【感想・ネタバレ】命のビザを繋いだ男 小辻節三とユダヤ難民のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年03月23日

小辻節三の波乱万丈の人生をここまで調べつくしてまとめられた作者の熱い思いが伝わり息つくまもなく読み通した
 ヘブライ文化・ユダヤ教の学者であった小辻は 日本での理解者は少なかった というより関心を持つ人はほとんどいなかった 太平洋戦争の開戦直前 6000人ものユダヤの難民をドイツナチスの追っ手から救...続きを読むい 安全な国に送り出すために 船の手配 そのためのビザの延長 などなど すでに日本で反ユダヤの活動をひそかに始めているナチス憲兵に悟られぬよう成し遂げた 今なら大変なニュースになるところだが当然おおやけにはできない 
 晩年は より共感してくれる人の多いアメリカで活動していた 後年 自叙伝をまとめたが これも自国語じゃなく英語で書かれている 戦争直前満州で その後日本で いかに苦しい思いをしたかがわかる 平和な時代になりユダヤの人たちとの交流復活・改宗・イスラエルへの埋葬などなどアメリカやイスラエルでは大きなニュースになった でも 日本では小さくしか取り上げられなかったという ホロコーストという暗い記憶につながるユダヤのニュースは日本ではあまり歓迎されないという こういう感覚は残念ながら自分にもある おさない頃に読んだアンネの 想像を絶する痛ましい出来事は思い出すたびに 今も胃が裏返るように痛み見つめ続けることが出来ない こういう経緯から常にユダヤ人とともにあった小辻についても日本での記録は少ない
 最晩年は日本に戻り家族とともにすごしたが この時「百年以内に(日本でも)誰か、自分をわかってくれる人が現れるだろう・・・」と二人の娘さんに語っている
 この本によってようやくその時が来たのだと思う 関係者が殆ど亡くなられて行く中で この本をまとめ上げた山田純大氏の功績は非常に大きい
 1973年(昭和48年)アブラハム小辻永眠 享年74歳
最愛の夫 父親のお墓はお参りのしやすいところに・・・と思うのが普通なのに 遺言により当時直行便もなかったエルサレムへの埋葬を受け入れたご遺族のお気持ちの大きさに頭が下がる 
 日本人にとってこんなにも誇らしい偉業を成し遂げた小辻節三の本はアンネの日記 杉原千畝の本とならび読み継がれていくと思う

この本では他に満州のことなど 生きた歴史にふれることが出来た 

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Posted by ブクログ 2015年06月02日

すごい人が居たものだ。
日本人初のユダヤ人。
平時であっても正しいことをするのは難しいのに、戦時中に正しいことをすることがどれほど困難であったか。

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Posted by ブクログ 2013年09月12日

母校の大先輩・杉原千畝さんの「命のビザ」の話はよく知っていたけれど、そのビザを持って日本にやってきたユダヤ人がその後どうなったかはあまり知らなかった。というより、日本を経由して何ごともなく安全に逃げ延びたのだろうと思いこんでいた。でもそうじゃなかった。
小辻さんは、杉原千畝の「命のビザ」を持って日本...続きを読むに来たユダヤ難民を助けるために奔走した人。アメリカで出版された小辻本人の自伝を訳し、丹念に取材をしてこの本を書いたのは、俳優の山田純大さん。その真摯な取材ぶりがすごい。

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