あらすじ
深夜3時42分。母を殺した娘は、ツイッターに、
「モンスターを倒した。これで一安心だ。」
と投稿した。18文字の投稿は、その意味するところを誰にも悟られないまま、放置されていた。
2018年3月10日、土曜日の昼下がり。
滋賀県、琵琶湖の南側の野洲川南流河川敷で、両手、両足、頭部のない、体幹部だけの人の遺体が発見された。遺体は激しく腐敗して悪臭を放っており、多数のトンビが群がっているところを、通りかかった住民が目に止めたのである。
滋賀県警守山署が身元の特定にあたったが、遺体の損傷が激しく、捜査は難航した。
周辺の聞き込みを進めるうち、最近になってその姿が見えなくなっている女性がいることが判明し、家族とのDNA鑑定から、ようやく身元が判明した――。
髙崎妙子、58歳(仮名)。
遺体が発見された河川敷から徒歩数分の一軒家に暮らす女性だった。夫とは20年以上前に別居し、長年にわたって31歳の娘・あかり(仮名)と二人暮らしだった。
さらに異様なことも判明した。
娘のあかりは幼少期から学業優秀で中高一貫の進学校に通っていたが、母・妙子に超難関の国立大医学部への進学を強要され、なんと9年にわたって浪人生活を送っていたのだ。
結局あかりは医学部には合格せず、看護学科に進学し、4月から看護師となっていた。母・妙子の姿は1月ころから近隣のスーパーやクリーニング店でも目撃されなくなり、あかりは「母は別のところにいます」などと不審な供述をしていた。
6月5日、守山署はあかりを死体遺棄容疑で逮捕する。その後、死体損壊、さらに殺人容疑で逮捕・起訴に踏み切った。
一審の大津地裁ではあくまで殺人を否認していたあかりだが、二審の大阪高裁に陳述書を提出し、一転して自らの犯行を認める。
母と娘――20代中盤まで、風呂にも一緒に入るほど濃密な関係だった二人の間に、何があったのか。
公判を取材しつづけた記者が、拘置所のあかりと面会を重ね、刑務所移送後も膨大な量の往復書簡を交わすことによって紡ぎだす真実の物語。
獄中であかりは、多くの「母」や同囚との対話を重ね、接見した父のひと言に心を奪われた。そのことが、あかりに多くの気づきをもたらした。
一審で無表情のまま尋問を受けたあかりは、二審の被告人尋問で、こらえきれず大粒の涙をこぼした――。
殺人事件の背景にある母娘の相克に迫った第一級のノンフィクション。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
父親が家庭にいない母娘の関係性で苦労する部分が如実に出ていた。自分もそうだからかもしれないが、母親は何とか自分の娘を素晴らしいものにする、というある種の義務的感覚があり、良く言えばレールをしき、悪く言えば圧力をかける。娘は娘で自分で生きていきたい気持ちと唯一無二の育ててくれた母親という存在を大切にしなきゃ、の間で葛藤する。お互いに思いやりをもってお互いの幸せを見つければいいはずなのに、二人でいることがより依存を生み出し、お互いに理想を押し付け合い、自分の期待にならずに衝突を繰り返す。他人であればそこまでの熱量もないはずなのに、家族だからなのか、距離感がわからなくなる。
殺害や死体遺棄、その他の通常の思考では考えつかないことの数々には納得できなかったし、自分の意見を相手に納得するような交渉術や周りに助けを求める勇気があれば少なくともこの惨事にはならなかったのでは、、といたたまれなくなったが当事者にしかわからない。母娘の関係についての最適解を模索する人達は多いだろうと思ったし、私もそのひとりだった。裁判を通して支えてくれる人の存在から1人ではないことを知り自分自身を見つめ直すことができてよかったと思う。
母親のプライドや周りからの評価をあまりにも気にする性格は、その年代で多いのだろうか、、?昨今では周りからの評価を狂うほど気にする人が減ってきているように思うが、やはり年齢を重ねる毎に執着が生まれるのだろうか。
