あらすじ
深夜3時42分。母を殺した娘は、ツイッターに、
「モンスターを倒した。これで一安心だ。」
と投稿した。18文字の投稿は、その意味するところを誰にも悟られないまま、放置されていた。
2018年3月10日、土曜日の昼下がり。
滋賀県、琵琶湖の南側の野洲川南流河川敷で、両手、両足、頭部のない、体幹部だけの人の遺体が発見された。遺体は激しく腐敗して悪臭を放っており、多数のトンビが群がっているところを、通りかかった住民が目に止めたのである。
滋賀県警守山署が身元の特定にあたったが、遺体の損傷が激しく、捜査は難航した。
周辺の聞き込みを進めるうち、最近になってその姿が見えなくなっている女性がいることが判明し、家族とのDNA鑑定から、ようやく身元が判明した――。
髙崎妙子、58歳(仮名)。
遺体が発見された河川敷から徒歩数分の一軒家に暮らす女性だった。夫とは20年以上前に別居し、長年にわたって31歳の娘・あかり(仮名)と二人暮らしだった。
さらに異様なことも判明した。
娘のあかりは幼少期から学業優秀で中高一貫の進学校に通っていたが、母・妙子に超難関の国立大医学部への進学を強要され、なんと9年にわたって浪人生活を送っていたのだ。
結局あかりは医学部には合格せず、看護学科に進学し、4月から看護師となっていた。母・妙子の姿は1月ころから近隣のスーパーやクリーニング店でも目撃されなくなり、あかりは「母は別のところにいます」などと不審な供述をしていた。
6月5日、守山署はあかりを死体遺棄容疑で逮捕する。その後、死体損壊、さらに殺人容疑で逮捕・起訴に踏み切った。
一審の大津地裁ではあくまで殺人を否認していたあかりだが、二審の大阪高裁に陳述書を提出し、一転して自らの犯行を認める。
母と娘――20代中盤まで、風呂にも一緒に入るほど濃密な関係だった二人の間に、何があったのか。
公判を取材しつづけた記者が、拘置所のあかりと面会を重ね、刑務所移送後も膨大な量の往復書簡を交わすことによって紡ぎだす真実の物語。
獄中であかりは、多くの「母」や同囚との対話を重ね、接見した父のひと言に心を奪われた。そのことが、あかりに多くの気づきをもたらした。
一審で無表情のまま尋問を受けたあかりは、二審の被告人尋問で、こらえきれず大粒の涙をこぼした――。
殺人事件の背景にある母娘の相克に迫った第一級のノンフィクション。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
昔、自分は野洲川近くに住んでおり、家族でショッピングに行く時はバスで野洲川にかかる橋を渡ったものだ。ショッピングに行く日は天気が良い日だったからか、野洲川はいつもきらきら輝いていた。
この「娘」である主人公にしてみれば、野洲川は全く違った印象として心にあるのかもしれない。
小説と思って読みたいノンフィクションだった。実話だと思うとやり切れない。どうしてこの母親はこういう母親だったのか、主人公本人もおそらくこの先ずっと、完全に理解することは難しいだろう。やり場の無い、とか、虚しい、とか字面で並べても現実が重すぎて薄っぺらく感じる。
新たに罪を認め、犯情やその背景が詳らかになったことで刑が軽くなることがあるとは知らなかった。それがこの事件の性質を如実に表しているのだろう。
この主人公が誰かを救うことのできる未来が来ますように。
Posted by ブクログ
あまりにも衝撃的な内容だった。本作の中で引用されている母と娘のラインを読むだけで胃が痛くなってくる。全く無関係の私が文字上で読むだけでこれなのだから、実娘にして同居人、教育虐待の被害者であるあかりさん(本事件の犯人)がこれらを受け取った時の心労や苦しさはいかばかりだろう。正直想像もつかないし、想像することで彼女の苦痛を矮小化してしまうのすら烏滸がましいとすら思える。
あかりさんは母親を殺したことを悔いていて、「もっと周囲や身内と話すなどすれば、このような結果に終わらなかったのでは」と内省されているようだ。それ自体は刑務所のプログラムの正しい成果なのだろうとは思うが、しかしこの母親を前にこれ以外であかりさんが開放される術はあったのだろうか、とどうしても考えてしまう。それぐらいあまりにも母親があかりさんに依存し束縛し自他境界を崩壊させて寄りかかっていて、こんなものどうしたらいいんだ、という口汚い感想が出てきてしまう。本当にあかりさんは9年もよく耐えたと思う。私なら1年も持たずに狂っている。それでもやはりあかりさんにとっては母親で唯一の人でもあったのだろうなと思う。本当に「どうすればよかったのか」という気持ちになってやり切れない。
