【感想・ネタバレ】「正義」を考える 生きづらさと向き合う社会学のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年07月10日

功利主義の最大の問題は「普遍性」を放棄すること。
功利主義は。犠牲を正当化するケースからもよくわかるように、公平性に二義的な関心しか向けない。Cf. トローリー・ケース by イギリスの哲学者フィリッパ・フット p73

【修正功利主義】p74
「最大多数の最大幸福」のような目標を、数学ではダブルオ...続きを読むプティマム(二重最適化)という:ダブルオプティマムは、一般には解けないことが数学的にはわかっている。つまり、二つの変数を同時に極大化するような理想的状態は一般にはない。
修正功利主義は最大多数をカッコにくくって、一定の規準になる集団を決める。cf. 国益→国際政治のゼロサムゲームへ cf. ベーシックインカム

【カントの定言命法への批判―コンスタンの「殺人鬼」の例】p91

【「われわれ」の再有限化】p103
①(修正)功利主義―規準となる「われわれ」の限定
②リベラリズム―「われわれ」の無限の普遍化
③コミュニタリアン―「われわれ」の再有限化

【アリストテレス倫理学のアクラシア(Akrasia)―わかっているけどうやめられない】p122
「無抑制」:意志が弱い:わかっているけど、ついやってしまったという状態。

アリストテレスの目的因(テロス)における最高善=「不動の動者」p139

【ジャン=クロード・ミルネールは1950-60年代のフランスの左翼知識人と共産党との関係を「アキレスと亀」の喩えで描いた】p152
亀=共産党、左翼知識人=アキレス
共産党に漸近していくけども、決してそこに入ってしまったりしない。そういう構造。
Cf. プロテスタントにとっての「最後の審判」

人格的(非限定的)関係=友情、恋人、家族
物象的(限定的)関係=eg. 貨幣による取引(特定のアスペクト・機能)
Cf. タルコット・パーソンズ「型の変数(パターン変数)pattern variables」「限定/非限定」
ウェーバー、テンニエス「ゲマインシャフト/ゲゼルシャフト」p211

【二重の意味での自由】p217
①労働者が、自由な契約主体にならなくてはいけない。
②「生産手段からの自由」ということ。
「商品の物象化」(マルクス、ルカーチ)≒「抑圧されたものの回帰」(フロイト)p221

【労働者内の二極化】p236
旧来型:ブルジョアとプロレタリアートの二極化
現在:労働者階級内の二極化 Cf. アメリカの経済学者ロバート・ライシュ『ザ・ワーク・オブ・ネーションズ』
①シンボリック・アナリスト:情報の直接の生産や操作に関わる。(思想:多文化主義でリベラル)
②肉体労働者:膨大な数の周辺的な労働者。(思想:ポピュリズムや原理主義)
b/c 「一般的知性」の囲い込み

「ライプニッツ的態度」→ヘーゲル「理性の狡知」:歴史の大枠の中で、偶有的な出来事が、事後的には必然のようにしか見えない。

「裏返しの終末論」Cf. フランス政治哲学者ジャン=ピエール・デュピュイ「破局について」p276

0

「社会・政治」ランキング