母親の生い立ちや背景も知りたいと思ったし、今回の事件は娘視点ですべて描かれているが、叶わないことは分かりながらも母から見えていた世界はどんな風だったのか気になった。
そして、裁判長からの言葉でもあったこの先は自分自身の人生を歩んでください。という言葉、本当にこの言葉に尽きると思った。重くのしかかるものと報われたものとを感じた。今まですべての指針立てられていた人が自分自身で歩むことは容易くないと思うが、どうか孤独であっても孤独ではないことを忘れず生きていって欲しい
Posted by ブクログ
僕は1人娘の父親で、あかりと同じ家族構成だ。直近で「母子」の関係を観察していて思うのは、やはり父子との関係とは何癖も違う、煩わしさも、愛情も、親密さも、何もかも不便で且つ深くも歪だったり真っ直ぐだったり、シンプルとは真逆の縺れた関係だなと思っています。一歩間違えただけで、高崎親子の様になっても不思議ではないなと読み終わった今ひしひしと感じていますが、これまた不思議とそれに対する恐怖がないのは、2人を僕が支えていくという覚悟があるからです。
母子2人の問題であるが、家族という括りで言うとそこから逃げてしまった父も勿論、罪の意識をあかりと同様に、多分それ以上に感じているからこそ、大ごとになって、ようやく自分の存在について気がつき、罪滅ぼしとしてあかりに対する献身的な行動をしている事が読み取れます。
母が、あかりが、父が、どうすべきだったかという当事者にしかわからない事を、一読者では想像しても及ぶわけがないので、そういう発言は控えますが、
罪を償った後、新しい人生をお2人でしっかり築いてほしいなと思います。
本の感想としては、事実が淡々と事細かく書かれていて、読みやすく人物像もしっかり浮き彫りになっていて最後まで引き込まれていました。前半は兎に角怖かった。読むのが億劫になるくらい、事実が赤裸々に描かれていて怖すぎました。読み進めていくと、恐怖よりも自分事の様に事件の全容を理解したくなり、この本の文章を一生懸命追っていました。間違いなく星5の作品でした。とても面白かった。
Posted by ブクログ
現代日本を取り巻く学歴社会が産んだ事件と言えるだろう。この作品を読んだ人は関心こそすれ、どこか他人行儀めいたところがあるのではないだろうか。しかし、この本は事実発生していて、明るみに出たのがこの事件であるだけで、実際はもっとあるのだろう。親からの虐待の数は種類が多数あり、過剰な教育方針も虐待となりうるだろう。何故母親は暴走し、娘に手をかけられるまでに至ったのか。その前に変わることはできなかったのか。昨今人を取り巻く環境が大きく変化する中で、大学などの受験は多くの子供が経験することで、言い換えれば多くの親が経験することである。親からすればいい学校に入ることが人生を好転する機会であり、子供からすればいい学校に入ることが人生の展開に影響するとは考えていない。この差が学歴社会の中で問題となっている事実だろうと考えた。
Posted by ブクログ
この事件を知った時、「逃げれば良かったのに」って思った。でもこの本を読んでわかった。何度も逃げたんよね。探偵を使って連れ戻される。家出しても、寮付きのとこに就職しようとしても、連れ戻されるんよね。プライベートもない。そりゃ、頑張る気力も無くなるよな。
ずっと読みたかったけど、うちは母と仲がいいだけにこのタイトルの本を家に置くのに躊躇いがあって買ってなかった。友達からオススメで借りたので読めた。
読んでよかった。知ることができてよかった。
ただ、長期間この本の世界にいるとガチ病んでくる。
2週間かけて読んだけどしんどかった。
お母さんは、あかりさん(仮名)の色んな可能性の芽を潰してきたんだろうなと思う。少なくとも、手術室看護師になる芽は確実に潰れた。検事や弁護士の可能性だって。小説を書く可能性も。母という呪縛がなければ、どんなに羽ばたいていただろう。別に羽ばたいていなくてもいい。普通に一般的な生活ができていればいい。