頼むからこれからあかりさんの人生に幸せなことが沢山起こりますように、と願わずにはいられない。幸い父親が非常に献身的にあかりさんをサポートしてくれているとの事でほんのわずか救いになった。全く何の関係もない無責任な発言ですまないが、あかりさんのこれからの人生が明るいものであることを祈っている。
Posted by ブクログ
■あらすじ
滋賀医科大学生母親殺害事件で、母を殺害して服役中の娘を取材したノンフィクション。
ブラック・ジャックに憧れて医者という夢を持ち、医学部受験を志すが、母子家庭で常軌を逸した教育ママの元で何度も受験に失敗し、9浪の末に看護学部に入学するも、外科看護になりたいという希望は認められず、絶望の末に母を殺害し、バラバラにして遺棄してしまう。
■感想
母とのLINEは、もし母にこんなこと言われたら心が壊れるだろうと思うくらいに辛かった。再犯の余地も無いのに彼女が服役する理由はなんだろうか。
・父はこの環境から救い出してあげることはできなかったのだろうか。
・裁判長の言葉で彼女の心が氷解したのなら、もっと早く差し伸べられる手があったのでは。
・あかり自身に中高の友達がいて相談できたら良かったのにとも思った。家庭環境から嫌厭されたのだろうか。
・LINEゲームが趣味で娘の受験が全て、という母親像にはどこか共感するところもあった。娘の受験以外の依存先を見つけられないとこうなるのかもしれない。もし自分が子育てをするとして、こうならないと言い切れない気持ちになって怖かった。
Posted by ブクログ
生々しい描写も多く、途中で何度もリタイアしようかと思った。
「母親」という医学部・助産学校への執着から来る呪縛、「娘」という約束を守れない、約束に囚われる牢獄。二人とも苦しんでいたんだなと思う。
一時の「普通の母娘像」は安らぎだったのかもしれない。しかし、それも一時だけの。
これから、呪縛から解き放たれ、自分の人生を歩んでいってほしいと思った。
Posted by ブクログ
ものすごく壮絶な本なのかと思っていたが、心の底から読んでよかったと思えました。
自分がどれだけ、恵まれた環境で生きてきたのか、そして、あかりさんのように苦しんでいる人がいること。
最後の方は、わたしも涙を流しながら読みました。
Posted by ブクログ
すごい本だった。読んでよかった。ありのままの自分でいられて、周りに受け止めてもらえることがどれだけ幸せなことかつくづく感じた。
この母親は、そのまた母親に半分捨てられたように育ち、自分が優秀な価値ある娘であると、自らの娘を使って自分の母親に認められたかったのかも、と感じた。不幸の連鎖がそこから始まってるきがした。
Posted by ブクログ
母を殺害した娘についてのノンフィクションだが、娘の学力が高い故か、母と娘のLINEのやり取りや、娘が書いた手記などの文章力が高く、かつリアルで、非常に読み応えがあり、面白い。
娘を産んだばかりだったので、もしかしたら読んで暗い気持ちになるかなと思ってたけど、この母がかなり酷くて私にとってはリアリティがなく、ドン引きしながら逆に軽い気持ちで読めた。
自分も若い時は実母に色々思うことがあったりしたが、本物の毒親というのは凄まじいなと、娘のあかりさんにかなり同情した。
あかりさんは、罪を犯したことは良くないけれども、雑居房では周囲の受刑者に読み書きや翻訳を手助けしていたところからも、優秀で真面目な方なのだなと思うし、そういう方が罪を犯してしまうくらい9年の母との浪人生活が苦しいものだったのだろうと思う。
終盤の、娘が自白を決めたあたりでの父とのやり取り、関係の変化や、弁護士や周囲の人を信じられるように少しずつなっていく過程は、描写はシンプルだったが感動した。
Posted by ブクログ
自分と重なるところが所々あるので、読み進めるのが苦しかった。
高校の先生と未だに手紙のやりとりを続けているというところで、安心して勝手に涙が溢れた。
これは現実に起こってしまった事件であって、実際に亡くなった方がいるわけなので、あかりさんを100%肯定できるわけではない。残忍な殺害方法、お母様からの虐待や暴言など、読んでいてこちらも苦しくなる部分は多々あったが、この本を読んでよかった、と心から思えた。
Posted by ブクログ
読んでいる間ずっと苦しかったが、本当に読んで良かったと思う。
あかりさんがこれからの自分自身の人生を幸せいっぱいで歩めることを本当に本当に願っています。
Posted by ブクログ
