あらすじ
第68回江戸川乱歩賞受賞作。
史上最年少、選考委員満場一致。
「大新人時代」の超本命!
本格ミステリーの骨法もよく心得ている――綾辻行人
特A、もしくはA+、もしくはAA――月村了衛
二人の女性のバディ感が最高に楽しい――柴田よしき
極限状況で生きてゆくひとが、愛しくなる――新井素子
非日常を日常に落とし込む、その手捌きは実に秀逸である――京極夏彦
―滅びゆく世界に残された、彼女の歪んだ正義と私の希望
正義の消えた街で、悪意の暴走が始まったー
小惑星「テロス」が日本に衝突することが発表され、世界は大混乱に陥った。そんなパニックをよそに、小春は淡々とひとり太宰府で自動車の教習を受け続けている。小さな夢を叶えるために。年末、ある教習車のトランクを開けると、滅多刺しにされた女性の死体を発見する。教官で元刑事のイサガワとともに、地球最後の謎解きを始める――。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
設定が非常に面白い。小惑星の衝突で地球が住めなくなる(人類は滅亡する)時に人はどういった行動をとるのか?が非常に興味のそそられる内容で、ストーリーも出会うタイミングや内容、何故今なの?など疑問も出てくるが、実際に自分がその立場になったら何をするかな?なんて思いながら読めたりと、とにかく面白い!実際のインフラ設定や場所にもこだわりがあり、つい調べてしまう(土地勘がないので)
荒木あかね先生の書く本が好きになりました。次の作品も読みます。
Posted by ブクログ
約3ヶ月後に確定で死ぬとされた世の中において、死刑囚でなく、自由な身の健常者の心理状況はどんなものなのか?そしてどんな行動を取るのか?
・3ヶ月待たずに自殺する人
・生き残りたいがために出国を試みる人
・自国に残り生活する人
・殺人を行う人
公的機関は機能不全、死体は野ざらし、スマホ通話は限定的、お金の価値は紙切れ同然、限られた食料…
そんな中、自動車学校で講習を受ける主人公と教官が警察組織に代わって事件の調査を行う物語
400ページ超で、すごい引力のある本です♫
2人のバディに引き込まれます♫
個人的には真夜中のテンション描写が印象的、絶望的な状況のはずなのに、ふと心の余裕が感じられる会話、お互いの秘密を打ち明けることが許された雰囲気がすごく感じられた
Posted by ブクログ
直径七・七キロメートルを超える小惑星が熊本県阿蘇郡に衝突する。それはこの世界では確定事項となっています。衝突によって三十億人が死ぬとされ、仮に生き残ったとしても気象・環境への多大な影響により、結局、人類は滅亡するという予測が立てられていて、留まるも地獄、逃げるも地獄、という状態です。暴動、逃亡、悲観……混沌とした世界の中で、小春は自動車教習所に通っている。ある時、小春は車のトランクの中から他殺体を発見する。自殺するひとはめずらしくない。だけどどうせもうすぐみんな死ぬのに、どうして今殺したのだろう。
ということで本書は間もなく死ぬことが分かっている状況で、なぜ殺人が起こったのか、という魅力的なテーマを主軸にしたミステリであり、事件を追うことで自らと向き合うことになる女性ふたりの青春ロードノベルでもあります。倫理の土台はあまりにも脆く、命の重量があまりにも軽くなってしまった世界だからこそ、時には〈綺麗事〉にさえ聞こえてしまいそうな言葉が鮮烈に響くこともあるのではないか、とそう思わせるような叫びがラスト、胸に響きます。読んでいる間、理解はできるのに共感はできないという気持ちと、共感はできるのに理解はできないという相反した心がせめぎ合う感覚がありました。
Posted by ブクログ
普段ミステリーは読まないけど、設定に惹かれて読んでみた。
終始、展開が変わっていくので一気に読んでしまった。
謎解きよりも世界観やキャラクターが魅力的でよかった。終末の世界がリアルに感じられて好きな世界観だった
Posted by ブクログ
今年22作目。
地球を壊滅させるほどの小惑星が、数ヶ月後に日本に落ちる、そんな状況で起きた連続殺人事件。どうせみんな死ぬのに、なぜ犯人は人を殺さねばならなかったのか。
世界観が面白くて、ぐいぐい惹き込まれた。
自動車教習所に通ったり、110番するシーンがあるんだけど、この状態でも法の秩序を守ろうとするところがシュールで面白い。
隕石が落ちるのでハッピーエンドとはならずビターエンド、それは確定路線。
もし自分がこのような状況に置かれていたら、最後の数ヶ月、最後の日はどのように過ごすのか、考えてしまう。
Posted by ブクログ
ものすっごい面白かった……!!!滅亡を控えた地球っていう奇想天外な設定なのにそれを読ませる筆力がすごい。最初とっかかりにくくてかなり寝かせてたんだけど、車の中から死体が出てきた瞬間からドはまり。これからどうなっていくんだろうってわくわくしてた。
登場人物が少ない分犯人は早い段階でわかるんだけど、この話はフーダニットが重要ではないのでいいです。むしろ犯人が分かってからの怒涛の展開が面白かった。アクション映画見ているみたいで。
初めから終わりがある世界で、最後まで懸命に生きる人たちの物語、というにはきれいすぎるか。秩序が破綻した世界でも良心がある……? うーん、うまく言語化できない。とにかく読み切った後の爽快感がすごかった。イサガワ先生とハルちゃんの関係性もとっても好き。最後ふたりで終わりを迎えるところが本当に刺さった。作者は女同士のバディ物が書きたかったそう。すばらしいです。まあ私はイサガワ先生の暑苦しさはちょっと苦手だったのですが。
しかしこの話のMVPは弁護士先生です。彼女のことを思うと一番泣けた。気高い女性だったよ。
次回作も早く読みたい~!