34歳やってさ。私と同い年。
34歳なんて普通だったら、セカンドキャリアを考えたり、結婚、出産も考える歳なわけよ。
お母さんはそれらを全て潰して、自分の思うままになって欲しかったってわけよ。狂ってる。
『私が死ぬか、母が死ぬまで終わらない』
少なくとも、自ら命を断つわけじゃなく、相手を消す方向に向いてくれて…良かったって言い方は間違っているかもしれないけど、強い人だなって思う。これだけ我慢してきて、本当に限界やったと思う。どんな人だって、同じ運命を辿ったらきっとそうなってた。
やっぱり子どもって、学生って逃げ場がない。家庭って閉鎖的。助けを求められる場所がない。自分が「虐待を受けてる」ってそもそも気付けない。
この方は気付いて、逃げ出し助けを求めたけど、自分が本当に助かるところまで行けなかった。
お母さんもしんどかったとは思う。
もうこうなったら第三者の手が入らないと無理よ。
誰かが厚かましく引き離さないと。
簡単にいうわけじゃないけど、お母さんを心療内科に連れて行く人がいれば変わったかもしれん。そんな簡単なことじゃないけど。お父さんも限界だっただろうし、おばあちゃんも別の生活があるし。
愛がまったくないわけではないけど方向が違うし、愛が形を変えたし、みんな見て見ぬ振りをしてたのかなって。
自分の近くにもこういう環境があるのかもしれない。
隣の家がこうって可能性もあるよな。
2013年12月の『あかりの置き手紙』「一世一代の大嘘」これが1番ゾッとした。鳥肌たった。怖すぎる。
医学部にこだわってたのはまだ分かる。でも、なんで助産師にそんなにこだわってたんやろう。手術室看護師めちゃくちゃかっこいいのにな。自分の適性をちゃんと判断して、自分の道を歩こうとしてたのにな。
「母の本意が分からない。そもそも、なぜ母が助産師にそれほどこだわるのかも。あかりにははっきり理解できていなかった。」
でもそりゃそうよね。あかりさん(仮名)が分からんなら、私らに分かるわけない。
たぶん、あかりさん(仮名)じゃなかったら、もっと酷い状況やったかもしれない。もっと早くに自ら命を絶ってたかもしれん。なんぼでもタラレバは考えちゃうけど、無理よこんなん。
出所されたら、自分本位に生きてほしい。
好きなことをしてほしい。幸せになってほしいって心から願ってる。
この本を届けてくれた齊藤彩さんにも感謝。素晴らしいまとまり方で心に届いた。
最後の『文庫版に寄せて』を読むと、本の感想を受け取ったあかりさん(仮名)の気持ちの変化が書いてある。
こんなに辛い思いをしてきて、「苦しみ悩むあなたに寄り添いたい」って、立ち直りを支援する人になりたいって、思ってくれてる。すごい人や。応援したい。
Posted by ブクログ
日々報道される殺人事件を目にするたび、「どうすればこの結果に辿り着かずに済んだだろうか」と思うことばかりだ。
人を殺さずに済むのなら、それが双方の人生にとって一番いいルートに決まっているからだ。
だけど時折、そのルートが見えなくなることがある。
生きている環境、認知能力、世間体や倫理観なんかが目を覆って、一番のルートが分からなくなってしまう。
死んだほうがマシ、殺したほうがマシって思ってしまう。
私には、そういうことがある。
だから、不遇な環境に生まれ育った結果、逃げるように罪を犯す者たちを、私は他人事だと思えない。
自分と、日々報道される加害者たちは、紙一重の存在だという意識が私には強くある。
古本屋で本書を目にしたとき、私はこれを読んでおかなければいけない、と思った。
母との関係に悩み続けている私の、パラレルワールドだと思いながら読むことにした。
狂気とも呼べる母の呪縛。
生まれた時から塗り替えることができない、血縁という関係の強固さ。
家族だから大事にするべき、育ててもらったのだから逆らってはいけない、といった否定しにくい倫理観。
これがもし私の人生だったら、私はどうすれば良かったんだろう?
