あらすじ
経済誌『帝都経済』のオーナー兼主幹の杉野良治(スギリョー)は、大物政治家とのつながりを背景に、財界を牛耳る大物フィクサー。企業の弱みにつけ込んでは、広告料などの名目で巨額のカネを集める。記事攻撃を恐れ、唯々諾々とカネを出す大企業、財界人たち。杉野から婿に、と期待されている若手幹部・田宮大二郎は、『帝都経済』をいつか一流誌に、との志を抱くが、その思いも虚しく、杉野の傍若無人ぶりはとどまることを知らなかった。日本の政財官界に澱む悪の連鎖を白日の下に曝し、企業社会の暗部を克明に描いて話題を呼んだ、長編経済小説の傑作。
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Posted by ブクログ
今回の作品も実在の人物をモデルに書いた経済小説。
その当事者が誰かかをどことなく匂わせつつ
様々な実在する登場人物や人間関係をリアルに
描写させるのも高杉小説の特長かと。
経済新聞社ののワンマン社長の秘書役が主人公で
日々振り回されつつも、野心を持って娘婿になり
若手とボードだけでなく、義父と妻との板ばさみという
さながらメロドラマのような展開に。
本作の特徴は、女性が非常にパワーを持っていること。
作品舞台が1990年代初頭であることを考慮すると
高杉の先見の明を如実に表している作品とも
15年以上経った今だからこそ言える。