Posted by ブクログ
地球に隕石が衝突し、人類滅亡まで残り半年。そんな極限状態を舞台にしていますが、本作は「あなたなら最後に何をしますか?」という情緒的な問いかけで終わる物語ではありません。
世界が終わるまで残り二ヶ月半、誰もが死を免れないと分かっている絶望的な状況下で、あろうことか九州で連続殺人事件が発生します。
「全員死ぬのが分かっているのに、なぜ今殺人を犯すのか?」
「全員死ぬのに、なぜその犯人を追う必要があるのか?」
そんな根源的な問いを突きつけられながら、物語は驚くほどテンポよく、サクサクと進んでいきます。
世界滅亡というSF設定でありながら、もし現実にそんな時が来たら「確かにこういうことも起きてしまうかもしれない」と思わせる生々しいリアリティがあり、極限状態での人間の行動原理について深く考えさせられました。
SFとミステリーが融合した非日常の世界観の中で、最後までドキドキハラハラしたい方にぜひ手に取ってほしい一冊です。
Posted by ブクログ
屍人荘系の「今さら殺人事件の解決なんてどうでも良くない?」な話。
残り50ページくらいまでは「どういう結末になるんだろう」とワクワクした。そこから先はちょっと物足りなかったな。
先生の過去とか行動原理をもう少し掘り下げてほしかった。
とはいえ全体的には面白い作品。
作者が23歳でこれを書いたと言うのが凄い。今後もこの作者に注目したい。
Posted by ブクログ
もうすぐ世界が終わる状態での殺人事件、ホワイダニットが鍵なのかなと思っていたがそうでもなかったのが少し拍子抜け。全体としては面白かった。
舞台設定や要所での推理描写は面白いが、犯人の候補が少なすぎて正体がわかったときのカタルシスが少なかったようにおもう。
この作品は映像化したら化けそうだなと思った
Posted by ブクログ
爽やかな読後感でした。
隕石衝突で地球が消滅するのに起きた殺人。
終末世界にミステリーという要素が斬新で、即買ってしまいました。
ロードトリップムービーのような、青春感あるお話でした。読み味はさっぱりとしていて、テンポよくさくさく読めます。
お子さんでも読めるんじゃないかな。
ミステリー部分は正直おまけみたいなものだと思います。推理小説として読むものではないです。
犯人の動機はさっぱり共感できず、キャラとしても薄いし…。ミスリードみたいなのも少し大味というか…。
でも、途中に出てくる残留者達のその地に息づいている生活感を書くのがお上手でした。発狂する人、利用する人、真面目に働き続ける人、それを支える人。人間が終末に向かうとき、日本はどうなるんだろう。意外とみんな普通を継続するために頑張るんじゃないかなと思わせるようなリアルさがありました。
正直、この生活感が上手く書けているので、ここに殺人起こんなくて良かったんじゃないかな…。おこらなくてもいい作品になるポテンシャルがある気がします。
ただ先生と主人公が、目的地につくまでに語り合い、過去の暗い部分を暴露しあい、わかりあい、星を見る。
私はそれでも満足していたような気がします。
設定がいいだけに半端なミステリー要素が浮いてしまってるような気がして勿体無い……
終末なのに教習所に通おうとするバカ真面目と教習してしまう教習官。
もうそれだけで十分面白いのではないでしょうか。
Posted by ブクログ
隕石衝突による人類滅亡前夜という終末設定は珍しいものではないですが、その状況で連続殺人の捜査をするというミステリーはかなり珍しいと思います。終末状況で刑事警察機構も機能していない。まともな参考人もいない。なので、死体はあるけど手がかりは極端に少ない。推理の足掛かりがないので、ミステリー要素はやや希薄。でも不思議と面白くラストまでぐいぐい読ませる作品です。
Posted by ブクログ
2ヶ月後、小惑星が地球に衝突し、世界が崩壊するとします。
目の前には、大切な友人と愛する家族を惨たらしく殺害した犯人がいます。
そしてあなたは、その犯人の生殺与奪の権利を握っています。
生かしても、殺しても、罪にはなりません。公的機関はまともに機能していないからです。
さて、あなたは目の前の犯人を生かしますか?それとも、殺しますか?