この事件を知った時、「逃げれば良かったのに」って思った。でもこの本を読んでわかった。何度も逃げたんよね。探偵を使って連れ戻される。家出しても、寮付きのとこに就職しようとしても、連れ戻されるんよね。プライベートもない。そりゃ、頑張る気力も無くなるよな。
ずっと読みたかったけど、うちは母と仲がいいだけにこのタイトルの本を家に置くのに躊躇いがあって買ってなかった。友達からオススメで借りたので読めた。
読んでよかった。知ることができてよかった。
ただ、長期間この本の世界にいるとガチ病んでくる。
2週間かけて読んだけどしんどかった。
お母さんは、あかりさん(仮名)の色んな可能性の芽を潰してきたんだろうなと思う。少なくとも、手術室看護師になる芽は確実に潰れた。検事や弁護士の可能性だって。小説を書く可能性も。母という呪縛がなければ、どんなに羽ばたいていただろう。別に羽ばたいていなくてもいい。普通に一般的な生活ができていればいい。
34歳やってさ。私と同い年。
34歳なんて普通だったら、セカンドキャリアを考えたり、結婚、出産も考える歳なわけよ。
お母さんはそれらを全て潰して、自分の思うままになって欲しかったってわけよ。狂ってる。
『私が死ぬか、母が死ぬまで終わらない』
少なくとも、自ら命を断つわけじゃなく、相手を消す方向に向いてくれて…良かったって言い方は間違っているかもしれないけど、強い人だなって思う。これだけ我慢してきて、本当に限界やったと思う。どんな人だって、同じ運命を辿ったらきっとそうなってた。
やっぱり子どもって、学生って逃げ場がない。家庭って閉鎖的。助けを求められる場所がない。自分が「虐待を受けてる」ってそもそも気付けない。
この方は気付いて、逃げ出し助けを求めたけど、自分が本当に助かるところまで行けなかった。
お母さんもしんどかったとは思う。
もうこうなったら第三者の手が入らないと無理よ。
誰かが厚かましく引き離さないと。
簡単にいうわけじゃないけど、お母さんを心療内科に連れて行く人がいれば変わったかもしれん。そんな簡単なことじゃないけど。お父さんも限界だっただろうし、おばあちゃんも別の生活があるし。
愛がまったくないわけではないけど方向が違うし、愛が形を変えたし、みんな見て見ぬ振りをしてたのかなって。
自分の近くにもこういう環境があるのかもしれない。
隣の家がこうって可能性もあるよな。
2013年12月の『あかりの置き手紙』「一世一代の大嘘」これが1番ゾッとした。鳥肌たった。怖すぎる。
(この本、編集も上手すぎると思う。素晴らしい)
医学部にこだわってたのはまだ分かる。でも、なんで助産師にそんなにこだわってたんやろう。手術室看護師めちゃくちゃかっこいいのにな。自分の適性をちゃんと判断して、自分の道を歩こうとしてたのにな。
「母の本意が分からない。そもそも、なぜ母が助産師にそれほどこだわるのかも。あかりにははっきり理解できていなかった。」
でもそりゃそうよね。あかりさん(仮名)が分からんなら、私らに分かるわけない。
たぶん、あかりさん(仮名)じゃなかったら、もっと酷い状況やったかもしれない。もっと早くに自ら命を絶ってたかもしれん。なんぼでもタラレバは考えちゃうけど、無理よこんなん。
出所されたら、自分本位に生きてほしい。
好きなことをしてほしい。幸せになってほしいって心から願ってる。
この本を届けてくれた齊藤彩さんにも感謝。素晴らしいまとまり方で心に届いた。
最後の『文庫版に寄せて』を読むと、本の感想を受け取ったあかりさん(仮名)の気持ちの変化が書いてある。
こんなに辛い思いをしてきて、「苦しみ悩むあなたに寄り添いたい」って、立ち直りを支援する人になりたいって、思ってくれてる。すごい人や。応援したい。
Posted by ブクログ
娘側にどうしても同情してしまう。
私の家庭はなにかを強要されることはなかったし、やりたいことをやりたいだけやらせてもらえる家庭だった。この本の両親に愛がないって言う訳じゃないけど自分の育った家庭が恵まれていたなと思った。家族旅行は年に1回近場だけどあったし、そこまでお金がある家庭でもなかったのに、自分を卑下することもなく、友達の会話に遅れを取ることもなく楽しく生活することができていた。その物事がおきた原因には、人の感情の動きがあるのは当たり前だけど、裁判長があかりの苦しみを導き出せたのは大きかったんだなと思った。裁判官は人を裁く仕事だと思ってたけど、人を救う仕事でもあるんだなと思った。
匿名
殺害された母親の側の気持ちはわからないし、
娘のしたことはもちろん決して許されることではないのだけど、
娘はどうすればあの環境から逃れることができたのだろう…?
