【感想・ネタバレ】よろずのことに気をつけよのレビュー

あらすじ

第57回江戸川乱歩賞受賞作。呪いで人が殺せるか。変死体のそばで見つかった「呪術符」を手がかりに、呪術の研究を専門にする文化人類学者・仲澤大輔が殺人事件の真相に迫る長編ミステリー。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

評価は5。

内容(BOOKデーターベース)
第57回江戸川乱歩賞受賞作。呪いで人が殺せるか。変死体のそばで見つかった「呪術符」を手がかりに、呪術の研究を専門にする文化人類学者・仲澤大輔が殺人事件の真相に迫る長編ミステリー 。

この作者の昆虫シリーズはいくつか読んだが着眼点が面白い。しかも、かなり調べ上げているので引き込まれてしまう。
今回は呪い・・・丑の刻参りやわら人形程度しか知らなかったがあまりに具体的でその状況が目に浮かぶ程リアルである。
最後は人情でほっこり・・・とてもいい話だった。

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2017年04月03日

ネタバレ 購入済み

よろずのことに気をつけよ

読み始めは猟奇殺人事件かとおもったが、呪いが絡んできて優しくお爺さんが何故殺されなければならなかったのか? しかも呪いだなんて。結末を知るのが怖くも有り、でも知りたい!真由の気持ちは良くわかる。結末は…やはり悲しい話だったけど真実を知った上でお祖父さんの悲しみを知った気持ちになりました。

#切ない #怖い

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2023年10月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

おもしろかったー。
グロい部分も多々あるけどそこは斜め読みしつつ、夢中で読んでしまった。
真由がなんか色々、違和感があったけどまぁさほど気にならず。
4人が捕まるのは嫌だなと思っていたので、ラストは納得!
これ以上はないかなという感じだった。

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2022年11月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本作のテーマは呪いで人が殺せるか?というもの。

人の死を願うという呪い。その行為には、姿なき呪術師の底知れぬ、そして凄絶な執念が感じられ、空恐ろしくなる。

しかし、やがて明らかになる過去の出来事に接すると、それは悲痛なまでの一つの願いの形であったのだと理解できる。

その命懸けの呪いは、幾星霜の時が経つうちに、いつしか祈りにも似たものに昇華したのかもしれない。

到底他者の賛同は得られないものだとしても。

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2019年02月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルに一目惚れし、駅のキオスクで(人生数回目!)衝動買い。

江戸川乱歩賞受賞の、民俗学を下敷きにした謎探求がたミステリ。
…温厚な人格者で知られた老人が、舌を切られて自宅で惨殺された。現場にはタンチョウヅルの血液と塩、彼の自宅の床下からは50年以上前の「すさまじい」ほどの呪いの符。
生前からひとを避け、魔よけのかたしろを作り貯めていた老人の過去には、激しい恨みをかうほどのなにがあったのか…。
謎を解くため、民俗学者と少女が走り出す。

「師走の月に雪なくば、よろずのことに気をつけよ」

呪いという下敷き、そして小道具や脇役がよく、エンターテイメントとしては最高に楽しませていただきました。登場人物のリアリティーには欠けるところがありつつ、それもゲーム上だと考えればよし。大風呂敷ひろげたミステリは、最後にがっかりすることがよくあるけれど、さいごまで失速せず雰囲気をこわさず、うまいこと落としてくれました。

個人的には過剰な男女ラブロマンスサービスを挟まないとこは女性作家さんらしくて好ましかった。そして、読んでいて既視感とおもったら…TVのドラマ、CSIマイアミシリーズみたい…でした。テンポが。

二作目はないのかしらこのシリーズー! よみたい!

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2014年05月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白い、くない、という議論ならむしろ面白い方に入ると思う。
ただ、個人的には非常に入り込みづらかったので、備忘録的に書いておこうと思う。ネタバレありなので、読む際には注意。

面白いな、と思ったのは呪術に関する丁寧な表記。
オタク気質なのかどうしてもディテールがしっかりしていると読み込んでしまう。文化人類学者とJKという取り合わせ、え、作者はそういったバックグラウンドの人?と思ったら文化服装学園出身とのこと。え、じゃあご自身でここまで研究したのかすごいな、と、読み進む。陰惨な殺人、温和であったはずの被害者、おどろおどろしい呪術の道具、禁忌の呪術集団…すげ~~!

ただ、どう~~~~しても納得いかなくてう~~ん、と頭を抱えたのは以下。

1)「ノートパソコンを開いてブラウザ…」という記載があるのに、最初の殺人の凶器が、最後に偶然それを見るまで出てこない。いや、たしかに変わった形状かもしれないけど「鷹鉈」ってグーグルで簡単に出てきた。包丁、ナイフ、鉈なんて、ざっと調べるんじゃないのかな。警察までいつまでも凶器さえ確定できないの、あんまりじゃない?

