【感想・ネタバレ】異常に非ずのレビュー

あらすじ

昭和54年大阪、猟銃を持って銀行に侵入し、四人を殺害して立て籠もった花川清史は香川からヘリで駆け付けた母の説得を拒絶し、射殺された。事件解決後、新聞記者は犯人の生涯を掘り起こし、母は問い直し、愛人は振り返る。『ホテルローヤル』『家族じまい』などで親子、愛憎を描いてきた著者がその究極に迫る長篇小説。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

昭和54年の銀行立てこもり事件をモチーフにした作品。凶悪な犯人の男に焦点を当てつつ、その母親と、男の元交際相手の女の人生をたんねんにつづったフィクションだ。四十路でうまれた念願の男児がどんどん粗暴に、荒れていくさまをどうしようもなくなすがままにせざるを得なかった母親。男は重大な犯罪をおかした後に親元をはなれた。大阪へ出て女に会う。母親、女の人生を狂わせながら破滅する男。男の振る舞いにときに目をそむけたくなる。著者の筆致、関西弁の巧みさでぐいぐい読ませる。舞台回しは記者たち。いい味を出していた。

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2026年06月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1979年「三菱銀行人質事件」主犯の花川清史、当時30歳。母カヨは73歳、戦前生まれ身売りされる時代に育った事で体は丈夫だが無学、と繰り返す。花川清史と暮らしていた亜紀はカヨをちっさいおかあさんと慕う。二人とも暴力ヒモ男から縁を切れない共通点を持つから、だけではない結びつきを感じた。事件も、カヨの人生も、亜紀の人生も、ブンヤの近藤、清史と同い年の海原将志も。誰一人幸せな人がいない本を書くには、桜木紫乃以外にはいない。今回の作品はずっしりキツイ読書時間だったがさすが!の素晴らしい作品。破滅-梅川昭美の三十年も読む予定。

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2026年05月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 桜木紫乃氏、「ホテルローヤル」「蛇行する月」を読み、筆力のある作家、と思っていました。さて税込2,750円の長編、どんな本に仕上がっているのか…

 題材は、昭和54年、1979年に起きた、銀行人質立てこもり事件。当時私は高校生か…この事件、テレビ中継や新聞報道で内容を知ったはず。Focus、Fridayが創刊するのは1980年以降で当時はまだ存在していない。

 本書では事件そのものにほとんど触れない。焦点は、犯人の花川清史の母、内縁の妻、の目線を主に、なぜこの男が犯行に至ったのかをゆっくりと描き出す。

 作中、描き出す側としてこの事件のノンフィクションをまとめる記者とその上司も重要な登場人物でこの作品に軸を通す存在として描かれる。犯人花川の心理を周囲の人間を描くことで浮かび上がらせる…のだが、犯人花川の実母、内縁の妻、記者、その上司、と視点が散ってしまった感がある。私の読みが浅いのか。

 作品最後段で、花川の母が骨壺をあけ、頭の骨を出すシーン。骨に銃撃された穴が開いているのを観るところ。事件後も内縁の妻が花川の母に何度か会いに行くところなど、著者の筆力を感じるシーン多数。

 こんな長編、いつの間に?と思って奥付をみたら、週刊新潮連載だった。週刊新潮、毎週読んでたのに。 

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2026年05月08日

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