【感想・ネタバレ】命のビザを繋いだ男 小辻節三とユダヤ難民のレビュー

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Posted by ブクログ 2022年10月12日

情報が少ないなか、丁寧に情報を得てまとめられた良書。ユダヤと小辻節三の関係や当時のユダヤ人にまつわるドイツとアメリカの関係性がよく分かり、いろんな謎が解けた。
この時代はいろんな立場から見える景色を知っていくと理解が深くなって面白い。その一つとして読めてよかった本。

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Posted by ブクログ 2021年11月06日

日本人って長いものに巻かれるようなイメージがあったけど、ナチスと同盟を結びつつも一線は越えないような強さがあったのだなと感じた。

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Posted by ブクログ 2020年09月26日

ホロコーストが遠い国の話ではなく、ユダヤ人を救うために尽力した日本人らがいたということは驚きでした。著者が小辻氏を知る人物と繋がりを持っていく奇跡は、ユダヤ人を救いユダヤ人に救われた小辻氏の人生と重なるものがありました。日本人にとってユダヤというものを近くに感じることができる一冊です。

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Posted by ブクログ 2018年12月21日

小辻節三さんは、杉原千畝さんとはまた違った形で多くのユダヤ人達を救った人なので、日本人として知っておかなければならない人物だと思います。
また、著者がいわゆる二世俳優と知り、見直しました。是非とも映画かドラマで制作してほしいものです。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年03月23日

小辻節三の波乱万丈の人生をここまで調べつくしてまとめられた作者の熱い思いが伝わり息つくまもなく読み通した
 ヘブライ文化・ユダヤ教の学者であった小辻は 日本での理解者は少なかった というより関心を持つ人はほとんどいなかった 太平洋戦争の開戦直前 6000人ものユダヤの難民をドイツナチスの追っ手から救...続きを読むい 安全な国に送り出すために 船の手配 そのためのビザの延長 などなど すでに日本で反ユダヤの活動をひそかに始めているナチス憲兵に悟られぬよう成し遂げた 今なら大変なニュースになるところだが当然おおやけにはできない 
 晩年は より共感してくれる人の多いアメリカで活動していた 後年 自叙伝をまとめたが これも自国語じゃなく英語で書かれている 戦争直前満州で その後日本で いかに苦しい思いをしたかがわかる 平和な時代になりユダヤの人たちとの交流復活・改宗・イスラエルへの埋葬などなどアメリカやイスラエルでは大きなニュースになった でも 日本では小さくしか取り上げられなかったという ホロコーストという暗い記憶につながるユダヤのニュースは日本ではあまり歓迎されないという こういう感覚は残念ながら自分にもある おさない頃に読んだアンネの 想像を絶する痛ましい出来事は思い出すたびに 今も胃が裏返るように痛み見つめ続けることが出来ない こういう経緯から常にユダヤ人とともにあった小辻についても日本での記録は少ない
 最晩年は日本に戻り家族とともにすごしたが この時「百年以内に(日本でも)誰か、自分をわかってくれる人が現れるだろう・・・」と二人の娘さんに語っている
 この本によってようやくその時が来たのだと思う 関係者が殆ど亡くなられて行く中で この本をまとめ上げた山田純大氏の功績は非常に大きい
 1973年(昭和48年)アブラハム小辻永眠 享年74歳
最愛の夫 父親のお墓はお参りのしやすいところに・・・と思うのが普通なのに 遺言により当時直行便もなかったエルサレムへの埋葬を受け入れたご遺族のお気持ちの大きさに頭が下がる 
 日本人にとってこんなにも誇らしい偉業を成し遂げた小辻節三の本はアンネの日記 杉原千畝の本とならび読み継がれていくと思う

この本では他に満州のことなど 生きた歴史にふれることが出来た 

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Posted by ブクログ 2016年03月14日

日本人で初めてユダヤ教に改宗し、多くのユダヤ人を救った人。見返りを求めず、素晴らしいことをされたことに、深く感動した。それを調べあげた著者の情熱もとても素晴らしいと感じた一冊だった。