逃げ道はあっただろうか?
これからを生きていくヒントを、私は見つけなければならない。
一度読むだけではまだ、そのヒントは見つかっていない。
Posted by ブクログ
1日もかからず夢中で読み耽った。
大学一年生の頃から単行本で気になっていて、読みたい本リストにあったが、ようやく文庫化されてついに読めた。
母親が怖すぎる。子どもの進路って、必ずしも親の期待通りにいくことはなくて、むしろ置かれた場所で咲こうとしていたあかりさんを誇らしく思うべきなのに、母はずっと当初の目標や結果にしがみついていたのが悔やまれる。
人生って、結果やステータスで判断できるほど簡単にできていないと、歳を重ねるにつれて強く実感することが多い。その逆を言うと若い頃、特に中高生の時は結果やステータスが全てだと思っていた。
母はもう親である前に人として成熟すべきであった。もちろん期待して裏切られることで山積したあかりへの憎悪を汲んでも、ちょっと行き過ぎている。
あかりが人を信じられ、褒め言葉をそのまま受け取れるようになった。母が死んだことで人生を歩めるようになった。これはその通りだと思う。
身につまされるような本だった。子育てって、虐待と表裏一体だなと。
Posted by ブクログ
書店で装丁と題名に惹かれて。
知ってはいた事件だけど内情を知ると辛くて苦しくなった。家族の中でも母と娘って特別な関係だと思っててだけどそうじゃない家庭ももちろんある中で、ここから逃げ出すにはその方法しか無かったことがほんとに悲しい。新しい人生、その人らしく歩けて行けますように。
Posted by ブクログ
ものすごく迷ったけれど星5
あまりに辛い話だったので、どの部分に5をつけたらいいのかわからないけれど、あかりさんを応援したい気持ちが大きくて5!
ノンフィクションだと思わずに、読み始めてしまい、あかりさんの自筆の手紙の写真のところで、やっとノンフィクションだと気付くという。。
実話と物語では受け止め方が全然違うわけで、一瞬身構えたが、読み進めることに。
途中、あまりにひどいお母さんの仕打ちに目を背けたくなるほど。信じられない罰の与え方に、同じ母親として許せない思いで、気持ち悪くなった。
でも、自分はここまでではなくとも、娘の自由を奪っていないか?娘は顔色を見ていないか?と我が身を振り返ったり、いろんな人の立場や思いに寄り添いながら最後の最後まで読みました。
とにかくあかりさんを応援している。10年経っても、まだまだ若い!いくらでもやり直せる!
今度こそ自分の心に素直に、自由に幸せに感じる瞬間をたくさん味わいながら生きてほしい!!
Posted by ブクログ
殺害したあとする真っ先にすることが、逃げるでも、旅行するでも、贅沢をするとかでもなく、
ドラマを見るだったことに、言葉にできない感情を抱いた。
そんな普通なことも許されないくらい、息苦しい生活だったと思う。
諸悪の根源なんて言葉、娘に対して、いや人に対して発していい言葉じゃない。
これからの人生が、自由でのびやかなものでありますように。
Posted by ブクログ
物事は断片では判断できない。
何が彼女をそうさせたのか、何が母親を狂わせたのか。
じゃあ、どうすればよかったの?
