あらすじ
昭和54年大阪、猟銃を持って銀行に侵入し、四人を殺害して立て籠もった花川清史は香川からヘリで駆け付けた母の説得を拒絶し、射殺された。事件解決後、新聞記者は犯人の生涯を掘り起こし、母は問い直し、愛人は振り返る。『ホテルローヤル』『家族じまい』などで親子、愛憎を描いてきた著者がその究極に迫る長篇小説。
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Posted by ブクログ
昭和54年の銀行立てこもり事件をモチーフにした作品。凶悪な犯人の男に焦点を当てつつ、その母親と、男の元交際相手の女の人生をたんねんにつづったフィクションだ。四十路でうまれた念願の男児がどんどん粗暴に、荒れていくさまをどうしようもなくなすがままにせざるを得なかった母親。男は重大な犯罪をおかした後に親元をはなれた。大阪へ出て女に会う。母親、女の人生を狂わせながら破滅する男。男の振る舞いにときに目をそむけたくなる。著者の筆致、関西弁の巧みさでぐいぐい読ませる。舞台回しは記者たち。いい味を出していた。