Posted by ブクログ
あるきっかけで殺人事件を追う
自動車教習所の教官と受講生。
次々と関連する人々
没入するが余り、矛盾点を感じて
地球が滅び事をつい忘れてしまう
結末が予想し辛いし、明日があるかも?
Posted by ブクログ
終末ミステリー
世界が、社会が滅びる時に、
殺人という罪は誰が捌くのか。
隕石で地球が滅亡する。
パニックによる暴動も多くの人がいなくなったことで収まり、人の気配も感じられないような閉塞感が漂う環境から物語は始まる。
殺人事件を追うという目的のために物語は進んでいくけれど、その中で、人と人が少しずつ近づいて理解しようという過程が描かれていて、最初の重苦しい気持ちから、人に対して少し希望を抱くことができた。
自分が死の瞬間を選べるのならどうしていたいのか。
考えさせられる作品だった。
Posted by ブクログ
地球に小惑星が衝突し、人類が滅亡する寸前の世界でのミステリーという今まで見たことのないような設定がとても印象的だった。小惑星についてやその時のライフライン、公的機関のあり方などの細かな描写もしっかり描かれていた。
登場人物に関しては最後まで愛着が湧かなかった。
Posted by ブクログ
小惑星が地球めがけて飛んでくる。
半年後には人類滅亡。
あー、残念無念ご愁傷様
ちゃんちゃん
と簡単にはいかない。
待ち受けるのは、混乱、暴動、闘争、自殺に殺人。
想像を絶する地獄絵図が容易に想像できる。
自分が生き残るためのみならず、愛するものを守るために他人を傷つけ物資を奪い合う。食べるものを求める。
小惑星の衝突が発表された「不幸な水曜日」以降、人類が長い時代をかけて築いてきた社会は一変する。
水、電気、ガス…ライフラインが断ち切られた時、私たちが生きてゆくことは可能なのか。
今、明るい電灯の下で暖かいコーヒーを片手に、ふと部屋を見上げてゾッとする。
飢え死にするなら…暴動に巻き込まれるなら…略奪に会うくらいなら…
だったら…
もうすぐ死んでしまうのに自殺する。
この心理は分からなくもない。
そして、もうすぐ自分も死んでしまうのに殺人事件はおきる。
人を殺したいという心理や欲求は全く分からないけど、だけど、こう言うことはきっとあるんだろうな。
───
地球の終わりを3ヶ月後に控えた12月末。
人が消えた町で、引きこもりの弟と暮らす小春は自動車学校に通っている。
教習所にいるのはイサガワ先生ただ1人。
お互いに「なぜいまさら?」という思いはあるものの、教習はたんたんと進む。
そんなある日、教習車のトランクから女性の他殺体が見つかってしまう。
こんな時制にもかかわらず、きちんとスーツを着こなし、ビジネスバックを持った女性には、激しく拷問された痕跡がありありと残っていた。
太宰府、糸島、博多で連続して発見された他殺体。
ローカルすぎて、福岡県民にしか分からない距離感。
そして、殺された3人と弟の意外な接点が徐々に解き明かされてゆく。
小春とイサガワ先生
2人の謎解きバディミステリが終末の福岡を駆ける。
───
人類滅亡の日
できることなら私も小春と同じ場所で生きていたい。
今年の16冊目
Posted by ブクログ
予想外に心を揺さぶられるシーンもあり、分量も相まって読み応えのある1冊だった。
ただ、ちょっと冗長に感じてしまった。
加えて、時間軸がわかりづらかった。
縦書きなので漢数字での日付と時間表記、主人公の一人称なので一昨日等の表記、頭の中で整理することを放棄してしまった。
Posted by ブクログ
第68回江戸川乱歩賞。
分厚いものの家で夜、一気に読めてしまった。冒頭の設定が面白い。展開も面白い。全体から感じる雰囲気もよい。なぜかスラスラ読める。期待値が高すぎた。デビュー作とは思えない。全体の完成度が高かった。
Posted by ブクログ
「殺し屋の営業術」が面白かったので
同じ「江戸川乱歩賞」を取った歴代の作品から
こちらを選んで読むことに。
・・・重い、内容が重すぎた。
死体の描写も多くて読んでて気持ち悪くなり
挫折しかけたのですが・・・
中盤あたりから、なんとか読み出せるように。
結末は知りたくなって読み切りました。
終わり方も思ったよりも悪くなく
そこは良かった。
世界が終わる、そんな状態になった時
どうにかして逃げようとする人が続出するのは
理解できたが、自殺者が続出するという設定は
そうなんだろうか?という感じだった。
Posted by ブクログ
こちらの作者様23歳!?