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Posted by ブクログ 2015年07月31日

[命の査証、その繋ぎ手]リトアニアのカウナスにおいてユダヤ人難民たちに査証を発給し、その命を救った杉原千畝のエピソードに心惹かれた著者は、「では日本において彼等を迎えたのは誰だったのか」という疑問を抱く。残された情報が乏しい中、彼は小辻節三というユダヤ教学者に行き当たるのであるが、さらに調査を進めて...続きを読むいくと、実は小辻は難民の生死をも左右する決定的な役割を果たしていたことが明らかになり......。歴史に埋もれていた日本史と世界史の隣接点を明らかにした作品です。著者は、俳優として活躍し、『水戸黄門』や『男たちの大和』などに出演されている山田純大。


小辻節三氏については本書を読むまで、恥ずかしながら聞いたこともなかったのですが、その功績と信念に「こんな人がいたのか...」と正直驚かされました。「杉原千畝が査証を発給してめでたしめでたし...」となってしまいがちなところをさらに一歩進めた著者の関心の置き所にも感心しましたし、なによりも困難な調査や取材を成し遂げたその思いに頭が下がります。歴史の貴重な一側面を明らかにした、これまた貴重な一冊ではないかと。


また、本書の序盤に松岡洋右が携わった「河豚計画」なるものが紹介されているのですが、それがまた実に興味深い。日独の連携を深め、結果として対米戦へと舵を切る原動力の一つになったと見なされている松岡ですが、本書で明らかにされる構想(それは結果として松岡が今日から振り返ったとしても成功したとは評し得ないのですが)から、その複雑な思いの丈や彼の人間性が浮かび上がってきます。

〜小辻は日本人に対して、ユダヤ人の習慣や精神などを説明し、見方を変える努力をした。そして、このことはもう一つの意味を持つ。それは日本人にユダヤ人の正しい姿を知らせただけではなく、ユダヤ難民たちにも日本という国をきちんと紹介したことである。〜

著者の情熱というか執念がすごい☆5つ

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年06月02日

すごい人が居たものだ。
日本人初のユダヤ人。
平時であっても正しいことをするのは難しいのに、戦時中に正しいことをすることがどれほど困難であったか。

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Posted by ブクログ 2014年01月20日

6,000人の「命のビザ」を手にして日本に逃げ延びてきたユダヤ人たちを助けてあげた人がいることを知りました。
小辻節三さんというヘブライ語学者です。
彼は1899年に京都の神主の家で生まれ、クリスチャンになって牧師になります。旭川の教会で牧師をしている時、結婚した奥さんが着物を売って作ったお金でアメ...続きを読むリカに留学、ニューヨークの神学校を卒業した後車で大陸を横断してカリフォルニアへ行きヘブライ語を勉強します。
帰国後は満州鉄道の仕事で、退職後豊かな暮らしをしていたにもかかわらず、ユダヤ人を助けるために警察を買収したり、投稿警察に拷問を受けたりしながら命がけで奔走、無事にアメリカとの開戦までに神戸に滞在するそのユダヤ人たちを上海やアメリカなどに逃がしてあげることができたのです。
彼を始め、逃げてきたユダヤ人を助けた敦賀港の人々など、日本人は情け深く、勇気があるなあと感動しました。
また獄死した松岡洋右はアメリカで教育を受けたクリスチャンの政治家ですが、彼もまたアメリカとの戦争を避けることを願っていたことを知りました。
誇りに思うのは日独伊三国同盟だったにもかかわらず、日本政府がホロコーストを助けなかったことです。日本人は虐殺者では無い、人の命を助けようとする民族なのです。

最後に、読後感なのですが、素晴らしいテーマなのにかかわらずこの本は編集者によって書かれたのではないかと思いました。本人の本で書いて欲しかった。あまりにも上手な文だったからです。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年09月12日

