【感想・ネタバレ】貝殻航路のレビュー

あらすじ

霧深い道東の街で淡く光を放つ希望の航路

北方領土を間近に望む土地に生まれ、漁師の父に育てられた主人公は、アイヌにルーツを持つ夫と結婚し釧路の街に移り住む。

アラスカからの豪華客船が釧路に寄港するというニュースの一方で、ミュージシャンの夫は行き先も告げずに家を出た。
倦んだ孤独をひとり抱えるわたしは、幼いころに父と見た貝殻島のことを思い出す。

「カイカライ。波の上面低いもの、という意味で、満潮になれば水没してしまうちっぽけな島だよ、日本では貝殻島、カイカライはアイヌ語ね」

北方領土という戦後史にひっそり佇む貝殻島の灯台、かつて海上の国境を越えロシア船に拿捕された父、静かに民族の記憶をつなぐ夫とその妹――いくつものかすかな光が敷きつめられた貝殻島への航路とは。

北海道東部、道東と呼ばれる土地の風土を細やかに描き、そこに暮らす人間の内奥に迫る野心作。

選考委員から高い評価を得た第174回芥川賞候補作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

貝殻島を教えてくれたのは父親。
灯台には船を導く大事な役割がある。
そう教えてくれたのも父親。
p15
〈いつからかわたしは、父さんの墓標だと思うようになった〉

北方領土にある灯台。
壊れても修理されることはない。

詩を読んでいるような感覚だった。
あるいは、静かなドラマを観ているような。
主演は奈緒さん。
父親は、リリー・フランキーさん。
あめみやは、生田斗真さん。
妹、夕希音は吉岡里帆さん。

灯台が見える海の風景を思い浮かべていると
父親のエピソードが飛び込んできて
青空が広がる中、急に空が翳っていくようだった。
不思議な小説。

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2026年07月30日

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