私が犯人なら、そう言ってしまうと思う。
やっぱり、社会からの孤立は人を狂わせる。
何が異常なのかがわからなくなる。
Posted by ブクログ
人を殺める事はどんな理由があってもしてはいけないことだけれど、
彼女を批判する理由が見つからないのが率直な感想かもしれない
私自身も娘のいる母という立場
母と娘どちらの気持ちも多少なりとも理解できたり共感できたりする
このような事件があった事をこの本で知り、加害者の言葉で真相を知ることができ深く考えさせられた本でした
こんな結果にはなってしまったけれど彼女が生きていてくれて良かったと心から思った
Posted by ブクログ
裁判長のあの言葉、読んでいて泣きそうになった。
ここまでよく耐えれたな、私なら自殺していた。
評価していいものなのか、、と悩んだが、
あかりの今後は明るい未来である事を願って、星5とする。
あかりには、絶対に幸せになって欲しい。今までできなかった事をとことん楽しんで生きてほしい。
Posted by ブクログ
内容はとても苦しかったが、一気に読んだ。
こんなに時間もお金をかけているのに、、すべて子供のためなのに、、という気持ちは程度の差はあれ、感じたことのある人は多いのではないか、自分にもあったりする。でもやはり子供は自分ではなくて別の人間ってことを理解して尊重することが大事なのだなと改めて思った。
ラストのあかりが罪を認めるあたりから、涙が出てきた。人に認めてもらえること、理解をしてもらえること、信頼をされること、が、どれほど重要なのかと改めて思った。
Posted by ブクログ
【2026年90冊目】
「モンスターを倒した。これで一安心だ」河川敷で発見されたバラバラ死体。逮捕されたのは医学部を9浪していた31歳の娘だった。実在の事件を元に書いたノンフィクション小説。
強烈でした。「行き過ぎた教育」なんてものじゃない。母親がどうしてこうなってしまったのか、理解できないし、したくもないほどの毒親でした。幼少期から看守と囚人のような暮らしを強いられ、それが当たり前のことだと洗脳され、心を抉られるような言葉を投げつけられながらも、必死に生きていた娘。こんなにも酷い親があっていいのか、とこっちまで心を抉られるようでした。
娘さんからしたら、そんなことはないって感じかもしれませんが、これは父親も相当罪深いんじゃないかと思います。家族のかたちがスタートから破綻しているまま、ここまで来てしまったと感じました。コミュニケーションが体をなしてなさすぎる。本当に、気の毒とか可哀想とか、そんな言葉では表せない。なんと言ったら良いかわからない。
母親は自分のことしか見ていなかった。自分本位で、なのにそれを強いて、期待にそぐわなければ罵るという、もう、全然意味がわからない。母親はどういう環境で育ってこうなったんでしょうか。考えてもきっとわからない問いを、これから先も娘さんが考え続けることになるのかと思うと…。
どうか、出所後は自分の人生を生きて欲しい。切に願うばかりです。
匿名
殺害された母親の側の気持ちはわからないし、
娘のしたことはもちろん決して許されることではないのだけど、
娘はどうすればあの環境から逃れることができたのだろう…?