母校の大先輩・杉原千畝さんの「命のビザ」の話はよく知っていたけれど、そのビザを持って日本にやってきたユダヤ人がその後どうなったかはあまり知らなかった。というより、日本を経由して何ごともなく安全に逃げ延びたのだろうと思いこんでいた。でもそうじゃなかった。
小辻さんは、杉原千畝の「命のビザ」を持って日本...続きを読むに来たユダヤ難民を助けるために奔走した人。アメリカで出版された小辻本人の自伝を訳し、丹念に取材をしてこの本を書いたのは、俳優の山田純大さん。その真摯な取材ぶりがすごい。

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Posted by ブクログ 2023年07月23日

ユダヤ人難民を救った日本人として杉原千畝は有名である。しかし、彼が行ったのはあくまで日本へのビザの発行だけである。それでは、彼からビザを受けた多くのユダヤ系難民はその後どのように逃げていったのであろうか?
本書では、日本に亡命したユダヤ系難民のために尽力した小辻節三の生涯を紹介しています。
本書を読...続きを読むめば、杉原千畝以外にも多くの日本人の協力があってユダヤ人の救済が実現できたことが理解できます。

【こんな人におすすめ】
ユダヤ人虐殺の歴史に興味がある
命のビザの後日談が知りたい人

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Posted by ブクログ 2020年11月20日

日本のシンドラー・杉原千畝が発行したビザでナチスから日本へ逃げてきたユダヤ人たち。ビザで許された日本の滞在期間はわずか10日で、その間に行き先の国の手配ができなければ強制送還となってしまう。そこで彼らに手を差し伸べたのが、ヘブライ語学者・小辻節三だった‥
著者は小辻節三の生き様に惹かれて、彼の家族や...続きを読む知人にインタビューし、イスラエルにまで取材に行ってこの本を書き上げた。俳優である著者がこのような本を書いていたのも驚いたが、身の危険も顧みず真摯にユダヤ人と向き合った小辻節三という人物に感銘を受け、ちょっと泣けた。
著者が言うように、彼の功績はもっと知られるべきだと思う。

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Posted by ブクログ 2018年10月20日

第二次世界大戦時にリトアニアの領事代理の杉原千畝がユダヤ難民に発給したビザで日本にやってきたユダヤ難民を最終目的地の米国やカナダなどに着けるように東奔西走した日本人がいる。それがヘブライ学者の小辻節三博士である。何故博士は日本に来たユダヤ難民を自身の危険も省みずに助けることをしたのかを追った本である...続きを読む

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Posted by ブクログ 2017年09月19日

友人に、杉原千畝さんのことに関心を持っているのであれば、是非、この人のことも知って…と勧められた本。

日本に果たして皆、辿り着けていたのだろうか、たどり着いた後はいったいどうやって生き延びていたのだろうか、ともやもやしていたので、この本でやっともやもや解消。

第二次世界大戦開戦前だからこそ可能だ...続きを読むったことなのか。戦果を逃れて自国を離れざるを得ない人たちは今もおり、理由は何であれ、世界のどこかに必ずたいへんな思いをしている人たちがいることを気に留めていたいと思います。

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Posted by ブクログ 2014年01月01日

文章にやや気になる点はあるものの、「この人のことを伝えたい」という著者の熱い思いが伝わってきます。

「命のビザ」の杉原千畝氏は有名ですが、ビザの発給を受けたユダヤの方が来日された後、どうなったかというのは指摘されてみれば確かに欠けていた視点でした。
大変な時代に素晴らしい日本人が存在したことを教え...続きを読むてくれる良著です。
松岡洋右の印象も変わりました。

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Posted by ブクログ 2013年10月24日

日本のシンドラー、杉原千畝氏が命のビザを発行した、ことは知っていましたが、
そのビザを手にした人々は、
その後どのようにして日本に来て、希望する地へ向かったのか。
小辻節三氏という、一人の学者のとった行動が記されていました。

全く知らない事実だったので、
そうなのか、そうなのか、と読んでしまいまし...続きを読むた。
日本にいる私よりも、ユダヤの人々の方が彼について知っているのでしょう。