すごい!満場一致で江戸川乱歩賞を受賞したのも頷けます
もし、小惑星が地球に落ちてきて、人類が滅亡すると宣言されたら
追い詰められた状況の中で、人はなんとしてでも生を求めるのか、はたまたそのまま死を受け入れるのか
という話ではなく、
このカオスな状況の中で発生した殺人事件を解決するべく、犯人を追っていく
そっちがメインのとんでもないお話でした
こんな状況下に置かれたら
どさくさに紛れてこの犯人みたいな人
わりとといるんじゃないかな?と思いました
主人公ハルちゃんも弟同様、自分の殻に閉じこもってる印象を受けたのと
なんだか危なっかしいイサガワ先生
この正反対の2人が事件を通して
残り少ない生の中の心の成長に、なんだかスッキリしました
最後は清々しいです
Posted by ブクログ
面白かった。ミステリー部分は特殊な舞台設定により犯人の行動や動機にも「まぁ、そんな考えにもなるか…?」と半ば強引に納得させられた印象。
ミステリが読みたく読んだけど、私がこの本で1番気に入ったのは、終わりを迎える世界での人々の営みとか、なぜそこにいるのかとか、人の愚かさとか、そういった場面だった。
なんならミステリ抜きで終わりの日まで色々な人の視点で読みたい。
日本を出た人や、方舟に関わる人とか…
スピンオフ出ないかな
Posted by ブクログ
「復活の日」や「渚にて」などのシチュエーションに大量殺人を重ね合わせて、謎解き、叙述トリックなども混ぜ込んだミステリー。地球最後がわかっていても、変わらない社会性と人間性を描いている。登場人物が殆ど二面性があることが、物語の二重構造にリンクしているのか。幾分、冗漫な展開もあったり、犯人の動機や殺人方法に若干疑問符。
Posted by ブクログ
最後の文章の余韻がとてもいい。此の世の終わりにおける主人公の緊迫感と、正常性バイアスの中でのあり得ない事件の連続を、知らず知らずのうちに主人公にどっぷり感情移入していたのかもしれない。
Posted by ブクログ
なんか辻村深月みを感じた。学校が出てくるのと、心理描写の雰囲気が似てるのかな。設定が設定だから惜しいなぁもったいないなぁと感じる展開もあった。設定に拘らなければ、有栖川有栖とか、東野圭吾みたいな作品が書けそう。
Posted by ブクログ
小惑星の衝突で、人類の滅亡が確定している此の世。
特殊設定だけれども、起こり得ないとは言い切れない事だろう。
そんな極限状況下での連続殺人事件を捜査していく。
1/3ぐらいまで、なかなか心が乗らなくて休み休み読んだ。ふたりの関係性やテンポ感だったり纏う雰囲気だったりに、慣れていかなかった。
ただ、暁人と光が登場してからは、ページを捲る手が止まらず一気に読んだ。
後から考えると、あれもこれも伏線だったのかー!と驚嘆。
こういった極限状況だからこそ、人間の本質が出るんだろう。
ある者は人を助け、ある者は人を壊す。
犯行動機には、納得できないし、後味悪いけど、これもその人の本質なんだな、と理解。
ラストまで状況は変わらないけれど、きっとこの2人は笑顔で最期を迎えるんだろう。
Posted by ブクログ
単なる事件を解決するミステリーではなく、奇抜な舞台設定がうまく生かされている。
主人公2人の対照的な性格も惹き込まれる要素で、謎解きを楽しむタイプではなく、2人の活躍ぶりを楽しむドラマ的な面白さがある。
Posted by ブクログ
終末と自動車教習所という設定が新しくて良い。
どんでん返しについては驚きは少なかった。
ただ、イッキ読みさせられるほど惹きつけられる作品。