そう思うと、心が苦しくなる。
Posted by ブクログ
母親には全く同情の余地はない。
もう出所してるのかな、これからは本当の意味で自分の人生を歩んでほしい。
兄弟とかいたらまた違った結果だったのかな。
Posted by ブクログ
久々に夢中になって一気に読んだ本。
正直この母親に1ミリも同情できないし、むしろ娘に対して殺人よりも深い罪を犯しているように思えた。
娘のことを一度も褒めたことがないだけでなく、うざい、豚、デブ、死ねばいいのになど、母親が最も言ってはいけない言葉を日常的にぶつけ、決して娘を自由にさせない過剰な束縛は、娘から人としての尊厳を奪っている残虐な行為だと思う。
これは物理的に殺してはいないけれど精神的殺人と言えるぐらい罪深いのではないだろうか。
娘のあかりさんはこんな人格の存在と衣食住を共にしていただけでも偉いのに、勇気を出して何度も逃げようと試みるなど正常な判断力を失わず、母親を異常だと思いながらも一緒に居続けたことから賢明で慈悲深い人なんだろうと思った。
でも家族だったら、母親を半強制的に精神科に入院させるとかそんな考えに至らないのが通常なのだろうか…
こうして外から眺めているとどうして?と思うことばかりだけど、当事者になってみないと分からないことがたくさんあるんだろうな。
人間はそんなに冷静になれないし強くない。ことさら家族の問題は先代から続いてる問題も絡み合っていて単純ではない。この母親の生い立ちを読んであらためてそう思った。
愛情にはいろんな形があっていいと思うけど、明らかに間違っている愛情表現はある。
子供の尊厳が見直されている現代、今現在もこれからも悲しい思いをする子供が少しでも減っていきますように。
Posted by ブクログ
本当にどうすることも出来ないというもどかしさが残りました。母親もですがこのような学歴社会や周りが手を差し伸べることが難しいこんな世の中にも憤りを感じます。
死人に口なしですが、母親の思いや生い立ちも気になりました。
Posted by ブクログ
父親と弁護士、裁判官の対応が自供のきっかけになったという部分がとても興味深かった
頑なな人の心を溶かすのは、理解して貰えたという実感、他者や社会へ畏れというか謙虚さの念、つまり感謝なのかな
母親がいなければこんなに平穏なのにという気持ちと、
白黒つけずにグレーのまま受け入れ、「無理に母の心情を理解しようとせず、母に寄り添っていたら」あかりが心変わりしたのと同じように、母の心情にも変化があったのだろうか…?
母親の育ちや学歴への拘りの背景、きっかけも気になる
引用
「最後に訊くで。あなたに、良くも悪くも多大な期待をかけていたお母さんがいたね。
そんなお母さんに対して、いまどう思いますか。」
Posted by ブクログ
家族間の問題でも周囲の人間に頼っていいはず、だけど特に幼少期から毒親に育てられたらそんな発想は抱かないよなあ。
あと父親がもっと家族と向き合っていればと思わずにはいられない。
終盤、娘が捕まってすぐの心の反応に、母親と共通する性質が少し垣間見えたのはゾッとしてしまった。
Posted by ブクログ
医学部や京大にこだわるのに、9年浪人はいいのか、とか、それってもはや娘の幸せではなく自分の幸せだろう、とかいろいろ母親の価値観に?マークの嵐。途中、これが本当に起きたことだって信じられなくて、なにか胸くその悪い物語を読んでいるのかと錯覚した。家族とは、シンドいときの拠り所になるはずなのに。相談できる人がいれば違った結果になったと信じたいけど、母親の束縛から解放されるのは、相当大変だろうなと思った。被害者がなにを考えていたのか、というような資料がLINE以外にもあれば良かった。
Posted by ブクログ
心に暗い雲がかかるような気持ちになる話だった。
何度か読んでいて息苦しくなって、本を閉じたりもした。
子供が産まれて、これから先どんな風に関わるのが良いのか、考えるためにも読んでみたいと思っていたけど、文字になった2人の日々はあまりにも酷くて、どうしたら防げたんだろうと苦しかった。
刑務所で言われた、あなたは常に二択なんですね、という言葉。母もまたそうだったのだろうな。強い理想と、理想通りにならない娘。その理想を淡く緩やかに調整することはできず、マルかバツで判断してしまう。常にバツの方に行く娘。どうして、なぜできない、なぜ分かってくれない。