そう思うと、心が苦しくなる。
Posted by ブクログ
この事件をきっかけに「教育虐待」という言葉が瞬く間に世間に浸透したように思う。
福祉関係の仕事に就いている自分にとっては、誰かが介入できなかったのかという無念の色が強い。
閉塞的な家族関係の中では、誰もが「自分だけがこういう状況になっている」と思いがちだが、実はそうではない。良くも悪くも似たような環境に身を置く人達は一定数いて、支えあったり共感しあったり、環境が異なっても理解しようと奮闘している。
そういった人と人との繋がりに救われる人がいることへの希望を捨てずに、誰かを理解することを諦めずにいたいと思う。
Posted by ブクログ
「他者を理解し、他者から理解されることで、人は変わっていくのではないだろうか」
まず、タイトルに目を引かれた。
「母」は娘を縛り、「娘」に母は固執する(牢獄に囚われる)。これだけを見ると母の独りよがりのように見えるかもしれない。しかしそこには母なりの信念があり、それが叶わないことでその信念が呪縛に変わっていったのだろうか。
Posted by ブクログ
母親を殺害するまでにいたる幼少期からの背景や心理描写が胸をえぐる。母親からの長期にわたる精神的、肉体的虐待は拷問のようで娘の恐怖と苦痛は想像を絶する。母親はなにかしらのパーソナリティ障害を持っているのではないか。
娘は幾度となく外部の人間に助けを求めているが、母親の元に帰らざるおえない結果の繰り返し。
逃げられない、どちらかが死ぬまで終わらないと思い込むのも自然に感じる。
初審では母親の殺害だけは頑なに否定していた彼女が、裁判官や父親の言葉に心を開き、再審では全てを告白し罪を受け入れる。誰にも理解されないと孤独に陥っていた彼女が少しだけ救われた瞬間に思えた。
Posted by ブクログ
なんとも辛い話。
娘さんはある種の洗脳を受けてここまで育ってきているので、刑期満了後は心穏やかに自分の人生を生きられると良いな。
息子のいる身としては、子供も1人の個人であって、きちんと尊重しなければならないと改めて思い直した。どこまでがしつけでどこからが親のエゴなのか。きをつけていきたい。
Posted by ブクログ
「モンスターを倒した。これで一安心だ」
Twitter(現X)への投稿から時が経ち、河川敷で発見されたバラバラ遺体。逮捕されたのは「医学部9浪」の娘だった…
物心つく前から「この子は医者にする」と母から過度な期待とプレッシャーを受けて育てられ、そして9年に渡る医学部医学科への受験強要。
叱咤罵倒で精神が擦り減り、暴力で肉体を傷つけられる日々。失望されているのに離してくれない。諦めてくれない。自由も選択も奪われた生活。信じたくないけどこの話がノンフィクションだという事にゾッとする。
刑期を終えたあかりさんの日常が穏やかなものでありますように。
Posted by ブクログ
まず、映画や小説の登場人物に感情移入しすぎるような、自他境界が曖昧な自覚のある人間は読まないことをおすすめする。私は見事にそのタイプの人間で、読みながら何度も手を止めたし、読み終わった今も絶望の中にいる。
母から残虐非道な行為を受け続けても、時には一緒に買い物に行ったり笑顔で写真を撮ったりするところに、親に愛されてみたいあかりさんの子供心を感じてとても悲しく、辛かった。
出所後はレールのない人生を歩んで欲しい、とは思うものの、出所するときの年齢は40歳前後で当然前科者で社会人経験はフリーター時代のアルバイトと短期間の看護師のみであることを考えると、先行きが明るいとはとても言えない。これを母という呪縛から解き放たれたと言っていいのか?母を殺そうが一生牢獄に閉じ込められたままなのではないか?第三者である私には、ただただ胸を痛めることしかできない。このやるせなさが憎いと思う。
Posted by ブクログ
不快で読み進められないかと思ったが、自分の想像を超えた母親の姿だったので、驚きつつも興味が惹かれたまま最後まであっという間に読み終えた。自分が彼女であったらば、こういった終わり方以外にどうすることができただろうか。
Posted by ブクログ
