの友人が書き送った言葉。
“知らせを目にして、あなたに何と言うべきか悩み苦しんでいます。ジェームズが自分の居場所を見つける手助けをするために、あなたはできるだけのことをしました。でも、彼は去りたかったのですから、受け入れなければなりませんね ー”
おそらく、多くの拒絶や戸惑い、もしかしたら反感を引き起こす考え方かもしれないと思う。
だがこれは、宗教的な救いだとか、悲しみをくぐり抜けるとか、自分を何とか納得させるとか、そんな陳腐な自己本位な考えから出た言葉ではない。
奈落の底でも、論理と事実を投げ捨てずに、我が子について考えて、絞り出した言葉だ。
だから僕は、生半可な共感も理解も及ばない本書の言葉の数々を、静かに黙って、敬意を持って受け取りたいと思う。
ーー
“人生に生きる価値はあるのか。もしヴィンセントに訊いたら、あると言っただろうと信じている。それでも、彼なりの言葉で、こんな質問に答えるよう迫ってきただろう。この人生は生きる価値があるかもしれないが、苦しむ価値はあるのか。苦しむ価値があるなら、苦しみに限度をもうけるべきなのか。それとも生きるという名のもとに、疑問を持たず何でも苦しまなければいけないのか。”
“ジェームズは真剣に考えた。深く哲学的に、ひそやかに。そして思考で死んだ。生きられる人生には、苦労するほどの価値はなかったのかもしれない。きっと、生きられる人生など求めてないという結論に至ったのだろう。”