2)一番駄目だったのは、主人公とJKの会話の古臭さ。
>なるほど、アポなしの珍客は美少女というわけか。いや、美少女と言い切っていいもんかどうか、若干検討の余地があるかもしれんな。なんせ服装面での問題が大きい。
これ、地の文じゃないの。主人公がいきなり訪ねてきたJKに本当に「発する」セリフなんだよ。ちょっとありえないわ~~って思ってしまったんだよね、個人的には。しれんな、なんせ…なんて初対面のJKに30代のおっさんが、言う?

3)被害にあう子供の年齢が、6歳と4歳と3歳。それを子供だけで、国道脇で、しかも雪の降る日に遊ばせる?もう、保護責任者の問題じゃない?って思った。ひかれる前に怪我したり凍えたり動物に襲われるでしょ?

4)何十年も口をつぐんでいたはずの人たちが、JKに「おじいちゃんが死んだんです!」の一言で、ぺらぺら大した逡巡なく(そう見える)しゃべっちゃう点。え~~~そりゃないよ。

5)主人公と行動するJKが、めちゃくちゃおしゃべりだし理論的だしばんばんやれ四国だ福島だって行動しちゃう、スーパーJK。
まあそれを100歩置いといて、実は…それがフリでした、両親に虐待されて実は完全に心を壊されていたのをじいちゃんに助けられ…っていうのだけれど、出会った父親へのリアクションがすごい。
普通に考えたらトラウマだし、その父親は30代の、かなりフィールドワークなんかで鍛えているはずの主人公をぼこぼこにする超・暴力男なんだけど、それにぎゃんぎゃんののしって、自分も吹っ飛ばされたりするんだよね。いったん自分が破壊されるほどの当の相手に、そんだけものすごい反撃に出られるもんか?

6)主人公とJKが、シングル2つをとったはずがダブル1室しかとれずに一緒のベッドで寝て抱き合っちゃう。その次の日の流れでここが必然、って描写が私には見えなかった。ホテル側としてシングル2つをダブル1室に間違えるのもひどいけど、未成年のJKをダブル1室で30代男性と泊まらせるかな???

あたりが気になって気になって、ちょっと入り込めませんでした。

江戸川乱歩賞受賞作品は今度から、講評付きの新書版で読むようにしよう。自分の気持ちがどう、審査員の人に斟酌されたのかあるいはされなかったのか、興味あるもんね~~


なんどもいうけど、面白い部類だった。ただ、どうしても入り込みづらいところが目立った、ということ。同じようなテーマをこの作家さんが書かれるようであれば、またぜひチャレンジしたい。
(ディテールにひかれて読んでそれがほぼフェイク、というのは好きではないので、鳥類学者シリーズはたぶん、読まない)

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2020年01月17日

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ネタバレ

よろずのことに気をつけよ/川瀬七緒:第57回大賞受賞。2011年。
女性W受賞だそう。これは呪い。子供を殺された親の呪い。都会から遊びにやってきて、好き放題していく者への呪い。なので、犯人は後から出てくる人物なんだろうな。と。
土着。呪術。に絡めた虐待された子。子を殺された親。そして虐待された子を救えなかった主人公。
呪い、土着といえば、横溝正史賞だと思うのだが。ここに応募で評価されるんだね。
重いっちゃ重い。どのテーマもいまだ(2019年)に解決されていない。

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2019年04月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

テーラー伊三郎が良かったので追いかけることにした、川瀬さんの乱歩賞受賞作。

初期作だけあってかなり荒っぽいなぁ。細部に心配りしているなぁと思うところもあれば、その描写はないやろと思うとこもあったりで、塗りむらが激しいというイメージ。
呪術展開ならもっとドロドロとしてほしいし、謎解きで行くならもっとミステリーやトリックを巧妙にしてほしいし、読ませたい場所の立ち位置もなんだかフラフラ不安定。
ヒロインの描写も勝気なのか弱いのかガキなのかオマセなのか…、本人に「そう演じてるのよ」と言わせてしまうのは興ざめやぞ。

その他、小説なれしてない部分は目につくものの、筆力の強さの片りんを見せてくれる作品でもある。
呪術ウンチクの描写は見事であるし、それを伏線として展開させていく部分は読みごたえあって、この後の川瀬さんを予感させる部分もたくさんある。

総合的には星3。でも、こっから登っていく星3ってのはいいもんやね。

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2018年09月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

呪いは世代を跨ぐもの、この一文にゾクッときた。真相はシンプルながら、事件につきまとう謎のオカルト度と濃い不気味さが納涼ミステリーとして最適。
呪われ続ける苦しみに呪い続ける狂おしい悲しみ…どちらの人生も壮絶で、犯人がわかってからも過ちと憎しみと無縁でいられない人の性を考えさせられ気持ちが沈む。
主人公二人の魅力に欠ける点と終盤のやや強引に感じる展開が惜しい。

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2013年08月17日

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