母からの目線での話は無く、どのように思っていたか本当のことは分からないけど、母も苦しんでいたのだとは思う。とはいえ、ひどい。身内であっても絶対に言ってはいけない言葉がたくさん吐かれていた。
どちらも悪く、どちらも悪くない。誰かが間に入って、2人きりの世界を壊してくれていたら。なんなら父や祖母が、もっと無理矢理にでも干渉していたら。。。
自分の子供との関わり方について、自分の性格も含めて(自分も理想を強く持つタイプだと自負している)、改めて考えたいと思った。
Posted by ブクログ
2026/08/08〜2026/08/13
読み終わって、Twitter検索したら残ってたので新しい方からちょっとだけ漁らせてもらった。
普通の上川隆也ファンの女の子で、ドラマ毎週楽しみにしてたんだろうなっていうようなのが残ってた。
本当にお疲れ様でしたという感想しか出てこない。
そこに深い意味はなく、言葉通りの意味、労いの意味で。お疲れ様でした。
Posted by ブクログ
実話と思えないほど壮絶な母と娘の物語。
毒親とは一言で片付けられないほど、母の思考が歪んでいると感じた。
ここまで娘を追い詰めるとは。
これから母になる身としてとても考えさせられる事件。
娘が出所後自分の人生を生きれることを願う。
Posted by ブクログ
重くて心にくる話だったけど、最後まで読む手が止まらなかった。
ずっと娘に同情していたし、殺すことを肯定するつもりはないけど、自分が同じ立場だったら同じことをしていたかもしれないなと思った。
いや、でも自分だったら、その前に心が折れてしまってる。
母親の本当の気持ちは娘の視点からしか分からないから、すべてを一方的に決めつけることはできないけど、それでも娘が置かれていた環境は本当に苦しかったと思う。
だからこそ、今まで人を信じることができず、母親に対して嘘をつき続けてきた娘が、最後に人を信じてみようという気持ちを持てたこと、そして自分の本当の気持ちを打ち明けられるようになったことは、本当によかったと思う。
重い話だったけど、最後には少しだけ救いを感じられる作品だった。
Posted by ブクログ
ノンフィクションで衝撃的な内容だからか、あっという間に読んでしまった。
娘として、母として、思い当たるところが多々あった。
自分の大学受験は思うようにいかず、高三の頃も仮面浪人中も母親から罵られていた記憶がある。当時の関係は最悪だった。小学生の頃は母が好きだった。中学生になると、夜遅くまで働く母に気にかけてもらいたくて優等生を演じていた。高校は楽しすぎて勉強もせずに遊んでばかりで、母親に嫌われるよりも楽しい方へ流され、母の期待から大きく外れ、毎日罵倒されるようになった。思えば母は更年期だったのかもしれない。母から逃れたい一心で、下宿必須な大学へ仮面浪人の末入学。それからは劇的に関係は改善した。
結局、親は子どもと離れれば心配になったり寂しくなったりするということなのだろう。自分の所有物という感覚もあるのか?
自分が母となり、かわいくて仕方のなかった息子が中学受験をする頃になると、わたしは本人のためだと言いながらスマホやiPad、ゲームを取り上げて勉強させようとした。隠れてゲームをしたり漫画を読んだりしているのを見つけた時は半狂乱になって怒っていた。5年経った今思うと、反省点はいっぱいある。ただその瞬間は子どものことを真剣に考え、必死だったのは間違いない。結果志望校に受かるも、不登校の時期があって、その時も取っ組み合いの喧嘩をし、あの時も子どもの人生をなんとかせねばと必死だった。他人の話だと、どうしてそこまで、と思えるのに、我が子への執着はすごいものだ。大学受験は口出しせずに穏便にいきたいと願う。。。
いま、子どもの立場で母親との関係に悩む人は、母親が諦めるまで反抗したらいい。わたしは首を絞められて諦めた。でも中学の退学届を出す寸前で、息子は突然変わった。自分の人生は自分で切り開くしかないとやっと目が覚めたようだ。
もっと剥き出しにしてもいい。母親は自分を見失っているだけ。溜め込まずに発散して、諦めさせましょう。
もうすぐ息子は大学受験だが、その前にこの本を読み、客観的な視点で思い返すことができて良かった。
大学受験は本人に任せよう。がんばれ息子。
Posted by ブクログ
星3.5
ノンフィクションとのことだけど、なかなか強烈でした。思わず◯人を肯定してしまいたくなる、想像を絶する親からのある種のハラスメント、自分なら間違いなく耐えられない。