とても勉強になりました。

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Posted by ブクログ 2013年05月30日

杉原千畝によりヨーロッパから日本に逃げてきたユダヤ人を、日本出国まで面倒を見たのが一介の市民であった主人公の小辻節三である。官憲にいじめられながら、ビザ延長など親身に世話をした。小辻氏がいなければ、杉原ストーリーも成立しなかっただけに重要な人物である。信念に基づき行動する真の勇者であるこの人を探し出...続きを読むし、この本で作家としてデビューした著者は、実は俳優である。自らの関心、疑問をもとに調査した著者も立派である。もう少し行動が遅かったら、僅かに残っていた主人公を直に知る人々に出会えなかっただろう。それらを思えば、本章構成とか感情のこもった文章などが気になったという印象は些細なことだ。本書の関係者と一緒に写真に写っている著者がいい男だとは思っていたが、なんと杉良太郎の長男だそうだ。いろいろな驚きが詰まった本である。

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Posted by ブクログ 2014年07月08日

俳優の山田純大によってまとめられている小辻節三は、有名な杉原千畝が許可した日本へのユダヤ人渡航を受け、日本側で受け入れるために奔走した人物。
何故受け入れに奔走が必要なのか?
当時日本はドイツと同盟してアメリカと戦っていた。ユダヤ人はアメリカで大きな影響力を持っていた。だから、特高もドイツもスパイ容...続きを読む疑やユダヤ国民全体の陰謀を疑って、日本でもユダヤ人を虐殺しようとしていたのだ。
後から小辻の生きざまを追ったので、そのあたりの事情は淡々と描かれている。しかし、杉原、小辻といった人たちが居なければ、日本はホロコーストに加担していたかも知れなかったのだ。
今ではそんな事情は忘れられてしまったけれど。

小辻は賀茂神社の神官の家系に生まれ、青年時キリスト教を学び晩年にユダヤ教に改宗した。
彼はヘブライの文化を教養として日本で根付かせようとしたが、高度成長の頃世間の反応は薄かった。反応が芳しかったアメリカに拠点を移すが、軌道に乗る前に末期の胃癌で日本に戻る。
日本に残していた家族の元で息を引き取った。

彼は「エルサレムで眠りたい」という遺言を残しており、第四次中東戦争の最中で空港が閉鎖されている中だったが、彼によって命を救われていたイスラエル要人の手でその願いはかなえられた。
彼は何を求めていて、日本に、家族に、ユダヤに、神に、何を見出したのだろうか。
例えば海が見える丘に、一本の木の下に、育った故郷に眠りたいというのは、分かる気がするのだけれど、エルサレムに眠りたいというのはユダヤ民族に眠りたいと言っているように思う。その心境は探りがたいと感じる。

著者の山田はハワイで育ち、学校の校外学習でパールハーバーのアリゾナ記念館に行ったという。
「俺のおじいちゃんはここでジャップに殺されたんだぜ」と言われて、悪気は感じないが、暗いとげがずっと刺さっていた。それが彼に小辻を追って、エルサレムの墓まで行かせる。
山田の言うように、人間は複雑である。ユダヤ人の自分の生徒と共にガス室に入ったドイツ人の先生もいたのだ。だが人類はホロコーストを起こしてしまった。ドイツ人の先生の例から分かるようにそれは、ドイツ人と言う人種の問題では無くて人間の、人類自体の問題である。国が、制度が、組織が非人道に走るとき個人は何ができるのか。そこで自分や、家族の命を危険に晒すことができる人間は、やはり少ないのだと思う。
小辻の戦後の失意と、エルサレムに眠りたいと言って死んだその遺言から、そのように思った。

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Posted by ブクログ 2014年04月22日

ユダヤ人に日本への渡航ビザを発行した杉原 千畝さんは有名だが、ビザを使って渡航した後のユダヤ人とユダヤ人をほかの国へ渡らせた(ビザを延長した)日本人の事が知りたいと思った筆者。調査量はすごいと思ったし興味深い内容であったが、筆者が俳優なだけに、余談も多く読みづらい部分もあった。日本に入国してからのユ...続きを読むダヤ人を助けたた小辻節三の家族について、もっと知りたかった。

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