あらすじ
大手都市銀行に勤務する夫のヨーロッパ赴任に伴って、現地で料理を学んだユリ子は、帰国後、美貌の料理研究家として一躍マスコミの脚光を浴びるようになっていた。母のアシスタントを務める長女と、有名進学校に通う高校生の長男をもち、母の美味しい手料理に舌鼓をうちながら会話をはずませていたこの家族に、やがて暗い「影」が忍び寄る。ユリ子と雑誌編集長の不倫、夫が遭遇した金融危機の荒波、長男に手を伸ばすある組織…。家族四人がそれぞれに口にはできない“秘密”を抱えていたのだ。家族の崩壊と再生の困難さを、衝撃のストーリーで描いた傑作長編小説!
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Posted by ブクログ
4人家族の佐伯家の話。父達夫は銀行員、母ユリ子はセレブ料理研究家、娘は大学進学せずに母の手伝い、息子は新興宗教にのめり込む高校生。
それぞれの日常が描かれていくが、途中から急展開!母の不倫相手の編集者・緑川を息子が殺してしまい、家族は隠すために人肉料理を食べ続ける…。何も知らずに読んだので驚いた。
どうやって終わるのかなと思ったら、かなり唐突にユリ子が逮捕される瞬間で終わり。この後の一家の行く末が気になった。
Posted by ブクログ
カニバリズムだった。物語自体は荒っぽい感じなのだけども、文章表現力が半端ない。キャラの素描が巧みなので、説得力があって引き込まれる。
丹念にキャラを描くことで、物語の粗を感じさせないつくりというのは参考になった。