読み終わった後、わたしは自分の感想にいまいち自信が持てなくて、他の方の感想を覗いてみた。やはり、私と同じように感じた方を見つけられなくて、なんだか恐ろしくなった。
殺された母親は、間違いなく毒親だ。自身の想定通りに動かないあかりを罵倒し、恐喝し、物のように扱う。
ただ。
ただ、このあかりという犯人にも懐疑心を持ってしまう。嘘をつくのが当たり前になっていること、自身の立場やプライドを守るためのパフォーマンス的な行動や言動などが時折垣間見えること。もちろん、毒親に育てられたことによる結果であると考えるのが妥当なのだろうが、それにしても、、、
母親からの虐待も、全てが本当だったのか。
母と同じように父を蔑ろにしていて、急な掌返し。
一審判決のあとに自身の犯行を認めた理由も、そのまますんなりとは受け入れ難い。
母親のメールにあったような、
嫌なことからは逃げる、嘘を平気でつく、人を裏切る
それは一部、『本当のこと』だったのではないか。
こんな風に考えてしまうのは、私の心が汚すぎるのだろうか。
母親からしても最初は可愛い可愛い我が子。苦しまなくていいよう、楽に生きていけるよう、子供の幸せな未来を願ったはずなのだ。母には母の言い分が何かしらきっとあっただろう。ただしそれはその後の娘へ対する行動として、認められるようなものではないはず。それでも死人に口なし。母が思い詰めていく経過はもう誰にも理解されることはないのだな、と思うと少し切ない気持ちにもなる。
Posted by ブクログ
母からの度を超えた過干渉、日常的な体罰が続き、まさに「牢獄」のような日々。母の高いプライド、それが娘に乗り移り、終わりの見えない受験戦争。
母は自分の人生を、全て娘に託し、娘の全てを支配しようとする、歪んだ母子関係。父や邪魔な周りの人達を排除し、独特で孤立した母子だけの世界…。
私は児童相談所で働いた経験がある。このような歪んだ母子関係の中で、虐待行為が発覚し、介入した事がある。母は子どもの為にやったと主張。子どもは家に帰りたがらなかったが、相当な事をされたのに、母への思慕も語っていた。
親子という関係は、言葉には言い表せない、切ろうとしても切れない、圧倒的な繋がりがあると思う。
私は前述した家族への介入をする上で、親からも子からも非難を受け、「第三者が家族へ介入する事が良いことなのか?」疑問を持ち続けていた。
この本を読んで、第三者の介入無くしては、このような被害者、そして加害者が生まれてしまう、悲惨な結末になってしまう恐れがあるのだと、強く認識を改める事が出来た。
世間の注目を集め、漫画化された本書は、決して他人事ではなく、日本のどこかで、類似した家族構造があっても、おかしくないと思う。
Posted by ブクログ
報道を見ていた時には、見えなかった面が綴られていて、あっという間に読み終えてしまった。メールやLINEのやりとりを読んでいると被害者でもあるが加害者でもある母側には、どのように見えていたのかということも考えてしまった。
どう考えても異常なのに、家庭内のことだからと見過ごされてきたのだろうと思う。やりきれない。子育て(子の教育達成?)を親の成果として捉えて自己実現の手段にするのは怖すぎる。
Posted by ブクログ
出産を控えており、気になっていた本をついに読んでみた。
文章が非常に読みやすく、写真を拝見してもあかりさんの文字は綺麗で賢いのだなと感じた。
このコメントをご本人が見ることはないだろうが、自分だけの人生を幸せに歩んでほしい。
Posted by ブクログ
想像以上にお母さんが酷かった。死人に口なしというし、実際にはお母さんはもっと酷かったかもしれないし、もっと違う面があったかもしれない。
でも、書いてあることがそのままなら、あかりが浪人時代にお母さんを殺さなかったのがすごい。もちろんそんな簡単に人を殺して言い訳がないが、殺されても仕方ないと思わざるを得ない。
難しいのは、子供はやはり母の愛を求める生き物だということ。どんなに酷い母で、どんなに暴力、暴言を振るわれようと、罵られようと、傷つけられようと、自分の母は1人であり、その愛情を信じたくなってしまうものなんだと思う。
家族のカタチは正解がないだけに、とても難しいものだ。
Posted by ブクログ
