【感想・ネタバレ】漆黒の王子のレビュー

あらすじ

歓楽街の下にあるという暗渠(石造りの下水道跡)。そこには、〈王子〉〈時計師〉〈ブラシ職人〉〈楽器職人〉〈画家〉〈墓堀り〉〈坑夫〉と中世オランダの職業名を持つ七人の浮浪者が住み着いていた。ある日、怪我をした〈わたし〉は〈王子〉に助けられ、彼らの世界へと連れて来られたが――。眠ったまま死に至る奇妙な連続殺人事件。ふたつの世界で謎が交錯する超本格ミステリ!! 横溝正史ミステリ大賞受賞後の第一作。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

おもしろかった。

表題より、ブラックファンタジーものかと思ったのだが、
冒頭のいじめられた少年のエピソードにより、
現実ものと知る。
が、本編、上の世界、と下の世界、との二重の語り。
特に下の世界での、「王子」「時計師」などの呼び名によりファンタジー感あり。
この二つの物語は同時進行なのかと思っていたのだが、
最後まで読んでみると、
下の世界の話は時間軸でいうとラストの一瞬のこと、とゆーことになる。
しかも、本当にあったのかなかったのか、いや、あった、のか??とゆーよーな読後感。

冒頭の少年たちは紺野と高遠だろうなあっとは察しはついた。2人が再会してからの物語なのかと思ったが、
関係は既にできあがっており、再会した二人がどのような時間を過ごしてきたのか、なぜいまのようになったのかはあまり語られることはなく、
結局のところ、男2人と女2人の対立項による物語だったといえるかも。
それぞれの絆と、それぞれの過去。
そして、傷つけられた者たちが選んだ道の先にあったもの。

とりあえず、拷問やらなんやら、オソロシイことになっているので、12禁くらいでしょうか。まあ、最近はこのレベルの残酷性はどこにでもあるような気もするが・・・。

唯一の良心キャラクター水樹くん。
読み進めるうちに、どうかこの子だけは生き残ってくれ、と切に思っていたので、どうやらその願いだけは叶い、よかったよかった。
これで彼まで死んでたらどこにも救いないわー。

上の世界と下の世界、
おもしろい組み合わせのお話でした。

0
2015年04月30日

「小説」ランキング