倫理的には人を殺してはいけないのだけど、この母親の言動は殺されても仕方ないだろ...と思ってしまった。ひどい。
本作を読む前は、母親を殺して刑務所に入るリスクを考えたらどうにか殺さずに離れられなかったのだろうかと思っていたけれど、何度も家出を試みては阻止されて、心身ともに疲弊し、力を奪われていく様子が伝わってきた。
逮捕されてからはお父さんが手厚くサポートしてくれているとのことでそういう存在がいて良かったと思う一方で、こうなる前にもう少し積極的に娘をケアできなかったのかなと思った。
妻(あかりさんの母親)にうんざりして別居生活だったとのことだけど、家に妻と娘の2人きりにしたら娘にどんな悪影響があるか想像できたろうに、無責任だなぁと思ってしまった。
Posted by ブクログ
はあああ辛い。本は薄いけどずっしりくる内容。
面会シーンではすごく普通の人が淡々と話してて殺人者に思えなかったけど、殺害に至るまでの人生と殺害の瞬間はやっぱり狂ってた。
お父さんそんなに優しいならもっと早くにどうにかしてあげられへんかったんかなあ。。
嫌に思いながら何度も立ち戻ってしまうのが母という呪縛なんやろか。。
Posted by ブクログ
医学部9浪も衝撃的だったが、本書を読むと、母娘にはささやかな蜜月期があったことも驚きだった。
娘さんの、母の期待を裏切りたくない、でも束縛やプレッシャーから逃れたいという気持ちもとてもよく分かった。
最悪な結末になってしまったが、父親や弁護士、高校時代の恩師など支えてくれる人たちがいることが救いであり、皆さん書かれている通り、今後彼女が心穏やかに暮らして欲しいと切に願う。
Posted by ブクログ
2018年3月、滋賀県野洲川の河川敷で、激しく損傷し、腐敗した胴体のみの遺体が見つかった。遺体は高﨑妙子58歳だと判明し、娘・高﨑あかりが死体損壊容疑で逮捕された。背景には、医学部への入学を願望する母親との9年間が…
ノンフィクション作品。
9年間、いや小学生のころからだから20年近くもよく我慢できたなと…
普通ならもっと早く崩壊しているのではないかと。
ここまで親に言われたり、やられたりすると普通は爆発してしまうのではないかと。
そこまでやらなくても。
子どものために、レールを敷くこと必要かもしれない。が、強制するのはどうか⁇
子どもには子どものやりたいことがあれば、向き不向きもあるだろう。それを修正するのが親の役割だろう。
そこまで医師にこだわらなくても。
医学部入学のハードルは今も昔もとてつもなく高い。
限られた一部のひとたちしかいけない世界なんだから。
看護師も立派な仕事だ。
妙子の誤った価値観、世間体、見栄が起こしてしまった事件なんだと思う。
あかりもある意味被害者なんだと。
周りはあかりを助けることはできなかったのか?
父親は⁇国語教師は⁇
何かできることがあったのでは?
彼らが行動を起こしていれば、この事件は起こらなかったはず。
父親も『家族だから』というのなら、もっと早く何かできたんじゃないか…
Posted by ブクログ
2018年 滋賀県守山市で発生した
看護学生の31歳の娘が母親を殺害し遺体を解体して野洲川の河川敷に遺棄した事件について書かれたノンフィクション。
母親から超難関の国立大医学部への進学を強要され、執拗な干渉と虐待を受けるなか 9年にもわたって浪人生活を送り、結局 医学部には合格できず、看護学科に進学し 看護師になるはずだった髙崎あかり(仮名)。
ようやく母の束縛から逃れられると思った矢先、今度は助産師学校を受験するように 母に強いられる。
再びあの地獄のような日々を繰り返すことに耐えられなかった あかりは とうとう母親を殺害してしまう──。
家庭とは最も身近な密室なんじゃないかと思う。一人では生きていくことができない子供にとってその場所が心安らげる場所ではない時、それはその子の人生を左右することになるかもしれない…。
読んでいて不快だったのは 殺害の場面でも遺体を解体する場面でもない。
母親のあの高圧的な言動が最も不快だった。
娘を否定し続けて 暴力までふるい 自分の思う通りにならないのなら死んでしまえとまで言い放つ母親。
いったい 何が彼女をあそこまでにしたんだろうか?
もう 誰もそれを彼女に聞くことはできないけれど。